2015/07/31 のログ
美東暦 > 「はー元気元気ー、いや、あっちーですけどねーもー」
表情を崩して首元でフードをぱたぱたと振る。
汗が一筋首を流れていった。

空けて貰った場所へ腰を下ろしながら横目で問う。
「あー、もしかして午睡邪魔しちゃったとか? やーちょっと居るとか思わねーからびっくり」
といって、内容ほど気が引けている風はない。

足を組んで並んで座る。
視線は西日を隠す向こうの棟。
「先生みたいに出来りゃ楽しーんだろなーとは思うんだけどなー。
いやちょっとこないだ行ったら、後輩が絵描いてて。 あ、魔術の練習とか言ってたか。
しばらく休みも長いし、また見てみたいなーっていう…、多分向こうは見られたくねーでしょーケドね」

ふふ、と笑う。

ヨキ > 「それだけ元気ならばよい。
 バテて夏休みを楽しめないとあっては、つまらんだろうから。

 今は、少し休んでいただけさ。
 掲示板を見たかね?夏休みの間、デッサンの補講をやっているのでな。
 それが終わって……少し、休憩していた」

(腰を下ろす美東の隣で、緑茶をもう一口。
 むしろヨキの方が夏に弱そうな土気色の肌をして、しかしその肌に汗はほとんど滲んでいなかった)

「はは。ヨキの腕は……好きで続けてきたら、自然と重なっていったものに過ぎんよ。
 ……後輩?絵を描いて……魔術を使う、美術部員……」

(視線だけを上にやって、また美東を見る)

「日恵野、ビアトリクス?」

(首を傾げる)

美東暦 > プルタブが薄い音をたてて開かれた。
「えっ、マジでー。 最近見てなかったなーネットの方にものせてあるんすかねー」

一口唇を湿らせると、灰色の瞳が横にヨキを見る。
表情は楽しげ。
「ヨキ先生って、こー、変なもん好きじゃん。 それでけっこー講義も楽しかったから。
秋期は他にもなんか講義してくれるとオレ的にはうれしーんですけどねー。 アレ単位もらえたし」

デッサンかぁーと息を吐いた。
美術部員と言って、金属加工と同じく筆を持つのもそう得手なわけではない。
続けたら、というのに苦笑した。さきほどの「興味が広い」という言葉。
「まあ、そこがねー、オレもほんと何にも散漫で…
え? ああ、そうそう。 ビアトリクス」

首を傾げるヨキに軽い調子で頷いた。
比較的部活に熱心な生徒なら、ヨキは当然知っているだろうと…
「ほんとふらっと見に行ったら、放課後までずっとやってたみたいで。
 なんか逃げられちまったケドねー」
口元は仕方なかったかな、という風に歪む。

ヨキ > 「ポータルにも通知は載せてあるでな。見ておくとよい。
 参加は自由ゆえ、気が向いたら覗いてみるといい」

(美東の言葉に、にいと笑って)

「ありがとう。退屈な講義で生徒を飽きさせては、教師の名が廃るからな。
 それに……新しいものを知って取り入れてゆくことは、ヨキ自身の勉強にもなる。
 ……そうだな、君の気が向くようなカリキュラムを、何か考えておくか」

(ビアトリクスについての話に、ふうん、と小さく漏らして)

「逃げられた、か。……ヨキもそうだった。
 だが実際に話すと、真摯で、よい子だ。
 彼は……今日の講習にも参加してくれてな。やはり手馴れたもので、見所があった。

 ……散漫でも構わぬと思うぞ、ヨキは。
 一度覚えたことは、どこへ行ってもいつか役立つときが来る。
 描くでも作るでも、気になることは触れてみればよい。
 肌に合わなかった、というのも、またひとつの発見だからな」

美東暦 > 空いた手がポケットから出した端末を軽く弄った。
忘れないようにポータルサイトだけ開いたのだ。
ヨキが来期のカリキュラムに触れると、軽く口をとがらせて目を輝かせる。

「お お お? オレも四年だし、期待しちゃおっかなー」
実際のところは、そういったカリキュラムもすぐ決められるものでもないだろうし、
学園側とのすり合わせもあるだろう。
そこは了解しているから、軽い調子で合わせるだけだ。
ビアトリクスの話になって、そのままその話題は切る。

「まー別にオレだってそんな悪いよーには考えてねーですけどね。
ほら、可愛い後輩なわけだし? ま、そーいうのも見てて面白いっていうかね。
って言うタイプは苦手そーかなー、んくく、にひひ」
忍び笑い。
ひとしきりで止めて、視線を向こうの建物へ飛ばした。

「今言ったけどオレも四年だし、一応区切りってもんが控えてるわけじゃねーですか。
自分の思うことやってみて、自分が気になることあれこれ触ってみて、
そんで結局どうすんのよー、って。
…ヨキ先生はたとえばこのガッコ離れることになったらどうするとか、何したいとか、考えてたり?」

ヨキ > (学習計画を思い起こしながら、つらつらと考えを巡らせているらしい。
 楽しげな顔で、隣の美東を見遣って頷く。

 ビアトリクスに対する、軽いながらも先輩らしい語り口には、頼もしさを感じ取って笑う)

「あんまりからかうと、また逃げられてしまうぞ。
 ……だが君は君で、目の付け所は良いし、むやみに無神経なタイプでもないからな。
 きっとそのうち、打ち解けることも出来るだろう」

(続く言葉と質問には、そうだな、と少し考えて)

「学び舎を離れるときが決まっている学生には、不安になる話であるよな。
 いちばんやりたいことが、見つからなかったときには、と。

 ……ヨキは、例えこの学校を辞めたとしても、島には残るつもりで居るからな。
 自分の作品づくりに集中してもいいし……それだけではとても食えんから、また人に教えてゆくのもいい。
 人とのネットワークだけは、手広く広げてきたつもりだ。

 ものを作ること、あるいは人と付き合うこと。
 それらヨキの好きな物事から、そう遠くないところで――やっていく心積もりは、ある」

美東暦 > 「ちょっとやってみたいなってこともあるんで、ま、美術部は、会えればなって感じで。
あっこも人あんまいねーもんなー、ははは。
ああいう部屋って、結構嫌いじゃねーんですけどね」
言って缶ジュースを一気に呷った。
細い首に、喉仏がわずかに出ている。
そうする間も、ヨキの言葉が続いた。

「…っふはー、なるほど。 腹決まってるってのは、やっぱいーなーって。
色々やっときたいこととか、心残りとかはあるけど、どーも…
それでも答えみたいなものが一つでも出れば、気持ちは違うのかな、てーのはね。
やっぱり作品とかも、一個完成させるっての、あんでしょ。
ヨキ先生なんかはもうそれが出来てるから、そうやって自分がやることハッキリできてるのかな」

視線は外したまま。
飲み干した跡を軽く拭うように手を添えて、まっすぐ前の、どこも見ていない。

ヨキ > 「美術部は、静かだからな。制作するには持ってこいだ。
 真面目なのが揃っているのもあるだろうし……。
 美東君のように朗らかな者の出入りがあれば、明るくもなるだろう」

(美東の顔に顔を向けていたために、その喉仏も自然と目に付く。
 が、特に気にした風はない。実際のところ、このヨキにとって相手の性別は、瑣末な要素に過ぎないらしい)

「作品は、完成しなければ意味がないからな。『未完の大作』に、正当な評価はつかん。
 だからヨキは、完成させる。完成出来ないなら、手を止めて次へ行く。
 ……もしかすると、ヨキが亜人であることも、気質に影響している向きがあるやも知れんな。
 人間のように悩みも迷いもするが、頓挫はしない。

 学生と向き合うときに、自分の性質が煩わしくなることも……ある。
 先生は、自分のことを何も判ってくれない、と言われたことを、よく覚えている。

 君ら生徒に向けて、本当にヨキから言えることは少ない。
 『やりたいと思ったことは、やる手順が思いついたそのときに、すぐ着手するべきだ』――と」

美東暦 > 「あんまり騒ぎ立てないように気をつけまぁーす」
巫山戯気味にそう笑う。
そのまま立ち上がってヨキの方を見た。
日差しに照る屋上を背に、見下ろす形。

「いやぁー…きっついなー。 でもやっぱり、それが必要なんだろなー。
途中でほっぽり出しちゃダメだよな~~~。
でも、いやぁそれこそ【ヒト】の話なんじゃないかなーとオレは思うかな。
そういうタチの【ヒト】だ……っていうような」
顔を陰にして、困ったように苦笑いした。

「んー、オレが思うのはさ。
そんな、先生ってのは、コッチのこと何もかも理解してくれて一から十まで言葉をくれるって必要はねーんじゃねーかな、と。
ヨキ先生は一つのカタチを見せてくれるから。
それって結構、でかいよね」

「今もそうだし」と付け足して、踏み出した。
数歩歩いたところで、ゴミ箱に向かって缶を投げた。

「手順かー、講義でも言われたもんなー。
何をやるにも、しっかりと完成させるには手順を考えろって。
一段一段、やっていくしかないって…
あ、いやーなんか長々とすいーませんねー」
随分と話してしまったな、と。
缶の吸い込まれていったゴミ箱から振り返る。

「じゃ、今はそうだな。さっそくちょっと部室寄ってみるんでぇー」

ヨキ > (腰掛けたまま、美東を見上げる。まるでまばゆいものを仰ぐように、薄らと目を細める)

「本当に棄てさえしなければ、いつ何どきほっぽり出したって構わないのさ。
 君が何気なく『また美術部へ顔を出してみようかな』と思い付くのと同じで……甲斐は、ある。

 ……先生は何も判ってくれない、と泣かれるのも、誰より人間らしい、と褒められることも。
 どちらもヨキの姿だ。

 少なくとも、自分で誤っていると思うことは、口にしないことにしている。
 君がヨキの言葉を拾い上げて、手掛かりのひとつにしてもらえるのならば――ヨキは幸せだ」

(幸福さを、臆面もなく口にして笑う)

「手順は頭で考えることも大事だが、その実取り組むうちに整理されてゆくものだよ。
 確かに、セオリーはある。だがそこに自分らしく手を加えてゆくのは、君だとも。

 ……ふふ。ヨキにとっては、生徒と会話を交わすこのひとときが楽しみだからな。
 また話そう、美東君」

(美術室へ向かうと言う美東を、笑って見送る。
 自分はベンチに腰掛けたまま、目を伏せる――微笑んで、しばし穏やかに黙考する)

ご案内:「屋上」からヨキさんが去りました。
ご案内:「屋上」から美東暦さんが去りました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 「はい、お達者で~」
保健室の事務椅子に腰掛け、去っていく一人の男子生徒を見送る養護教諭。
部活動中に作った擦り傷の手当ついでに、悩みについて話を聞いていた。
発現、進化した異能の性質と進路希望が全く噛み合わず、
両親からも色々言われている、という。

結構長い話になった。
愚痴や相談を引き受けることについてはそう苦痛ではないが、
長々と喋った後はそれなりに疲れる。
「にょろにょろ~」
よくわからない擬音を口にして背もたれに体重を預けた。

ご案内:「保健室」におこんさんが現れました。
おこん > しづきー、たしか冷凍庫に氷結しまってあったじゃろ。
アイススムージーのやつー。まさか誰か飲んどらんとは思うんじゃけどー。
(がらっと容赦なく扉を開けて、水着姿で現れるなり一言。
 本来なら薬品を冷蔵・冷凍貯蔵するための冷凍庫だけど、
 こっそり堂々と使っているのだ。 取り出したアイススムージーを
 手でえいえいとやってもみほぐしながら、ベッドに腰掛ける。)

蓋盛 椎月 > 「んあ」
見送った側から来客が訪れた。
冷凍庫を完全に私物化していることにはもはやツッコミがない。
保健室の機能が阻害されているわけでもないし。
自分も似たようなことやってるし。

「冷房効いた保健室内で水着姿でアイススムージーって
 贅沢なのかなんなのかもうわかんねえな……」
苦笑しながら、ゆっくりと姿勢を正す。お腹壊さないんだろうか。
というかトイレ行くとき面倒じゃない? 益体もないことばかり浮かぶ。

おこん > たまにはワシも贅沢味わいたいんじゃよー。 お外歩いてきたから、
涼しくせんとやってられんでな。 全くこの季節は過ごしにくくてかなわん。
(アイススムージーを小さな手でえいえい握ってもみほぐす。
 適当名所でキャップを開けて、ちゅーちゅーやり始めた。)

最近、おぬしんところの仕事はどうじゃ?
日射病で倒れたヤツが担ぎ込まれたりとかないかのう。
(日射病にならなくとも、体調を崩す連中はいる。
 クーラーと日光のダブルパンチは、思ったより人を痛めつけるものだ。)

蓋盛 椎月 > 生徒の夏休みは教員の休暇とイコールではない。
保健室の番人である養護教諭はなおさらそうである。

「あたしも冷たいもの飲もうっと……」
グラスに氷をガラガラと入れてカルピスの原液を注ぐ。水を入れる。
妙に飲食物が充実している保健室であった。

「そーですねえ。このクソ暑い中大会が間近って部活もあるらしくて。
 毎日のように熱中症患者が担ぎ込まれてきますよ。
 逆に冷房病の生徒や教員も。
 さっき来てたのは、そういうのとは関係ないお悩み相談の子でしたけど」
冷房が効いていても蒸すのか、うちわを手にして扇いでいる。

「おこん先生は尻尾が熱蓄えそうで大変ですね。
 夏毛に生え変わったりはしないんですか」

おこん > つめた……い……えっ、しづき、カルピス原液で飲むの?飲めるの?
(甘くてどろーっとしたあれをそのままオンザロックでやるんだろうか。
 ちょっと、否、大分びっくり。目を丸くして彼女に問いかける。)

んあー。無理はいかんのに、部活は直ぐ無理をしよるのう。
無理しても身体を壊しては元も子もあるまいてな…
お悩み相談は季節によらぬからのう。おぬしも大変といったところか。
(なるほど、と軽く頷いて見せる。 尻尾のことを言われると、ぽんと手を打って。)

そうじゃ、ちょっとかけてもらおうと思っておったのじゃ。
冬毛、いい加減櫛ってやらねばと思っておったんじゃよ。
お主の手が空いておれば頼みたいのじゃが…。
(どう?って彼女に目で問いかける。 つまり、尻尾にブラシをかけて、
 冬毛を取り払って欲しい、ということだ。)

蓋盛 椎月 > 「そうそう原液のままの喉に絡みつく感じがね~
 ……っていやいや、入れますよ、水」
ノリツッコミの後、まあ落ち着けよというジェスチャーをしてシンクの蛇口をひねる。
原液が水で薄められた。オンザロックっぽく呑むのもまあ面白いかもしれないが。
それを一口飲んで。

「ほえっ、あたしがですか、構いませんけど」
狐さんの尻尾をブラッシングしたことはさすがにない。しかしやぶさかではない様子。
棚や机をがさごそと漁ると、果たしてヘアブラシが出てくる。
「人間用のブラシですけど、これでいいっすかね」

おこん > そうじゃよなー、そんな事言わんよなー!
(ツッコミくらってワハハーって元気よく笑う。
 普通に水で割って飲む彼女に胸をなでおろした。)

うむ、頼むぞ頼むぞっ。 ぶらしは何でも構わぬぞ。
あとは場所じゃのう。 べっどにうつ伏せになるか、
しづきのお膝の上にうつ伏せになるかじゃなー。
(お膝の上にうつ伏せになる場合は、
 お尻をひっぱたかれる時みたいな姿勢。
 ベッドなら普通にうつ伏せ。 9本の尻尾をゆらゆらさせながら、
 あいすすむーじーをちゅーちゅーして彼女のやりやすい方を確認する。)