2015/10/18 のログ
ご案内:「教室」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (放課後。教壇の椅子に腰掛けて、帳面と向き合っている姿がある。傍らには書類の束。
 いよいよ差し迫った常世祭の開催に向けて、教え子たちの展示の次第を見直しているところだった。
 美術作品を数多く展示するとなれば、考慮すべき点は数多い。
 来月には自作を展示する美術館の企画展も控えているが、メインに動いているのはやはり学園が主催する一大イベントの方だ。
 毎年この時期に世話になっている展示スペースの平面図を机上に見下ろしながら、左手に持ったボールペンを弄んでいる)

ヨキ > (取り分け異能や魔術を用いて作られた作品は、接近することで効果に干渉を起こすものも少なくない。
 生徒やその作品が持つ特質を考慮しながらに、限られた空間内にすべての作品を展示しなければならない。
 生徒自身や他の教師、ギャラリのスタッフとも相談を重ねた配置を全て見直して――
 徐に、上体を反らして椅子の背凭れへ身を預ける)

「終わった……」

(何一つ問題のない、完全完璧パーフェクトに美しい配置図。
 その苦労が労われることはほとんどないが、ヨキにとっては手を抜くことの出来ない部分だった。
 椅子に凭れたまま、にやあ、と口が緩む)

ご案内:「教室」に不凋花 ひぐれさんが現れました。
ヨキ > (天井を仰いだまま、唇の隙間から吐息を漏らす。
 頭上のタイルの升目をぼんやりと眺めたまま、じっと黙り込む。

 何かに集中しているときのヨキは、ほとんど不眠不休だった。
 展示の企画中も、作品の制作も、仕事も遊びも含めたすべて。
 集中が途切れぬままに一区切りついたときの、妙な高揚感。
 眠気が襲ってくるでもなし、頭の中がいやにぎらぎらと動いている)

不凋花 ひぐれ > 【カラスもそろそろ鳴かなくなった。カラスが鳴くから帰りましょ、なんて童歌を作った人もいたらしいがどうだったか。
 詮無い思考を片隅に置き、ガタイの良い長躯を見ていた。書類に囲まれて懸命に試行錯誤していたものだから、声をかけづらかったのだけど。
 カラン、コロン―― 小気味良い音と共に、ヨキのほうへとようやっと近づいた。】

「お疲れさまです先生。こちらどうぞ」

【疲れ果て――否、達成感に満ち溢れた彼へと差し出すコーヒー牛乳のパック。勿論未開封。
 彼を見上げるよう目線を上に。瞼を落としたままクチは動く。】

「何やら一心不乱にお仕事をされていたようですが、イベントの調整などでしょうか」

ヨキ > (下駄の音に、椅子を軋ませて身を起こす。
 やってくる女生徒の顔と、そのぴかぴかの制服を視認して、ふっと笑む)

「やあ……不凋花君、こんにちは」

(有難う、これは悪いな、とコーヒー牛乳のパックを受け取る。
 瞼を伏せている彼女に向けて、頂くよ、とごく小さな会釈)

「ああ。明後日からの、常世祭の準備だ。
 君は……祭りへ参加するのは、確か初めてだったな?
 『仕事』も増えると思うが……何しろ盛大で、あちこち見応えがある。
 非番の日には、折を見て回ってみるといい」

(非番という言葉を、ひぐれに対して使う日が来たのだ。
 ヨキの推薦によって不凋花ひぐれが風紀委員会の特別攻撃課に配属されたのは、つい先日のことだった)

「不凋花君こそ、見回り当番にでも当たっていたかね?
 その制服――よく似合っているぞ」

不凋花 ひぐれ > 【鞘に収めた刀を床にとんと叩いて置く。背丈よりも幾分か短いそれは丁度良く手に馴染む。
 つい先月転校してきたばかりだったのに、もう新しい制服に袖を通すことになるとは思わなかった。
 時期が時期故、先に所属などを聞いてから転入するのが通説だろうが、特別学級所属は勝手も異なるし、仕様がない面もある。】

「こんにちは、ヨキ先生。
 まぁ、そういえばそんな時期でしたね。こちらでも大事が起こらない限りは通常の警備のみと仰せ付かっています。
 常世祭は長期間で大規模に行われるらしいので、楽しみにしています。ヨキ先生とも回れたら嬉しいのですが」

【口元に微笑を浮かべながら首肯した。片目を開き、彼女は腕を持ち上げてみる。】

「そんなところです。構内を改めて歩き回りながら慣れて行け、と話されました。
 ……そんな、――ありがとうございます」

【上げた手を刀に添えて、小さくこうべを垂れてお辞儀をした。】