2015/06/21 のログ
サイエル > 「やっぱ努力は怠るべからず、なのかねぇ」

当たり前のことをぼやきつつ
コーンを並べていく。

「……よ、っほっ……」

左右、振り子のようにV字に
そこから、緩急をつけて進み
コーンを一つ突破。
ターン、速度が緩む。そこから、地面を後ろに蹴り
少し強めに、スナップ。

フェイドアウェイ。

今度は綺麗に決まった。
おっさんの得意技であった技である。

「流石にこれは落ちてないか、よしよし」

そこはご満悦そうに。
これがイケメンだったらわーきゃー言われていたんだろうが。
そこは悲しきかな、少しバスケが上手いだけでは
そんなことはある訳もなく

「うん、たまにはいいねぇ。こういうのも」

昔の動きを取り戻すのはたまにはいい。
がっつり、もう一回やろうなんて思いはしない。
が、リフレッシュにもなるだろう。

「よ……」

適当に放り投げる。入る。
距離感は戻ってきているようだった

サイエル > 「ふむ……こっちで、体重減らすのも悪くないね?」

しかしハードなのは嫌いだ。
だから、息抜き程度でいいだろう。
少し、汗を流す程度で。

「ほ、よっ……そいや……っ」

ジグザグ、そこから跳躍。

ガシャアアンっと大きな音。

力任せにおもいっきりボールをゴールに叩き込む。

ダンク……バスケットボールの花形だ。

「あっはっは、久々にはまってきた」

この感じは嫌いじゃない。
決まった時の達成感を久々に味わえば
どこか昔に戻った気さえする。
あぁ、懐かしいなぁ。
そう思いながら、もう一回リベンジ。
3P。今度は綺麗に決まった

サイエル > 「あぁ。でもやっぱ……スリルを感じるには足りないか……」

相手がいない。それは退屈だ。
せっかくの退屈しのぎなのに、独り遊戯では面白くない。

「ふむ……でも、このあたり。血の気の多いのが多いからなぁ……」

そう、そうなのだ。
最近”音”は良くないものが多い。
破裂音、悲鳴……そこから推測される、鉄の味。

「……まったく、仕事を増やさないでくれよ」

しないけど、ほかの先生が忙しくなるだけだけれど。
そう心の中でつぶやきながら。

「たまにはこういう青臭い春もいいじゃんか、なんて」

誰に言うわけでもなく、ボールをもう一度放り投げた。
描いた軌跡はよどみなく。ポスっとまたリングを潜った。

「ま、思う存分ふるえる場所に悦ぶのは仕方ないけれど」

そう仕方のない話。
なにせ、きっと。今まではそういった場所はなかった、かもしれないのだから

サイエル > 「ん、まぁ、久々の運動にしては悪くない」

――これなら、いつでも身体を動かせるかな?

ひょいっと締めにボールを投げた。

「んげぇ!?」

――ガンっ

締まらなかった。まさかの入らず
リングにはじかれて戻ってきた。

「ぬぅ……カッコつかな……」

そのボールを取り、かごの中に収めてタバコを取り出し。
白衣を脱いで腕にかける。
第一ボタンを空けて、パタパタとシャツを引っ張って
空気をなかにいれながら……

「――あっつ……」

バタン……
体育館の扉を閉めたのと同時。
タバコに火をつけて紫煙をなびかせながらその場を後にした

ご案内:「体育館」からサイエルさんが去りました。