2015/08/23 のログ
ご案内:「ロビー」に片翼・茜さんが現れました。
片翼・茜 > 明かりの消えたロビー。唯一の光は自動販売機が商品を照らすためのものだけ。
青白い、死人の肌がその光に照らされている。また今日も夜間の見回りを任された茜だった。
もう見回りは終えた、だからもうここになんの用もない。
だが、ベンチに座ったまま茜は動かない。まるで彫像のように。

片翼・茜 > 呼吸もしていない。死人の体には不要なものだ。それでどうやって体が動いているのかは、茜自身わからない。
気だるげな瞳は、どこにも焦点を合わせず、ただ前方の床に向けられていた。まばたきもしない。やはり死人には不要なものだ。
何を考えているのか、あるいは思考すらしているのか、それを窺い知ることは難しい。
まさに死体がそこに座らされている、そういった姿だった。
誰かに目撃されたら、翌日には怪談が1つ増えていることだろう。

片翼・茜 > どれほどの時間、そうしていただろうか。
だらりと下がっていた腕の、指がかすかに動いた。
そして腕がゆっくりと持ち上がり、膝に手をつく。
力を込めて、固まった関節をバキバキと鳴らしながら立ち上がる。
「……カハァー。」コーヒーの香りと腐敗臭の混じった息。関節の具合でわかる、今自分は『停止』していた、脳にダメージも受けていないのに。

片翼・茜 > 各所の関節を回し、凝りをほぐすと、バッグからコーヒーの入った水筒を取り出して蓋を開け、直接口をつけて飲んだ。

「カハァー……。」コーヒーの香りが強くなり、腐敗臭を隠す。
時計を確認すると、数時間ほど経っていた。
見回りを終えた連絡はしておいてよかった、給料泥棒になるところだった。

片翼・茜 > バッグを肩にかけ直して、蓋を閉めた水筒をしまう。
一応、何か忘れ物がないか見回して、ロビーを出て行った。
夜明け前、最も寒く暗い中へ。

ご案内:「ロビー」から片翼・茜さんが去りました。