2018/04/07 のログ
ご案内:「食堂」にモルガーナさんが現れました。
モルガーナ > 放課後の食堂の一角、いつも騒がしいその場所は
今は奇妙な静寂に包まれていた。
周囲の視線の真ん中には少々色素の薄い姿の学生が一人
食堂によくある長机を一人占拠し
机いっぱいに広げられた数々の料理を口に運んでいる。
制服に身を包み、一見童女にすら見える彼女が
大の大人でさえ辟易するであろう量の料理を卓上に並べる様は
大食漢の多いこの島では珍しくない光景とは言え
周囲の目を引いているが本人はそれを気にかけることなく
ただ淡々と食べ続けている。

「…………」

肉汁を煮詰めた餡のたっぷりかかった挽肉の固め焼きを
十分ほどかけて平らげた後、おもむろに次に手を伸ばす。
いわゆる学生向けの具材のたっぷりはいった春野菜カレーなるものを引き寄せると

「…………」

匙の形状に少し戸惑った後、
一口二口と口に運び、一瞬固まった後
何も言う事なく黙々と匙を口と皿の間を往復させ続ける。

モルガーナ > ご飯粒一つ残さず完食すると
変わった形の匙を皿の上に置き、次の皿を引き寄せる。
次の料理は鶏肉に下味と衣をつけ、
油で揚げたものだという。

「……ふむ」

周囲に聞こえないほど小さく感嘆の吐息を漏らした後
箸で持ち上げ、小さく噛みつく。
少し熱いがほど良く調味料のしみ込んだ鶏肉の旨味と
衣のサクサクとした食感が口の中に広がる。
食感も硬すぎず、食べ応えのある噛み心地で
共に献立に含まれていた出汁のきいた飲み物と
白米……この島の人間の主食だそうだがとにかくこれとよく合う。

モルガーナ > 付け合わせについてきた葉をみじん切りにしたものと
ジャガイモを潰したものという和え物も丸っと平らげ
何やら輪切りされた黄色い物を口に含むと
ぴたりと手の動きが止まる。

「……酸い」

付け合わせなので味の薄い物であろうと予想していたものの
予想に反して意外に味が強い。しかも酷く酸っぱい。
不意打ちに近いがこれはこれで口直しなのだろうと気を取り直し
次の皿を引き寄せる。実際口の中がさっぱりはした。

ご案内:「食堂」にニコラスさんが現れました。
モルガーナ > 次の食べ物は乳のようなもので鶏肉や海鮮を
いくつかの野菜と共に煮込んだ食べ物。
この世界のもう一つの主食であるという
パンなる食べ物と一緒に食べるのだという。
このパンという食べ物に関しては祖国にも似たようなものがあったため
幾分か未知の感覚がないという事が少しうれしい。
まるで遠い異国の地で旧友に偶然出会ったかのよう。
実際間違っていないが。

「……む」

思っていたよりも……旨い。
もっとこう、乳臭い淡白な食べ物を想像していたが中々どうして。
煮込まれた野菜と鶏肉の旨味と香りが
どろりとしながらあっさりとした風味の出汁に溶け、
しっかりと焼かれた肉にも劣らない食べ応えを保ちながらも
優しいながらも奥深い味わいに仕上がっている。

ニコラス >  
(腹が、減った。
 去年よりも多少難度が上がった授業を終えたところで腹の虫が食料を要求してきた。
 夕食の時間には少し早いが、自身の身体の要求には割かし素直なこの青年。
 ならばガッツリ肉でも食おうとすっかり慣れ親しんだ学食に足を踏み入れてみれば。)

――マジかよ。

(マンガみたいな量の飯をかっ喰らっている女の子がいた。
 この島で一年余りを過ごし、ここで起きることは大体慣れたと思っていたのだが、まさかこんな方向から責められるとは思ってもいなかった。
 当初の目的も忘れ、少し離れたところから彼女の食いっぷりをまじまじと観察。)

モルガーナ >   
夕食時も近づいたという事もあり
ギャラリーも先ほどに比べて増えつつあるが
特にそのようなことを気にするような性格でもない。
用事があるなら何か話しかけてくるだろうと言わんばかりに食事に没頭している。

「…………」

シチューなるこの食べ物も難なく詰め込み、
次なる皿に手を伸ばす。
食べる速度自体はそう早くはないが
どう考えてもその体に入るだろうという量を
遥かに超える量を平らげているというのに
最初から全くペースが変わっていない。
しかし一つ問題が発生した。

「…………」

皿の中央に金属が乗っている。
そう、金属光沢を放つ何かが乗っている。
ホイル焼きなる食べ物らしいがどう見ても金属の塊だ。
この国の生き物は金属を食べるものもいるらしいと
認識を新たにするが……

「……これで食せるのか?」

用意されているのは前に食した肉を切るときに使ったものと同じもので
頑丈そうではあるが刃が薄く、魔術などの特殊加工の様子もない。
到底金属は切れそうにない食器を眺め
戸惑ったような声を漏らした。