2016/12/19 のログ
ご案内:「調理実習室」にクロノさんが現れました。
クロノ > (放課後、部活も終わって夕刻の、無人の調理実習室。その扉を開いて入って来るのは…片手に買い物袋を下げた、養護教諭ロボ。)

…んふふ、今日は上手くできるかな~。

(時間外利用申請もちゃんと出して、自費で材料を買ってきて。日頃から愛用のエプロンとバンダナ、そしてロボにとって炊事作業には欠かせない、上腕まで履ける薄手のゴム手袋。もう片方の手に下げたトートバッグにはそんな料理用装備と、最近買ってきたレシピ本。)

クロノ > (街の八百屋と精肉店で、夕方のタイムセールを狙ってゲットしてきた食材を机に置いて、さっそく身支度を整えると。「…よし!」とか言って何やら気合いをいれて…自身の脇腹からガラガラと引き出した電源コードの先、プラグをコンセントに差し込む。)

…外部電源が接続されました。充電を開始します。

(誰も聞いていないのに、そんな独り言を自動的に呟いちゃうのは仕様だから仕方ない。そうしてロボットはエネルギー源も確保したところで、いよいよ調理開始…と思いきや。)

…えっと、どれどれ?

(料理本を開いてパラパラとページをめくり、今日の夕飯を選ぶ。オンラインでレシピをダウンロードし、材料も手順も電脳に記憶してから淡々と調理作業を…という機械らしい行程を選ばない、人間臭いロボ。)

クロノ > (買い物前に選んでおいた夕飯のおかずの献立、そのページを探し出してはブックスタンドにその本を立て掛ける。頭に巻いたバンダナとエプロンの紐をきゅっと締めて、手袋を履いて手を洗い。)

…まずは~、お米ちゃんを研ぎ研ぎして、炊飯器にセット、と。

(…極めて家庭的な、ごくごく平凡な作業を開始。ほどなくして炊飯をジャーに引き継いだら、買ってきた野菜を洗って、水気を切って皮を剥き、一口サイズに切り分けること数種類。葉野菜は同じく洗って水気を拭いたら、慣れた手つきで包丁を握り、タタタタタ…と小気味良いテンポで刻んでいく。)

…ふぅ、ん、と。

(ときどきレシピ本を覗き込みつつ、コンロの上には米研ぎ前から火にかけている、水の入った鍋。ちょうどそのお湯が沸き始めの、沸騰ちょっと前の段階で投入するのはだしの素…ではなく、昆布と煮干し。こんなところでも既製の調味料に頼らない辺り、見た目古くさいロボはその手順も完全に昭和のオカンそのもの。)

クロノ > (炊飯器とコンロ上のお鍋に、炊飯とお出汁をお任せして、その間に登場するのはフライパン。油を引いて一度熱して、白い煙が僅かに立ち始めたところで火を消して。ちょっと待って冷ましている間にお椀に溶いた生卵、そこにスプーン一杯のお出汁と、刻んだホウレン草とニンジン、ツナ缶の中身を混ぜる。それをフライパンに流し込んで、くるりと回して薄く伸ばす。)

…♪ …♪ …。

(汎用型高機動力ロボは料理も手慣れているみたいだけど、その合間に口ずさむ鼻唄は、残念なくらい機械らしい…電話の保留音みたいに単調で無機的な電子音だった。)