2018/01/29 のログ
ご案内:「保健室」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 午後の保健室は静まり返り、聞こえてくるものといえば暖房機器が温風を吐き出す音だけ。
時刻は15時を少し過ぎた頃合い。校医の姿は見当たらず、カーテンで仕切られたベッドの上にはセーラー服の少女が一人、目を閉じて横になっていた。

昼食を摂った後に体調を崩し、ここを訪れたのが約二時間前。
校医に勧められてベッドで横になり、気がつけば眠りに落ちていた。
少女はまだ夢の中にいるようで、首元までを毛布で包み、耳を澄ませても聞こえぬほど小さな寝息を立てている。

鈴ヶ森 綾 > 「……うっ…ぐっ…ぅ…。」

不意に、それまで変哲のなかった寝姿に乱れが生じる。
口からは苦しげな呻き声が漏れ、毛布からはみ出した手は強く握りしめられ、そこには並々ならぬ力が込められているようだった。
室温は一定に維持されているというのに、その額には汗が浮いていた。

校医は少し前に保健室を出ていったまま未だ戻らず、他の寝台は無人で、その異変に反応する者は今は誰もいない。

ご案内:「保健室」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「失礼します、頼まれた資料を持ってきました。保険医の先生はいらっしゃいますか?」

お昼というには遅すぎる時間帯。
講義の合間に書類を持ってやってきた場所は保健室だ。
よくよく考えれば、保健室に訪れるのは初めてだ。
別に体調を壊したこともなければ、係というわけでもない。
偶然教員にお使いを頼まれてここにやってきたわけだが、
室内を一瞥た限り、保険医は留守のようだった。

「この資料、どうすればいいんだろう…デスクの上に置いておけばいいのかな。
 ん……あ、あの、大丈夫ですか?
 って、綾さんじゃないですかッ」

書類を手に立ち尽くしたとき、何か苦しそうな声が聞こえた。
初めは無視しようかとも思ったが、保険医がいない今、
そのまま放っておくというのは出来なかった。
そうして失礼を承知でカーテンを開けると、そこには見知った人物。
普段の落ち着いた様子からは想像できない、苦しそうな様子に駆け寄って声をかける。
何か発作だろうか、うなされているだけだろうか、
肩を軽くたたいて名前を呼べば、握りこまれた彼女の手に自身の手を重ねて>

鈴ヶ森 綾 > 自分の名を呼ぶその声に導かれるように、やや間を置いてから閉じられていた瞳が薄っすらと開かれる。
横向きだった首が僅かに持ち上がり、声の主が視界に収まる。
それから目の前の相手を正確に認識するのに、5秒ほどの時間を要した。

「……あぁ、ラウラ?どうかしたのかしら、こんな所で。」

本人は寝ている間に起きていた事にまだ気づいていないのか、額の汗もそのままに、
重ねられた手を不思議そうに少し動かした。

「……気持ちが悪い…。」

そしてゆっくりと身体を起こそうとして、目眩に襲われて呻くように言葉を漏らす。
大きく開かれた目からは涙が溢れ、自分に何が起きているか理解できずに全ての動きを止める。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ああ、目が覚めましたか!大丈夫ですか?何かの発作とかではないですよね?」

彼女の目がゆっくりと開いて、こちらの姿を捉えた。
それでもはっきりしない様子の彼女に呼びかけて、ようやっとこちらのことを認識してくれた。

「ものすごくうなされていたんですよ?
 何か怖い夢でも……って、あ、綾さん!?」

まだ意識がはっきりしないのか、気持ち悪さを訴える彼女を支えて、倒れないようにする。
そして突然涙を流す彼女に動揺して、どうしたらいいのかと慌てふためく。
結局何もできることを見つけられず、彼女をそっと抱き寄せて背中をさすり、
魔術で気持ちを落ち着かせることしかできなかった>

鈴ヶ森 綾 > 「…そうよね。私、寝ていたのよね。」

目が覚めた、そう言われて次第にぼんやりと霞がかった意識が明瞭になってくる。
それに伴い、胸の中に感じた焼け付くような不快感も薄れていく。
それが彼女の力によるものなのかそうでないのかは分からないが、背中をさすってもらうのは気持ちよかった。

「…ごめんなさい、心配かけたわね。夢…えぇ、そうね。見ていたような、気がするわ…。」

夢。確かに見ていた、そんな気はした。
だが意識の覚醒に逆行するように、その記憶は急速に遠ざかっていき、もはや断片を残すのみだ。
ゆるく頭を振り、彼女に支えられながらもう一度身体をベッドに横たえる。

「一つ、頼まれてくれる?水を持ってきてくれないかしら。」

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……昔のことですか?あ、いや、何でもないです。
 いえいえ、気にしないでください。
 わかりました!すぐ持ってきますから!」

うっかり夢の内容をきいてしまった。
うなされていたのに、その内容を質問するなんて。
そう思って、すぐに気にしないでと言う。

そうして少しの間彼女の背中をさする。
耳や尻尾がでているのを見れば、魔術を使っているのは明らかだが、
今回はいつも以上に強く魔術を行使している。
即効性に欠ける魔術、その効果を上げるためだ。
そして水を頼まれれば一度身体を離し、水を取りに行く。
程なくして、水の入ったコップが運ばれるだろう>