2016/06/01 のログ
ご案内:「射撃場」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 「よ、っと。………久々ね、こんなものを持つのも。」

穏やかな表情で射撃場に姿をあらわすのは、普段のスーツ姿のままの女教師。
生物担当で、どんな能力も持たぬ一般人。
ちょっとドジだが人一倍努力はします。

そんな彼女は、今日は珍しくライフル部のライフルを持って参上。

何を隠そう、昔は少し触っていたのだ。
走り回る部活が難しかった、というのもあるけれど。

朝宮 小春 > 何のことは無い、久々にちょっとやってみたくなっただけ、というのが本当のところ。
自分の苦手なことばかりしていると気分が滅入る。
すっかり運動を苦手として、インドア派になってしまった彼女であるが、体力を改めてしっかりつけたいという気持ちもあるのだ。

今年の夏に泳げるようになる、という目標もあるし。

よいしょ、と少しぎこちなく模造銃を手に、構えて。

ご案内:「射撃場」に蓋盛さんが現れました。
蓋盛 > 「あれ、朝宮先生?
 そんな嗜みもあったんですか」

うしろから不意にかけられる声。
いつのまにか白衣の養護教諭が練習場に入り込んできていた。
銃を異能の媒介として使う蓋盛は、定期的に各所にある射撃訓練施設を借りて練習をすることがある。

そんな自身の当初の目的は完全に忘れた様子で携帯のカメラを構えている。
完全に珍しいモノを見れたといった楽しげな表情。

朝宮 小春 > 「ひゃっ!?」

よっこいしょ、とばかりに上体を机につけて、構えているところに声をかけられてびっくん、と体が跳ねる。
ぱふん、と音がして、弾は天井に当たって転がり落ちた。

「………………が、学生時代に少しだけ。
 余り覚えていないんですけれど、そこそこ、下手ではなかったはずなんですけど。」

恥ずかしそうにしながらも、だからといってこそこそ隠れるようなことはせずに、改めて弾を装填して振り向く。

「………ひ、久しぶりなんで撮られるなんてダメですよ、緊張しますから。」

顔を赤くしながら掌を向けて。

とはいえ、もう一度、と上体を机につけ、伏せるようにして狙いを定める。

蓋盛 > 「あ、邪魔しちゃいました? これは失礼」

盛大に狙いを外したのを目にしてニシシ、と目を細めて笑う。
あまりもうしわけなさそうでは無い態度。
たいへん危ないので銃を持っている人を驚かしてはいけない。

「ライフル構えてる朝宮先生の写真流したらもっとファン増えそうなんですけどねー。
 普段受ける印象とギャップがすごいし。
 昔やってたってことはアレですか。撃ちたいアンチクショウでもいたんですか?」

笑顔のままかなりぶっそうなことを言う。
携帯はしまった。

朝宮 小春 > 「そんなことありませんって。普段もちゃーんと、締める所は締めてますし。」

狙いをしっかり定めて、定めて。
ぱすんっ、と撃てばその弾は見事に的の下をくぐり抜ける。
………こほん。撃つ時に無駄に力が入る様子で。

「…知り合いが剣道をしていて、練習台で散々な目に遭ったので………
 ………ちょっとだけ?」

撃ちたい相手がいた、と告白してしまいながら、ぺろ、と舌を出して笑う。
まあ、流石に撃てませんけど、と続けてまた弾を込めて。

「……蓋盛先生は上手いんですか?」

聞いてみる。どうも、何事もあっさりこなしてしまいそうな印象を受ける。印象だけ。

蓋盛 > 「なるほど、では射撃の訓練は生徒指導にも活かされていると……
 こう、寝てる生徒を起こす時とかに」

チョークを指に挟んで投げる仕草。
肯定の返事には、あは、と破顔する。

「銃は剣よりも強し~!
 あたし朝宮先生のそういう正直なとこ、好きですよ」

ウィンクをひとつ。

上手いんですか、と訊かれると微妙に答えあぐねた様子。
何も言わずに横に立つと、白衣の裏からクラシックな回転式拳銃を取り出す。
実銃である。

訓練を受けていることを伺わせる正しいフォームで淀みなく銃を構えると、引き金を引いた。
破裂音が二度鳴って、ターゲットの中心に二つ穴が開く。

「こんなもんです」

朝宮 小春 > 「……いやいや、ちゃんと隣に行って揺すって起こしますからね。」

一瞬同意しかけて、首を横に振る。
最大限怒って、丸めた本でぱふんと叩く程度の怒り方なのだから、物を投げるのは想定外。

「そうです、そうです。
 ……と思ったんですけど、有段者に挑む勇気は流石に無くて。」

ウィンクを受けて、ちょっと苦笑を浮かべつつ自分の指同士をつんつんと突き合わせ。
その上で、実銃を躊躇なく撃ち放つその姿に、おお、と小さく声を上げて。その上で、感嘆の言葉を紡ぐ。

「やっぱり……上手いですねぇ。
 ……私も……昔はそれくらい、できたような…っ!」

ライフルを構えて、また音が鳴り。模造弾が先ほどと寸分違わぬ場所へと打ち込まれる。
つまりは的の下。 やっぱり撃つ瞬間に身体がぎゅっと固くなるようで。

蓋盛 > 「ええっ!? チョークで起こしていない!?
 それでも教師なんですか!?」

口を手で覆ってオーバー気味に驚く仕草。教師をなんだと思っているのだろうか。

「それ、勇気とかそういう問題でいいのかな……。

 ……ま、こんなの、ままごとみたいなものですけど。
 あんまり役に立ったことありませんからね」

銃の腕前への賞賛には、それほど得意げな素振りを見せない。
弾丸がもう入っていないことを確認し、拳銃をしまう。

「なんか、動きがぎこちなくなってません?
 見られてるとやっぱ緊張しちゃうんですかね。
 ……ほぐしてあげましょうか?」

微妙ににじり寄って、わきわきと両手指を動かしてみせる。

朝宮 小春 > 「しーまーせーん! それに、今の私の状況を見たら分かるじゃないですか。
 投げたら隣の女子生徒とかに当たりますよ?
 ……ふふ、私も役に立ってはいませんけど。
 こうして気分転換に来たり、先生とお話ができているわけですから。」

相変わらず穏やかな物言いをしながらも、弾をもう一度込めていき。
悔しいは悔しいらしい。

「そうなんですよね。………なんだか、身体が縮こまってるような。
 ほ、解してって………ど、何処に力が入っているように見えます?」

その手の動きに少し慌てるも、ちゃんとした質問でカバーしてみる。

蓋盛 > 「はは、ごもっとも。
 趣味を役に立てようと思う必要なんて、ありませんしね」

真面目に質問されたのであやしげな指の動きを一旦止めて、
ちょっと考えて改善点を探す。

「照準自体はバッチリだと思うんですけど……
 なんか、撃つときにズレちゃってますね。
 きちんと銃身が固定されてないのかな……ちょっと失礼」

背中から腕を回して、照準が外れたライフルを肩のところにしっかりと調整、固定してやる。

「これで撃ってみてください。
 多少変な風に力が入っても当たると思います。多分」

身体を離す。

朝宮 小春 > 「趣味、と呼ぶには腕が足り無さ過ぎなんですけどね……。
 今年の夏は、泳げるようになりたいんで、脱インドアをしようかな、と。」

目標を高々と掲げる。高々と掲げながらも、泳げないことを今まで伝えたことが無かったことには気がつかない。えっへん。

「………ふふ、ありがとうございます。
 今度こそ、って思ってしまうとよくないですし、平常心で………。」

すー、はー、と吐息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
吐き出しながら構えて、狙いを定めてからはピクリともしない。
所作そのものは慣れたものだし、ピンと張り詰めたものも感じる。

「あれ。」

でも、撃つとちょっと下に逸れる。むむう、と少し不満気な顔。
どうにも、撃つときにぐっと抑える癖があるようで。

蓋盛 > 「泳げないのか……」

目を閉じて浮き輪を手放せない朝宮先生の像を瞼に浮かべた。かわいい。

「おお……?」

今度はいい感じ……と思ったが、またしても逸れてしまう。

「うーん、サマにはなってるんですけど……
 なんか変なクセがついちゃってるのかな。えっと……」

辛抱強く、撃つときの朝宮先生のクセになってしまっている動きを指摘してみる。
こうなったらちゃんと的に命中するまで付き合うべきだろう。

朝宮 小春 > 「今年こそは泳げるようになります。
 ……夏に、一緒に泳ぎに行きませんか?」

びし、っと宣言をする。こうなったら夏には泳ぐ姿を見せるしかあるまい。
脱インドアである。今年こそは、という辺りにもうダメっぽさが漂っているが、気にしてはいけない。
更に自分を追い込むためにお誘いまでしてしまう。

「………押さえちゃってるんですね。
 じゃあ、もっと力を抜いたり、上の方を狙ったり………?」

先生の指摘を受けながら、ひとしきり頷いて。
手を離して肩を回してみたり、ぴょんぴょん飛んで肩の力を抜いてみたり。

「てゃっ!」

ぱすんっ、と、的の中心と円の端の間くらいに当たるようになった頃には、手元に用意された弾も半ばほどまで全て撃っていて。

蓋盛 > 「おっいいですね~、大歓迎ですよ大歓迎。
 去年の夏、鮫に襲われて生き延びたあたしの泳力を見せつけて
 朝宮先生に惚れてもらうとしましょう」

ニヤと笑う。いうまでもなく話を盛っている。
そうこうしているうちに、だんだん弾が当たるようになってくる。

「おお~~ッ」

かなり精度が上がったのを目の当たりにして、満足顔で小さく拍手。
自分も一応訓練に来たはずだったのだが、完全に目的を忘却している。

朝宮 小春 > 「えぇっ!? ………………」

一瞬の沈黙の後に、少しだけすす、と近寄ってひそひそ声になる。
生徒に「この夏で泳げるようになる」と宣言してしまった手前、本気で頑張るつもりだが。

「……ど、どうすれば泳げるようになりますか?」

こっそり聞いてしまう。こっちも教えてほしいのが本音だった。


「……ぇ、へへへ、ありがとうございます。
 なんとなくその、……学生時代はもっと反動があった気がして。
 だから上手く行かなかった、のかな。
 先生のお蔭です。 趣味に来たのに一発も当たらずに落ち込むとこでした。」

ほ、っと安心した様子で。拍手には頬をほころばせる。嬉しい。

蓋盛 > 「ええ~。こればっかりは言葉で説明してどうにかなるものでも……。
 手取り足取り教わってみます?」

笑みを悪戯げなものにする。この養護教諭はほとんどいつも笑っている。

「ふふっ。大好きな朝宮先生のお力になれたのなら嬉しいです。
 たまたまここに足を運んでよかった……。
 今度の夏、楽しみにしてますね」

徐ろに近づくと、満面の眩しそうな笑みで、相手の両手をぎゅっと包むように握る。
しばらくそうした後、ぱっと身体を離し、
軽やかな足取りで練習場を去っていってしまった。

ご案内:「射撃場」から蓋盛さんが去りました。
朝宮 小春 > 「……う、うう、教わってみようかな……?」

悪戯っぽく笑う相手に、お願いしようか揺れる生物教師。
努力はするが、実を結ぶまでに時間がかかるタイプだ。

「…あ。 ……ふふ、私も蓋盛先生に教わってよかったです。
 夏までには、ええ、うん。

 ……がんばりますね!」

相手がぎゅっと握ってくるなら、こちらもその手を握り返す。
ちょっと照れてしまうけれど、その素直な表現は嬉しくて。

頑張る具体的な手段は全く無いのが、若干不安。
教師の威厳を取り戻すぞー!

ご案内:「射撃場」から朝宮 小春さんが去りました。