2016/09/06 のログ
ご案内:「廊下」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 「………あら?」

休み時間、次の講義が行われる教室へ移動している途中のことだった。
掲示コーナーを見ると、8月中に開かれていた個展のお知らせの掲示が、別のものに変えられていた。
そのことに気付いた蘭は、その掲示に近寄って中身を確かめることにする。

美澄 蘭 > 掲示は、個展の主であったヨキがしたためた御礼の文面だった。
自分の作品を見た者に対する篤い感謝の念が、この掲示から伝わってくるような気がする。
…と同時に、「芳名帳に記名してくれた者ら」という記述に、少しドキッとした。

(そっか…私、もう「無名の鑑賞者の一人」じゃないのね)

そんなことを考える。
御礼の文面には「今回の展示で感じてくれたことには、正解も不正解もない」と書かれているが…
かえって感想の内容で鑑賞者の人となりが暴かれるように思われて、緊張に胸が締められるような気がした。

美澄 蘭 > しかし、一方でその掲示に勇気づけられる部分もあった。

(…感想や意見…)

「対比」シリーズのことを、ずっと聞いてみたいと思っていた。
そのチャンスが、きているのかもしれない。
…どうせ、自分はもう「無名の鑑賞者の一人」ではないのだから。

美澄 蘭 > 幸いというか何というか、この掲示には彼の教員用メールアドレスが記載されている。

(…今日、帰ったらメールしてみよう)

そう、決意する。

それから、蘭は次の講義が行われる教室へと駆け足で向かったのだった。

ご案内:「廊下」から美澄 蘭さんが去りました。