2016/12/20 のログ
クロノ > (大鍋で取ったダシは一回り小さな片手鍋にも取り分けて、その頃には同時にフライパン上でオムレツが完成。さっとお皿にオムレツをスライディングさせて、軽く油を引いたらそこに挽き肉と刻んだタケノコ、ピーマンを投入。小さな片手鍋にはダシを取ったあとの昆布を一口大に刻んだものと、きのこ数種類。ひと煮立ちしたらさっと火を止めて、お味噌を溶いてお豆腐とネギ投下。)

…♪~ …♪~ 、

(ロボの口から鳴り続ける電子音の鼻唄は、テレビCMでお馴染みの曲のサビのワンフレーズを無限リピート。電話口だったらすごく苛立ちそうなそれだけど、保留音歌い続けるロボ本人はてきぱきと、すごく楽しそうに料理の手を動かし続ける。)

クロノ > (お出汁を取った大鍋、投下されるニンジン、じゃがいも、玉ねぎエトセトラ。一方のフライパンで青椒肉絲が完成したところで、第三戦には魚の切り身登場。お鍋で野菜を煮込みつつきのこ汁も試合終了、切り身の焼き魚をひっくり返しつつ合間に高速大根おろし。残った大根はこれもまた別の小鍋に取り分けたダシに沈めてひと煮込み。肉じゃがとおでんが同時に任務完了するまでの間に、レシピ本の別のページを開いて食後のデザート作り開始。)

…えぇっと、粉寒天とお砂糖、牛乳とミカン…?

(秤は使わなくても、容器を持ってからそこに少しずつ材料を入れていくだけでロボの手が自動的に重さを計量する。0.1グラム以上の精度で正確な計量機能は、こういう時にはすごく便利なものだとしみじみ実感。)

クロノ > (煮込み料理2品が完成したら、材料を混ぜ合わせたデザートは冷蔵庫のチルドでお急ぎ冷蔵。煮込み2品の荒熱を取って味を染み込ませる間に、既に出来上がっているオムレツと焼き魚をお弁当用に切り分け、持参のタッパーに詰め込む。きのこ汁もいくつかのタッパーに小分けにして、適度に冷めたところで漏れないようにしっかりと蓋をする。)

…ん、よーし、で~きた♪

(炊飯器が炊き上がりを知らせる電子音のメロディを歌う頃、荒熱の取れた煮込み2品ときのこ汁、焼き魚をちょっとずつ小鉢と小皿とお椀に盛り付け、炊きたてご飯はマイお茶碗に着陸完了。)

…じゃーん。出来上がり~♪

(誰が見ている訳でも、聞いているものでもないのに嬉しそうに手料理を盛り付けて並べて、ようやっと席について一息つく養護教諭ロボ。にまにまと満面の笑みで実習机の一角に並べた料理の前、コップに水を注いで食卓に着いたら、「いっただっきま~っす!」と両手を合わせる。)

クロノ > (バッテリー或いは胸のエンジンによる発電、または今のように外部電源で動く養護教諭は、実のところこうしてわざわざ手間と時間とお金をかけて人間の食事を摂らなくても、何の不便も生じないんだけど。何故かこのロボットは、昔からこうして空き時間を見つけては手料理を作り、人間と同じ食生活をするのが日課というかすっかり習慣になっていた。故にこうして放課後や休日は、自分の暮らす男子生徒寮の厨房や宿直室の小さな台所、時にはここ調理実習室も借りて色々な料理を作っては、日々のお昼のお弁当にしたり、夕食にしたりと主婦力の高い生活をしている。)

…ん~、なかなか。…ふむふむ。

(ブックスタンドに立てたままのレシピ本を眺めながら、今日作った以外の料理のページに視線を走らせる。読書しながらの夕食…というのはあまり行儀のよいものではないけど、まぁ誰に見られている訳でもないし、時間の有効活用ということで。)

クロノ > (レシピ本を読みながら、のんびりと、しかし思春期の少年らしく順調にぱくぱくとお手製の夕飯を食べる…一台のロボット。そのなんとも言い難い、実にミスマッチな光景は、しかしこの学園でも日々少しずつ、見慣れたものになってきているだろうか。)

(少量ずつ、しかし煮込み料理に中華炒め、卵料理、焼き魚と仕上げに食後のデザートつき。数日分のごはんをまとめて料理して、そのうちちょっとずつを味見をかねて今日の夕飯にする暮らし。やがて少し遅めの夕飯を終えたら、再び立ち上がったロボットは作り終えた料理を小分けにタッパーに詰めて、道具類と調理台のお片付け。それも数分という短時間でこなしたら、来たとき以上に調理実習室を綺麗にお掃除して、お手製料理の詰まったタッパーが入ったトートバッグを抱えて部屋を出る。…明日の朝食とお昼のお弁当は、昨日までに作り置いたその他の料理と組み合わせながら、また一食、一食と続いていく。)

ご案内:「調理実習室」からクロノさんが去りました。