2016/07/20 のログ
ご案内:「保健室」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 「………ふぅ。」

小さく吐息が篭もる保健室。氷の入った水に浸した手が、随分と冷たい。
異能というのはなかなかに厄介なものだ。

異邦人は、あくまでこの場所では異端というだけで、他の場所ではそれぞれの文化を構築していたわけで。
衝突はあれど、それはお互いの言い分があるからだ。
……まあ、会話も何もない相手がやってくることもあるわけだけれども。


異能はそれがない。
何故起こるか分からないのだから、質が悪い。

感情の揺れ幅で発動したそれ……肌が高熱に変化する相手に腕を掴まれてしまったが故の、火傷。

その場では痛くないふりをしたけれど、やっぱり痛いものは痛い。

朝宮 小春 > 彼女の母はそれを解明しようとした。 他の人との違いからプロセスを辿り、原因を探ろうとした。
新たな力に目覚めた者に、必ず何かしらの共通点が出る筈だと信じて疑わなかった。
それを解明し、目覚めた「原因」を追い求める。
あくまでも異能は何らかの外部要因があると信じる学派。

その娘である彼女もまた、その学派の1人ではある。


「感情で使ってしまう子もいれば、理性的に使える子もいるし。
 自動でずっと続いてしまう子もいれば、オンオフの自由自在な子もいる……。

 でも、………筋肉も強いものもあれば弱いものもあるし、
 意思が届くものもあれば届かないものもある………と。」

火傷を冷やしながら、ううん、と考えこむ。

朝宮 小春 > 「……ま、考えて分かるなら悩まないか。」

ふう、とため息をついて、冷やした腕を取り出して。……ううん、まだちょっと痛む。
軽度の火傷ではあるけれども、火傷って軽いものでもじんじんとした痛みが長く残るから辛いもの。

「でも、まあ、早く治してあげないとね。」

火傷をさせた生徒は、ひどく落胆をしていたし、後悔していた。
故に、元気な姿を見せてあげなければいけない。
どんな言葉より、それが一番気が晴れるってものだろう。

研究者になりきれない教師は、のんびりと氷水に腕を浸して。
ああ、冷たい。 冷たさが痛みに変わってきた頃。

朝宮 小春 > さ、て。 休暇に入るのだから、それはそれで動かねばなるまい。
しばらく連絡の取れていない家族にも連絡を取りたいものだ。

そうしたら、海にでも行かねばなるまい。
泳ぐ! と宣言した以上、泳がねばならんのだ………。

教師のプライドをかけて彼女は泳ぐだろう。 多分。 きっと。

ご案内:「保健室」から朝宮 小春さんが去りました。