2018/09/15 のログ
ご案内:「教室」に西宮 香織さんが現れました。
西宮 香織 > 死への恐怖。
それって誰もが持ち合わせてる物だと思うんです。
…普通の人なら。

西宮 香織 > 「……なんでしょう、ね…あれ」

さっき廊下の通りがかりで見かけたのは、
今島で話題らしい、赤ゾンビのなにがしのポスター。

それを面白がってか知らないけれどB級映画風に仕立てたもの。

西宮 香織 > あんなポスターを飾って「風紀委員の募集」だそう。
近頃良く話しにあがるから、その赤ゾンビは私だって知っている。

「あかぞんび…ですか」

ゾンビ。
ゾンビっていうのは、死んでなるもの。
死が前提のものなんですよ。

西宮 香織 > 最初の話に戻りましょうか。
誰だって死への恐怖はあると思います。

…そして、その後ゾンビにされて彷徨う事になるのは、
普通に考えたら怖いとかいう次元ではないですよね…。

写真や絵でしか見たことがないですけれど…自分がああなると考えれば、吐き気の一つも催しそうなものです。

…そう考えたら気分が悪くなって、夕暮れの教室の隅の席で、
ぼんやりと空を眺めているのですけれど…

西宮 香織 > それにしたって、ここの島の感性は、やっぱりおかしい。
それは怪物がいる、ゾンビがいるという話ではないのです。

普通、ああいうもの…飾っておくでしょうか、ね。

普通…。
普通ですか。

西宮 香織 > 「……ふぁ…。」

……えぇ、既に、分かっています。
この島では普通である事こそ普通ではない事なのですから。
少し、矛盾してしまっているけれど。

ああして死んだ人をネタに、
死への恐怖を無視して不謹慎なポスターなんか……

西宮 香織 > ……こういう考えこそ、捻くれて異常…ですか?

「はう…。」

学校に来てから何度目か分からないですけれど、
来島の前との差異に困り、恐怖して…これでもう何度目でしょう。

西宮 香織 > ふらり、とその場を立ち上がる。
要は、嫌な物を見たって、たったそれだけ。

それだけなんですけれど。
また、保健室のお世話になりに行こうと歩き出しました。

ご案内:「教室」から西宮 香織さんが去りました。