2018/02/16 のログ
ご案内:「屋上」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 教室棟の屋上。程よく緑化された環境にベンチが置いてあるこの場所は、
暖かい日の日中であれば憩いの場として人々に使われる場所である。
しかし冬場は気温が低くなり、雪がちらつくことも珍しくないこの島では、
今時期ここを憩いの場として利用するものは少数だ。

「……なんだろうな。わからないな」

ここ数日は比較的暖かい日が続いていたが、その代わりに風が少し強く、
時々冬を思い出したように降る雪は中途半端に溶けて、
霙の状態で吹き付けていた。
そんな天候のせいで、今の屋上はうっすらと濡れている。
そんな屋上に置かれているベンチをハンカチで軽く拭いて座っているわけだが、
憩いの場としてというより、どちらかといえばまとまらない思考を落ち着かせるために
この場所を利用しているといったほうが正確だろう。>

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > ここ数か月で仲良くなった人物が一人。
今頭の中がイマイチ煩雑としてまとまらないのは、彼女についての考え事だ。

「どんなふうに接すればいいのか、まだわからないんだよね……」

お互いの部屋に行き来して、チョコを交換して、
お茶やコーヒーを交えて雑談して、
授業をさぼって遊びに行くくらいには親しくなった。
少しずつお互いのことをわかって、信用できるようになった反面、
まだ知らない部分が多い。

居場所になってあげる。そうは言ったものの、
果たしてどのようにすれば彼女の居場所になれるだろう。
彼女がいつか本当の姿を見せてくれた時に、
それを拒絶せずに受け入れられるだろうか。

そんないくつかの不安や疑問が渦巻いて、一つの大きな塊となって心のうちに居座っていた>

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ほんと、自分の魔術を自分に使えたらどれだけ便利なんだろう」

いつかのクリスマス、公園のベンチでそうしたように、
ベンチの上でしゃがみ込むようにして膝を抱える。
そして煩雑な思考を断ち切る様に抱え込んだ膝の中に顔を埋め、ため息。

いっそ、本心を思い切って聞いてしまうというのもありだろう。
もちろん、彼女が私のことをよく思っていないということはないはず、
ないはずだが、より本能的な部分、人間として繕っている彼女の考えではなく、
存在として彼女がどう思っているのか。
それを一度きいてみるのも……
そんな考えと、急ぐべきではないという考えとがぶつかって、また新たな悩みを生む。

「結局、自信ないだけなのかな……」

誰に向けたわけでもない、純粋に自身への言葉>

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あー、もう……考えるだけ無駄!
 なるようにしかならないんだから、今は目のまえのことに集中!」

しばらく悶々とうずくまっていたが、
ついにわからなくなって考えることをやめた。
ベンチから降りて立ち上がると、グッと背伸びをする。
すると外気が全身を包み、その冷たさが急激に身体を冷やしていくのがわかる。
ふう、と一息つくと、傍らに置いていたギターケースを手に取って、屋上を後にした>

ご案内:「屋上」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。