2015/10/19 のログ
ヨキ > 「この島では最も大きなイベントだからな。
 島の空気も、いつもとはまた一味違ったものになるはずさ。

 …………。何、ヨキと回りたいと?
 はは。貴重な休みには、友人らと楽しんでくればよいものを。
 良いとも、ヨキを供に選んでくれることは嬉しいものだ」

(目を細め、嬉しげにはにかんで頷く。
 ひぐれからその表情が見えぬとも構わず、自然と湧き上がったものらしい。
 教卓に両肘を凭せ掛け、和らいで感慨深げな笑みを向ける)

「そうか。見習い風紀委員の研修期間……といったところかな。
 君の実直な様子を見るに、ヨキの期待に十分応えてくれると思っている。

 うむ、どう致しまして。
 特攻課といえば……作戦のときに、また普段の制服とは違ったものを着けるというからな。
 本来ならば、そのような事案が起こらぬよう祈らねばならんところだが……
 きっとそちらも似合うだろうから。君の白い髪に、よほど映えるだろうさ」

不凋花 ひぐれ > 「数日前から街のほうでも準備が進められていた様子でしたので、つい眼を閉じて歩いてしまいました」

【三日月のように口元を引いて冗句を混ぜながら、紅眼は柔らかな顔を見せるヨキを見据える。
 その顔はよく見えないものの、悪い感情を抱いているようには見えない。声にする言葉、抑揚、癖などからから嬉しそうにしていることが伝わった。】

「勿論、友人や同所属の方々とも回る予定ですが、蓋盛先生やヨキ先生とも深くお話がしたいのです。」

【顧問と講師と在らば密接に過ごす時間も長くなるものの、"オフ"での活動でも一面を垣間見たい好奇、積極性を見せる。】

「それはそれは、ご期待に添えられるよう邁進していきたく思います。
 その制服でしたら既に貰い受けて確認しました。本来であれば動きを重視するために慣らしておきたかったのですけれど。
 ……本当に、あまりそういうことが起こらなければ良いですね。そう云っていただけるのは嬉しいです」

ヨキ > 「ふふ。常世祭で展示する作品の中には、触って楽しめるものも置かれる予定であるからな。
 君にもきっと楽しんでもらえることと思う。

 嬉しいよ、授業の外でもヨキを知りたいと思ってもらえるのならば光栄だ。
 ヨキもまた生徒のことを、上辺のみならず深く知り、そうでこそ繋がりの深まるものと考えている。
 蓋盛も生徒思いの、楽しい女性であることさ。いろいろと、気軽に話してやって欲しい。

 ……ふふふ。楽しみだ」

(最後に添えた一言は、普段の低く重たげなヨキの語調より、いくらか若く丸みを帯びたものだった。
 まるで子どもが、遠足でも楽しみにしているかのような)

「どれだけ公安風紀が尽力したとて……
 人の世では、トラブルが起こってしまうのが常だからな。
 風紀委員で身に着けたこと、知ったこと。このヨキにも、ぜひ教えてくれたまえ。
 卒業までの四年間で、君は少しずつ大人になってゆくだろうからな。
 親心と呼ぶにしては、随分と薄情なヨキだが……見守っていたいのさ」

不凋花 ひぐれ > 「まぁ。ちなみに例年はどのような催し物が開かれているのでしょう」

【前期までの学園の活動も、彼女にとっては馴染みのないことばかり。
 教師の視点から得られる情報というのもひとつ、参考にしたい点である。】

「誰かと話す際は常に好奇を持ち続けるということが私の座右の銘です。
 その本質は余すことなく観てみたいですし、奥底まで手を入れてみたくなります。
 蓋盛先生とも、勉強以外でお世話になることもこれから多くなるでしょうから、今のうちに……」

【荒事に加わる可能性が格段に上がった以上、保健室ないし病院へと足蹴なく通う機会も増えるだろう。
 ひとつふたつくらいはネタを用意しておいたほうがいいだろうし、最も世話になる人物だろうから。】

「……まるで先生が生徒のようですね」

【率直な感想。首を傾げながら、違和感が喉の奥へと吐き出した言葉はそれである。
 低音の心地良い花のよな音が、若芽のような緑溢れる語調の変化は、彼女を感嘆させる。】

「世知辛い世の中。でも―――そう。
 だからこそ組織があるのでしょう。先生という抑止力もいて、学ぶことも沢山で。
 薄情だ何てこともございません。見守ってくれる大人の立場として、大人になる姿をしっかりと見ていてください。
 私自身では何かと、眼にすることが難しいので」

ヨキ > (例年の催しを訊かれて、そうだなあ、と指折り数える)

「まず……商店街で常世祭限定メニューが増えるだろう。部活からバンドまでいろんな演奏をやるだろ。
 演劇の公演も、異能や魔術学の講演会も……それからワークショップも。
 縁日みたいに出店が並んでいるところもあるし……見るたび新鮮だぞ。
 いずれのグループも毎年趣向を凝らすものであるから、楽しみが尽きんのだ。

 ヨキの教え子らも展示を行うし、ヨキ自身も参考作品として出す予定であるからな。
 不凋花君を、あちこち連れ回す羽目になってしまうやも知れん」

(続くひぐれの言葉に、くすくすと笑って)

「ヨキと蓋盛は……随分と同類のような気がしている。
 このヨキと楽しく話せるならば、彼女ともきっと仲良くなれよう。

 ……ヨキが生徒みたいと?はは、言われてしまったな。
 ヨキとて人間ぞ。楽しみを籠めて隠しておくなぞ、出来るものか」

(若い男の声で年寄りめいた言葉の選びをして、子どものように笑う。
 そうしてゆったりと笑うその身のこなしは、大型犬の身じろぎに似ていた)

「そうだ。子が長じたその先で、街を守ったり、トラブルを起こす人間に分かれてゆくのだよ。
 ヒトの社会はその繰り返しだ。
 教師の側に立つヨキには、君が正しい大人になることを見届ける責任がある。
 そうして育った君が――のちの生徒らの手本となってゆく。
 何ともキリがなく、わくわくするような話ではないかね」

不凋花 ひぐれ > 【ほう、と眼を細める。次々と挙げられる催しものの数々。片手では数え切れないはずだ。
 自然の彼女も心惹かれてくるものがある。】

「寧ろ、連れ回していただくほうが助かります。人通りが多いと大変ですから
 極力介助役は連れ回しますが、どこになにがあって、どういうものであるかを説明する方がいるだけで大分違うものです」

【こて、と首を傾げる。銀糸はまばらに、りりんと鈴が鳴った。】

「それもそうでしたね。先生だって人ですから。先生は良い先生です。
 生徒との距離が近くてしっかりしていて優しくて」

【滔々と言葉を並べながら、続く言葉に対して。
 開いた片目を再び閉じた。そうして思い浮かべる情景は、未来の己。
 自分は数年後にどうなっているのか。1年後は、4年後は、10年後は? 様々な思考がくるくると回る。
 同時に自分は何でも出来るし、なんだってやれる。無数のルートがあると実感する。】

「―――あぁ、まだ、私には具体的な答えを見つけることは出来ません。
 ですが迷える分だけ、私はきっとわくわくしているんだと思います」

【胸を撫で下ろすように深呼吸をする。ヨキのにおいと学び舎のにおい、ほんの微量のコーヒー牛乳のにおい。
 考えれば考えるほどキリがない。確かにその通りである。】

「――そろそろ、見回りを再開しないといけませんので。私はこれで失礼しますね。
 ヨキ先生、楽しみなのもいいですけどしっかり寝るようにしてくださいませ。少々"荒く"見えますので」

【そうし、にこやかに笑んだ。】

ヨキ > 「ヨキは人を連れ回して、あれやこれやと話すのが大好きでな。
 君がそうとお望みならば、さぞ満足のゆく案内役となれるだろうよ」

(不遜に笑って、ふふんと鼻を鳴らしてみせる。
 老翁のように話し、少年のように笑い、それでも最後に戻ってくるのは穏やかな教師の顔)

「ああ。分かれ道の多さに、恐らくはくらくらと眩暈を覚えるようなこともあろう。
 何しろヨキがそうだった……ヒトが人として育つに、ひとたびも迷わぬことなどない。

 ――お疲れ様、不凋花君。
 そろそろ夜の冷える季節だ、夜は気をつけて帰りたまえよ」

(添えられた進言には、おや、とにこやかに笑って)

「ヨキに何か視えたかね?だが、寝ていないのはご明察といったところだ。
 ふふ……君に心配を掛ける訳にも行くまい。その優しさに応えて、今夜はゆっくり休むとするよ」

(その言葉が、本当に果たされたかどうかは――さて。
 コーヒー牛乳を飲みながら、見送りに出てゆくひぐれを見送ることだろう。
 間もなくしてヨキもまた、荷物を抱えて夕刻の教室を後にする)

ご案内:「教室」からヨキさんが去りました。
不凋花 ひぐれ > 「連れまわされるのは大好きですよ。
 先生こそお気をつけて。夜道はもう暗いですから。

 ……それと、ヨキも迷われたというのなら、先達のお言葉を聞き入れて、道に迷う先を見据えたいですね。
 私は目を閉じていても歩くことは出来ますが、こういった道は不慣れですから。」

【和やかに言葉を返して、『さようなら、ヨキ先生』と返す。
 進言した言葉を素直に受け止めてくれたらしいなら、上機嫌そうにして刀を持ち直す。
 鞘を持って地面と壁に向けて振りながら、夕暮れに沈む廊下を歩く背を、彼に見送られたことだろう。】

ご案内:「教室」から不凋花 ひぐれさんが去りました。