2015/06/21 のログ
■サイエル > 「やっぱ努力は怠るべからず、なのかねぇ」
当たり前のことをぼやきつつ
コーンを並べていく。
「……よ、っほっ……」
左右、振り子のようにV字に
そこから、緩急をつけて進み
コーンを一つ突破。
ターン、速度が緩む。そこから、地面を後ろに蹴り
少し強めに、スナップ。
フェイドアウェイ。
今度は綺麗に決まった。
おっさんの得意技であった技である。
「流石にこれは落ちてないか、よしよし」
そこはご満悦そうに。
これがイケメンだったらわーきゃー言われていたんだろうが。
そこは悲しきかな、少しバスケが上手いだけでは
そんなことはある訳もなく
「うん、たまにはいいねぇ。こういうのも」
昔の動きを取り戻すのはたまにはいい。
がっつり、もう一回やろうなんて思いはしない。
が、リフレッシュにもなるだろう。
「よ……」
適当に放り投げる。入る。
距離感は戻ってきているようだった
■サイエル > 「ふむ……こっちで、体重減らすのも悪くないね?」
しかしハードなのは嫌いだ。
だから、息抜き程度でいいだろう。
少し、汗を流す程度で。
「ほ、よっ……そいや……っ」
ジグザグ、そこから跳躍。
ガシャアアンっと大きな音。
力任せにおもいっきりボールをゴールに叩き込む。
ダンク……バスケットボールの花形だ。
「あっはっは、久々にはまってきた」
この感じは嫌いじゃない。
決まった時の達成感を久々に味わえば
どこか昔に戻った気さえする。
あぁ、懐かしいなぁ。
そう思いながら、もう一回リベンジ。
3P。今度は綺麗に決まった
■サイエル > 「あぁ。でもやっぱ……スリルを感じるには足りないか……」
相手がいない。それは退屈だ。
せっかくの退屈しのぎなのに、独り遊戯では面白くない。
「ふむ……でも、このあたり。血の気の多いのが多いからなぁ……」
そう、そうなのだ。
最近”音”は良くないものが多い。
破裂音、悲鳴……そこから推測される、鉄の味。
「……まったく、仕事を増やさないでくれよ」
しないけど、ほかの先生が忙しくなるだけだけれど。
そう心の中でつぶやきながら。
「たまにはこういう青臭い春もいいじゃんか、なんて」
誰に言うわけでもなく、ボールをもう一度放り投げた。
描いた軌跡はよどみなく。ポスっとまたリングを潜った。
「ま、思う存分ふるえる場所に悦ぶのは仕方ないけれど」
そう仕方のない話。
なにせ、きっと。今まではそういった場所はなかった、かもしれないのだから
■サイエル > 「ん、まぁ、久々の運動にしては悪くない」
――これなら、いつでも身体を動かせるかな?
ひょいっと締めにボールを投げた。
「んげぇ!?」
――ガンっ
締まらなかった。まさかの入らず
リングにはじかれて戻ってきた。
「ぬぅ……カッコつかな……」
そのボールを取り、かごの中に収めてタバコを取り出し。
白衣を脱いで腕にかける。
第一ボタンを空けて、パタパタとシャツを引っ張って
空気をなかにいれながら……
「――あっつ……」
バタン……
体育館の扉を閉めたのと同時。
タバコに火をつけて紫煙をなびかせながらその場を後にした
ご案内:「体育館」からサイエルさんが去りました。