2015/08/07 のログ
ご案内:「保健室」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 「……結構待つな」
 
保健室の片隅。待合スペースにどっかりと腰掛け、男は一人呟いた。
何故こんな所にいるのかといえば怪我をしたからであり。
何故その怪我がまだ治っていないのかといえば治療がまだだからである。
故にこの保健室に足を運んだわけであるが、運悪く誰もいない。
珍しい事ではあるのだが、今はたまたま全員出払っているらしい。

『室長補佐代理』 > 他の棟の保健室を訪れてもいいのだが、移動は面倒だし、別に命に関わる深手というわけでもないのでこうして大人しく待っている。
だいたい、傷を受けたのは元から動かない右腕で、しかもナイフによる鋭利な切り傷だ。
感染症の心配も速やかにはないし、異能や魔術での治療ならば傷跡も恐らく残るまい。
だったら、焦ることもない。
鍵もかかっていないようだし、そのうち誰かくるだろう。

『室長補佐代理』 > 時計の秒針が進む音だけが響く、夕暮れ時の保健室。
窓際から差し込む赤い光を全身にうけていると、暖気も相まって少しずつ眠くなってくる。
そこそこ血も流したし、もしかしたら貧血なのかもしれない。
まぁでも、それでもいいか、ここは何せ保健室だ。
倒れたところで何の問題もあるまい。

『室長補佐代理』 > 徐々に瞼が下がり始め、それに連動するかのように男の体躯もソファに沈み込んでいく。
既に止血はされているが、それでもまだ傷が癒えたわけではなく、右の二の腕から滲む鮮血が、徐々にソファも汚していく。
だが、当然ながら今の男にはそれに頓着出来るだけの余裕などあるはずもなく、少しずつ、睡魔に意識を刈り取られていく。
うつら、うつらと、少しずつ船を漕ぎはじめ、終いには、そのままソファに完全に身を預け、寝息を立て始めてしまった。

『室長補佐代理』 > 微睡の水底に沈んでいく意識を繋ぎとめる術は最早なく、完全にソファに身を預け、男は昏々と眠り続ける。
静かな寝息は定期的なそれとなり、秒針とは違ったリズムで時間の経過を告げる。

『室長補佐代理』 > そのまま、結局男が意識を取り戻したのは翌日の明方であり。
気付けば、傷もすっかり終わって、ナイフに斬りつけられて破けていた制服まで元通りになっていたのだが。
まぁそれは、また別の話である。

ご案内:「保健室」から『室長補佐代理』さんが去りました。