2017/06/13 のログ
ご案内:「ロビー」にセシルさんが現れました。
■セシル > 風紀委員の男子制服姿の中性的な人物が、きっちりとした姿勢でロビーの方に向かってくる。
その手には何かを書き取ったノートと筆記用具。
数学の講義でよく分からないところがあったので、職員室に赴いて先生にじっくり聞いてきた帰りなのだ。
あまり馴染みがない分野だったので、少しでも忘れないうちに、自分でも軽く手を動かしてみるつもりでロビーに来たのである。
勉強の前に自販機に向かって、アイスコーヒーの缶を購入した。
■セシル > 適当な机のところに腰掛け…ノートと教材を広げ、手元にコーヒーの缶を置く。
「………さて、と」
背筋は綺麗に伸びているが、その視線を真っすぐノートに向けて。
やっている内容は高校数学の標準的な内容なのだが、その表情はやたらと真剣だ。
■セシル > この世界でやりたいことが見つかったわけではない。
ただ、だからこそこの学園都市に、この島にいる間はより多くのものを「すくいあげる」立場であろうと思って、セシルはこの学年で基礎的な教養のほとんどは修めてしまうつもりでいるのだ。委員会活動でも単位は取得出来る。
結果的に、全体的に講義の進行は早くなり、難易度も上がった。
空き時間に、教師や学業に優れる同僚などの力を借りながら、何とかこなしている。
■セシル > 「………。」
しばらくそうしていて、集中力を維持するのが辛くなったのか。
深い息を吐くと共にその細い身体を背もたれに預けた。
缶コーヒーに手を伸ばし、飲み口を開けて一気に半分くらい飲んでしまう。
(…夏期休業前の試験までは、気を抜けそうにないな)
コーヒーの缶を、少しばかり渋い顔で見つめたのは、コーヒーの苦さのためではない。
■セシル > 「………さて、もう30分で感覚だけでも掴めれば良いが」
缶コーヒーを再びテーブルに置いて、筆記用具を手に取る。
警邏の業務だって、待ってはくれないのだ。
そうして、缶コーヒーの残りとともにもう少し数学の課題と格闘したセシルは、何とか感覚を掴んだのか、そこまで暗くない表情でロビーを後にしていくのだった。
ご案内:「ロビー」からセシルさんが去りました。