2015/06/13 のログ
ご案内:「理科室」に名取理子さんが現れました。
■名取理子 > うう…だるい…やばいなこれ。
(薄暗い理科室に少女が一人。鼻をずるずる啜りながら、何やらビーカーやらシャーレやらを机上に並べている。)
あ、なんか頭も痛くなって来た気がする…あ、いや気のせいか。ん…?でもやっぱり痛いような…あ、これ考え始めたらまずいやつだ。
(赤く火照った顔でもにょもにょと呟く。)
ん~やっぱこういう器具とか買っとくべきかな……体調崩してわざわざこんな深夜に理科室で薬作るとか、絶対おかしいよなこれ……。
(などと言いながらも手元の作業は黙々と。得意分野だけあって、体調不良をきっかけにドジることもないようだ。)
■名取理子 > (ビーカーやらフラスコやらの真上で手を翳す。それらは中身ごと3秒程青い光を発した後、収束してある形を保つことになる。)
……いっぺんに出来ればいいんだけどね。混ざるの怖くて未だに容器を分けてしまうよ。
(机上に散らかる無数の薬草と、容器の中の出来立てほやほやの粉末を見比べると、溜め息一つ。)
……うん、いっぱい作っておくか。作り溜めだ作り溜め!
(そう意気込んで腕捲りをする。……が。)
あ、寒気……今のノリなしなし…。
■名取理子 > けほ、けほ…。
(深夜の静寂の空気の中、空咳が弱々しく響く。それでも少女は薬を作ることをやめようとはしなかった。)
……美子も私の異能が使えたらよかったのにな。「神社に私達のことをお願いしてきました!」じゃないんだよ…そうじゃないんだよ。
(さっき読んだばかりの、記憶を共有する為だけの筈だった交換日記の内容を思い返す。ただの連絡手段ではない、今やこの日記は2つの人格を結ぶ強い絆と化していた。)
(机上を見回す。少しは溜まっただろうか?)
……もうちょいいける。
(再び机に向かう。真夜中の理科室で、青い光が、何度も点滅している光景を作り出す。)
■名取理子 > (ガシャーン! とけたたましい音が響く。廊下にまで響くほどの騒音だろう。床には散らばる硝子の破片と、薄い緑色の粉末が散らかっている。)
あーあ…やっちゃったなあ。げほ…これ流石にまずいやつかな…てか立ってるの辛いな…。
(よいしょ、と口にしていることには気が付かず、椅子に腰かける。)
ちょっと休憩…あ、そうだ、仮眠しよう仮眠…。げほ…。
(散らかしていない机の上にそのまま突っ伏する。割と、早目に、というか、10秒も立たないうちに寝息をたて始めることになる。)
■名取理子 > (ふと、眠る少女の髪留めが床にぽとり、と落ちる。いや、正確には胸辺りまで長く伸びていた髪が、収縮を始めた。)
(あっという間に肩に触れるか触れないか程度の長さに縮むだろう。そして、少女は深夜の理科室で目を覚ますのだ……。)
ご案内:「理科室」から名取理子さんが去りました。
ご案内:「理科室」に名取悟子さんが現れました。
■名取悟子 > (誰もいない深夜の理科室、空咳をしながら一人の少女が目を覚ます。赤く紅潮した頬を涙が伝う。本人はそれには気づかない。)
……あれ、私はどうしてたんだっけ。
(見回すと、足下に散乱する硝子の破片と粉薬。理子として異能を駆使しながら、一人で色々と奮闘していたことを思い出す。)
……そうだ、私、具合悪い…。
(立ち上がる気力も、床を掃除する気力もない。薬も作れないので寮に戻るしかないが、その気力も、ない。しばしぼうっと虚空を見つめている。)
■名取悟子 > ……私、今さっき理子の時、“起きて”なかったな。
(一人、とんでもない事実に気がついて愕然と。いつもなら、悟子は美子や理子の人格でいる時はうすらぼんやりと意識を持っていたのだ。それが出来ていなかった、ということは、恐らく体調のせいなのだろう…が。)
……自分の意思で出てこられないの、なかなかしんどいんだけどな。
(ははは、と柄にもなく力なく笑って見せたのは、これもまた体調のせいか、それとも…。)
掃除は、しないと…。
(ゆっくりしゃがみこみ、横着な性格がわざわいして素手で拾った結果、右手の中指の付け根を切る。)
(滴る血をじっと見つめるうち、ぼろぼろと涙が零れてきた。)
(深夜の理科室、少女の泣き声が響く。)
■名取悟子 > 美子さん、理子さん、お元気でしょうか。
私は今とてもだるいです。
そもそもあなた達は私の事を知りませんでしたね。
でも、それももうきっとなんともなくなるでしょう。もーまんたいです。
私は自身の存在が薄くなっているような気がします。元の性格って誰なんでしょうね。私のヒストリーはどこにあるのでしょうか。
取り敢えず、具合悪い時に外出歩くのはやめてください。私と違って友達もいるあなた達は、家にいたってきっと誰かに助けて貰えますから。
まだ、わかんないことだらけです。次もし出てこられたら、そしてその時元気だったら、私なんとかして、色々調べたりしてみますね。
具体的な事言っても多分通じませんので、それではこれで……。
(一通り器具やらゴミやらを片付けた後、「二人」が持ち歩いている交換日記の最後のページを切り取って書き付けた文章を一通り音読する。)
(沈黙。数分間、自分の書いたものを見つめ続けると、泣きそうな歪んだ表情をした後、その汚い紙切れをぐしゃぐしゃに丸めて教室の隅に向かって投げ捨てた。体力が落ちている現在、そんなに遠くまでは飛ばず、向き合った机の向こうに虚しい音を立てて落ちただけだったが。)
(音を立てて乱暴に立ち上がる。体を机にぶつけながら、逃げるように教室を飛び出した。そのさまは、八つ当たりを自分自身の体にぶつけて解消しているかのようだった。)
(捨てられた紙切れだけがそのままその場に残る。誰かに拾われたって構わない。好きにしてください、と、悟子は思っていたのだった。)
ご案内:「理科室」から名取悟子さんが去りました。