2016/06/07 のログ
雨宮 雫 > 「ごめん、ボクには全く理解できないので、頷けないかな、かな。」

開放的なおバカさんなのかもしれない?と、思うが口にしなかった。

ツッコミよりも先に

「ぇ、解放骨折してたの!?
 それ自分で戻したの!?

 中々滅茶苦茶なコトをするのだね、だね……」

聞き捨てなら無いことを口走られて、ツッコミはそっちに入れざるを得なかった。

とりあえず

「この鎮痛剤飲んでだね。
 後、消毒するから、物凄い痛いから、麻酔もするのだね。」

コップに水、と、白い錠剤を瓶から出して、相手の前へ置く。
飲ませてる間に自分の袖から細長い布包みを取り出すと、机のへに広げる。

中には仕舞われていた長い長い針を何本か抜き出すと、アルコールで拭いて消毒する。

真乃 真 > 「で、でも、保健課でいたらたまにそんな人いるんじゃない?
 空見てたらテンション上がっちゃて怪我した人。」

きっと他にもいるはずである少し不安を感じながら尋ねる。
多分、自分だけではないだろう。ないよね?

「いやあ、そんなに褒められても困るなー。」

滅茶苦茶な事をすると言われればそんな風に言いながら。
照れくさそうに左手で頭を掻く。

「分かった。けどなるべく痛くないようにお願いするよ!」

白い錠剤を口に放り込み水で流し込む。

「そ、その長い針で刺すのかい?いや、びびってはいないけどね!」

雨宮 雫 > 「そりゃぁ、何考えてそんな怪我したのか分からない人は来るけども。
 今のキミみたいに来るけどだね、だね。」

居ないこともない。
何考えてんだか分からないようなのは居る。
保険課じゃなくて、本業の方でよく見かける。

まぁ、それはそれとして。
薬を飲ませてる間に傷を確認する。

解放骨折を強引に中に戻したというのなら、多分、完全にバッキリと折れてる。
更に筋肉や色んなものも傷ついてると見るべき。
骨の破片とかもありそうだが……

まぁ、それよりも。

「まぁ最初はどうやっても痛いけど。
 ノー麻酔で色々すると、下手すると失禁するくらい痛いから、ソレよりはマシだと思って諦めるかな、かな。」

と、いうわけで、針を手に取って、相手の腕に細く冷たい指を添えて。
つぅ、となぞって、東洋医学的な経路を診る。
痛いだろうが、腕の幾つかの場所を押さえてから

慣れた様子で グ と針を差し込んでいく。
注射のような痛み、まあ針で刺しているのだから当たり前だが、そんな痛みがあるだろう。

二本目を刺す頃には、右腕全体の感覚が消えていく   ハズだ。

真乃 真 > 「いやあ、僕は本当に何考えてたんだろうね?痛っ!」

HAHAHAと笑いながら言う。
と右腕に痛みが走る。

右腕の傷は骨を無理やり戻したにしては少ない。
そう、異能で戻したのだ。
ジグソーパズルを組み合わせる作業を精密に一瞬で行える異能である。
さらにタオルをギブスのようにして巻いていたため予想よりはかなり状態は良いはずである。
いや、折れて飛び出した時点で割とズタズタではあるのだけども

「…分かった!耐えるよ!」

自分の腕に針が刺さる様子から目をそらしてまた少し見てやはり逸らしてそれでも気になって…。
目をつぶってもつぶらなくても痛いのは一緒だが気持ちの問題である。

「うおっなんだこれ!これが麻酔なのかい!?」

二本目の針が刺さった感覚がない。無いのに刺さって凄い変な感じがする。

雨宮 雫 > 「保険課の病院で脳の配線も診てもらうといいかな、かな。

 んぅ?
 そうだよ、麻酔打つより、これのが早いからね。
 感覚消えたかな?でも、動かせちゃうから安静にさせててね?

 まぁ、多分、この針はボクしか使ってないけど……あ、針に触っちゃ駄目だからね?
 そのままにして、病院で抜いて貰うのだね、だね。」

腕をちょい、ちょい、と押して、しっかり麻酔されたのを確認。
次に消毒と傷の確認に遠慮なく右腕を触り始めるのだが……

眉を顰めた。
想像よりも骨が整ってるし、傷自体も軽い。いや、大怪我なのは確かなのだが。

これなら、外から骨の位置を直したりしなくても良さそうである。
麻酔されてるのをいいことに、グリグリと容赦なく消毒と、血止めの処置。
次に傷を閉じて簡易的に絹糸で縫う。
これは、病院で切られて処置の後、改めてちゃんと縫われるだろう。

後は、包帯で巻きつつ、折れた箇所を木の棒二本で、挟んでグルグル、グルグルと巻いて応急処置終わり。

ここまでの処置は淀みなく、止まる事無く行われた。

右腕にはグルグル巻きの包帯に、深く刺さった3本の針。

「ふへー。」

真乃 真 > 「保健課の病院では脳の配線も診てくれるのかい!?
 流石だなー。…異能とか使って診るのかな?」

頷きながら言う。流石常世島なんでもあるぜ!
…もしすると本当に頭を打っているのかもしれない。

「なるほど、ここら辺を針で刺せば右腕は痛くなくなるのか…
 覚えておこう!」

なるほどなるほどと頷く。
いざってならなければ活用はしない方がいいとは思う。

「おお、これでもうあとは病院に行くだけだね!全然痛くないし流石、保健課!」

痛くないのは麻酔のおかげである。

「いやあ本当もう、右手をやっちゃったときはどうなる事かと思ったよ!
 本当にありがとう。いや、ありがとうございました!」

雨宮 雫 > 「…………腕を折る時に頭を強く打ったりしてないかな、大丈夫かな、かな。」

本当に頭の検査も必要な気がしてきた。
病院に渡す引継ぎ書類に、その旨も添えておこうと思う。

って。

「って、駄目かな、かな。

 刺す深さや位置はその時の状態で一定じゃないから、素人が同じ場所に刺しても効果ないかな、かな。
 それどころか、逆に怪我するだけだから、絶対に止めるのだね、だね。

 ―――腕が二度と動かなくなってもボクは知らないからね?」

脅しでも何でもなく、実際に起こり得るのだ、と、念を押して置く。
自分の技術を他人が不確かに使ってされる怪我は嬉しくない。

「はいはい、皆、怪我した時と病気の時はそう言うのだね。
 後は病院に電話して車回して貰うから、玄関まで送っていくかな、かな。」

使った道具をトレイに放り込んで戻しつつ、備え付けの電話機を手に取った。

真乃 真 > 「うん、頭は打って無いよ!大体いつも通りだ!」

これでもいつも通りらしい。
これは死ぬまで直りそうもない。

「む、そうなのかい?同じ場所に刺すなら出来ると思ったけど流石にそこまでは
 分かりそうもないな…。腕が動かないのは困るしね。」

右腕に刺さっている針に意識を向ける。
…もしこれも勢いで深く刺さったらヤバイかもしれない。

「おっと、僕は本気で言ってるぜ!これからも怪我をしたときは世話になる予定だからね!」

怪我をする予定は特にないけれども…。

「そこまで、してくれるのかい!?いやあ、君は本当にいい人だね!」

きっとマニュアルにあるのだろうとかそんな考えはない。
立ち上がり、左手だけでタオルを器用に首に巻く。これで準備は万端である。

「さあ、行こう!」

雨宮 雫 > 「これで、いつも通りなのか……凄いかな、かな。」

恐ろしい精神構造だ、ちょっと感心する。

「素人の生兵法っていうのだよ、そういうのは。
 後で面倒になるから、そういうのは止めようね、誰も幸せにならないからね、かな、かな。

 まぁ、怪我人はきっちりかっちり、処置してあげるけどだね、だね。」

どんあ怪我でも死人でなければ、いや、死人でもある種、歓迎だが。
電話を終えると、もう一箇所、別の場所に電話してから書類を持った。

「保険課なら皆、この位はしてくれるかな、かな。
 怪我人にはふつーふつー……それじゃあ行こうだね、だね。」

すぐに玄関口に車が来るだろう。
先導して、歩き出そうと。

真乃 真 > 「ありがとう!よく言われる!」

自信ありげに笑いながら礼を言う。
凄いとか羨ましいとか。

「うん、やっぱり餅は餅屋だよね。」

今回の怪我もそもそもテキトーな知識で試したのが原因である。
流石に反省はしている。だが教訓にはなった!後悔はしていない!

「流石、保健課!やっぱり人を助ける事にかけては保健課がかなり強いね!」

どう頑張ったって自分には腕が折れた人を助けるなんて無理である。
精々、背負って病院に連れて行けるくらいだ。本当にすごい。

「ああ!いざ病院へ!」

髪の長い子の後ろについて続く。
その足取りは病院に向かう足取りではとてもないような堂々としたものだったという。

ご案内:「保健室」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「保健室」から雨宮 雫さんが去りました。