2017/09/04 のログ
ご案内:「屋上」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > 夕暮れ時の屋上。
今日も一日仕事をこなした俺は、自分をねぎらうために此処に来ている。
──そのはずだ。そのはずなのだ。が、
「やっぱもうちょい俺がしっかりしてりゃ、ああはならなかったよな……」
思い返すのは先日ピクニックに行った転移荒野での一幕。
朝早くから気合を入れて作って来ただろう弁当が見るも無残な結末を迎えた時の生徒の表情。
起こってしまった事は仕方ないとはいえ、防げなかった事故では無かったのがどうしても悔やまれた。
「……ったく、良い歳こいて情けねえ事引き摺ってんなあ。」
吐き出したタバコの煙を見送りながら、俺は自嘲気味に呟く。
責任はどちらにも無い、完全な事故だ。それは解っているんだが……。
頭で理解してるからと言って納得いくかと言われると、存外これが容易じゃない。
■暁 名無 > 「何だかんだ楽しみにしてたっぽいしな……」
実際のところ、どう考えていたのかは分からない。
直接聞いたわけじゃないし、今更聞いても曖昧にはぐらかされそうな気がする。
変な所で察しが良いので、俺が気を使ってる事に気付くかもしれない。
そうしたらきっと、当たり障りのない返答が返って来るだろう。
「……俺が気にしないのが一番かね、やっぱ。」
今日何度か考えて、結局その都度行き当たる結論に、俺は両手を上げた。
逆に俺の立場だったら、と考えたところであまりにも思考回路に差異があり過ぎる。
やっぱり気にしてないフリをするのが一番かもしれない。
■暁 名無 > 少し肌寒いくらいの風が吹く。
気が付けば陽も大分沈みかけていた。
咥えていた煙草はフィルターのところで綺麗に焼け落ちて、残ったフィルターも俺の手の中で燃え尽きる。
「はぁ、ったく……儘ならねえなあ。」
眉間に皺が寄ったのを慌てて指で解して、それから小さく肩を落とす。
どうにも親しいと思う相手に入れ込むのは昔からの悪い癖らしい。死ぬまで性根がお人好しなのかと思うとうんざりしてくる。
「もう少し擦れても良かったんじゃねーのか俺ー……」
そんな事を言っても後の祭りは百も承知。
赤々とした夕陽に昔の──今の俺を重ねると、少しだけ悪態も出て来ようってもんだ。