2017/03/26 のログ
ご案内:「音楽系部室棟」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 「色んな意味で中途半端な時期ですけど…これからよろしくお願いします」

部長と、その他何人かに頭を下げる蘭。
「ピアノが弾けるゆるい部活」ということで、蘭が音楽教師に薦められたのがここ、「第二器楽同好会」だった。
演奏会は自由参加、演奏会などの際の編成も同好会員内で自由に組む形だ。
その分、自分から踏み込む必要があるが…同好の士が相手なら、ハードルは下がると蘭は考えていた。

『こちらこそよろしくね、美澄さん』

学年は下だが、同い年の部長が、軽い会釈を返す。

美澄 蘭 > 『美澄さんの、今年度の常世祭の発表聞きましたよ…何ていうか、凄く丁寧に楽譜に向き合う感じの演奏ですよね!伴奏とかも上手そうだなぁ』

ピアノも嗜むが、基本的にはフルートを吹いている下級生が「これで伴奏頼まれる回数減るかなぁ」と笑う。

「そうね…どうせなら、久々に伴奏も楽しんでみたいわ。
…せっかく、色んな楽器をやる人と、こうして同じ団体にいられるんだし」

「なかなかないことだもの」と言って、蘭も、楽しげな笑みを少し控えめ気味に零した。

美澄 蘭 > 『せっかくなら連弾も楽しそうだよね、ぼろいけど、一応アップライトのピアノもあるし』

ピアノを専門にしている部員が、楽しげに語る。
あまり広くない部室の端には、アップライトピアノ。
もう少し真ん中寄りの場所には、チューニングの役にも立つキーボードが置かれている。

「連弾…それこそしばらくやってないわ。
上手く、出来るといいんだけど」

蘭も、くすぐったい楽しみに、少し頬を赤らめて笑った。
…広くない部室なので、基本的には先着順に来て使い、練習に差し支えない範囲では別の練習を同時進行で進めても文句を言わない…どうしても自分達だけで使いたい場合は予約をすることになっている。
蘭も、その辺は承知の上でこの同好会に入ることを選んだ。

美澄 蘭 > 『どうせなら、新歓に向けて美澄さんも何かやろうよ。そんなに難しくないヤツでいいから』
『皆で楽譜見に行っても楽しいんじゃない?』

そんな風に、部室での会話が弾んだ。

一応顧問はいるけれど、基本的には指導者を頼まず自分達で楽しむ同好会だ。
だからこそ、自分達のペースで、積極的に楽しめるメンバーが集まっているのだ。

蘭も、そんな中の輪に入って、入る勇気が持てて…。
音楽を進路に据えることを諦めてから、蘭は久々に、自らが音楽を奏でることを、本気で楽しみに出来たのだった。

ご案内:「音楽系部室棟」から美澄 蘭さんが去りました。