2015/12/25 のログ
■片翼・茜 > 時折コーヒーを作りに席を立つ以外、ずっと作業を続けている。死体は疲労もしなければ排泄もしない、集中力の続く限り仕事を続けられる。
日が沈み、夜の帳が下りるにしたがって、一人また一人と職員室からは人が去っていく。恐らく予定があるのだろう、恋人や家族、友人達と会いに行くのだろう。
今日は12月24日、つまりクリスマスイブであるが、茜には何の予定も無い。それを悔しいとか寂しいとか感じるような若さはもはや持ち合わせていない。
「……ふぅ。」気づけば水時計は中のオイルが落ちきっていた。またスイッチを押そうとして手を伸ばしかけて、止める。
少しは休憩をしよう。肉体は疲れないが、精神はそうではない。
「んー…!」背もたれによりかかって大きく肋骨を伸ばす。バキバキと固まった関節や筋肉が音を立てた。
■片翼・茜 > 立ち上がって窓際に向かう。カーテンを開けると、夜のグラウンドが見えた。
「今年も雪は降らなかったか。」別に期待もしていなかったが、なんとなくつぶやいた。
窓を小さく開けて、外に手を伸ばす。ひらひらと氷の結晶が落ちてきて、手袋の上に乗ったり……は、しなかった。
「だろうな。」
窓を閉めてカーテンも戻す。その場で軽くストレッチをしてから、また席に戻った。
■片翼・茜 > また水時計のスイッチを押して、作業に戻る。
結局この日、茜は誰よりも遅くまで残っていた。
ご案内:「職員室」から片翼・茜さんが去りました。