2018/11/15 のログ
ご案内:「屋上」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  昼休みの時間。学食に行かず屋上にいる一人の学生。
 理由は人が多いとか色々とあるが最大の理由は。

「ここなら人はいねぇか」

 今あまり人が多い場所にいくのは色々と避けたい。その理由は見てわかる姿だろう。
 見える部分の内右腕には包帯を巻いており、顔にも大きなガーゼを貼っている。前に炎ノ人形との戦闘のさいに負った火傷である。
 教室でも購買でも異様に目立った。まぁ気を使われて購買で道が開いたのはある意味ラッキーだったかもしれない。
 彼としては要らない包帯なのだが……巻いていない方が目立つ状態だったので巻いている。
 ベンチに腰を下ろしパンとコーヒーを取り出し食事を始める。
 
「ったく、たかが怪我で大げさなんだよ」

 というが、顔はともかく腕の火傷は結構重度だったらしい。

白鈴秋 > 「ッ!」

 何時もの調子で右手でプルタブを起こそうとして腕に痛みが走る。はぁと溜息を吐き出すと右手にコーヒーを持ち替え左手でプルタブを起こす。

「いっそ鎮痛を……やめだ。治りが遅くなる」

 痛覚というのは煩わしいし嫌な物だが必要不可欠な感覚でもある。例えば自分の毒で鎮痛させれば元と同じ生活を送れるし、右腕だけで直立もできるだろう。
 だが結局細かいところで元とは違うし、その細かい所で大事故に繋がる可能性もある、となるとしっかり治すべきであって……痛いということは無理をさせているということ。つまり治るのが遅くなる。
 だが不便な事に変わりはない。実際練習もほとんど出来ないし、調べたいことの調査もほとんどすすまない。
 魔術を併用させているのである程度は早いが……それでも一週間くらいは右腕が満足に使えないはずだ。
 苦い顔を浮かべながらコーヒーを一口飲む。何時もより苦く感じる事だろう。

白鈴秋 > 「……どうするかな」

 食事を進めながら色々と考える。情報の入手手段や練習について。
 練習に関してはむしろ良い機会かもしれない。自身の魔術、空間魔術に関してはまだ拡張の余地がある。それの練習の機会に便利だ。
 問題は情報の入手ルート。こればかりは自分で動かなければ手に入らない、だが今の状態で無理して動けば怪我ではすまない可能性もある。
 となると……少し顔をしかめる。

「あんまり使いたくねぇが」

 携帯を取り出す。何時も使っている私用でも仕事用でもない第3の携帯。必要最低限の機能だけのある種裏の携帯。
 連絡をする。

「ああ、俺だ。少し集めて欲しい情報がある。今そっちで話題になってる薬について色々と情報を集めろ。報酬は何時も同じで良いな。それじゃあ任せた」

 一方的に連絡し一方的に切る。別に失礼ではなく向こうからこうしろと指示しているのだ。
 かけた先は裏の情報屋の一人。利害の一致で協力関係にある相手だが……正直あまり使いたい相手ではない。

「状況が状況だ、しゃあねぇか」

 何度目かになる溜息を吐くと食事を続けた。今日のパンは自由に選べたのに味気無く感じた。

ご案内:「屋上」から白鈴秋さんが去りました。