2015/06/29 のログ
ご案内:「図書館」に久喜棗さんが現れました。
久喜棗 > ここは図書館の中でも比較的古い地方史の図書を集めたエリア
棗は特に用があるわけではなかったが何となくここを訪れていた
惹かれるように一冊の本の前に立つ
その本は日本のある地域について書かれたものらしいが、表紙は日焼けしていてボロボロだ
編纂者の名はなく誰が書いたのかもわからぬその本を、棗は何となく手にとった

久喜棗 > 地方史の本といえば基本的には事実を基にした真面目な内容であることが多い
だがこの本はそういったものとは趣が違うようだ。所々に妖怪やその地方で信仰される神についての記述が散見される
パラパラとページを捲り、ふとピタリと手を止めた。そこにはその地方の有力なある一族についての記述があった
それがなぜ気になったのかはわからない、だが自分はこれを読まなければならない。なんとなくそう思った

久喜棗 > その一族は九つの家に分かれており
九つの家それぞれが役割を持ち当主と呼ばれる一族の支配者の指示に従っている
また当主は一族の宗教指導者でもあるらしく、天主と呼ばれる存在の声を一族に伝える役割もあるらしい
更に各家の特徴についての記述が続く
とはいってもこちらは具体性に欠け、各家にはそれぞれ天主より授かった神器があり
四の家には指輪、七の家には剣、八の家には鏡といった程度の情報だった
最後の九の家の神器は縄、これについてはやや詳しく述べられていた
縄を張ることで一帯を神域とし、外界と隔離された空間を作り出すことが出来ると書かれていた

久喜棗 > 「ふぅ…」

そこまでで本を閉じ辺りを見渡す
夕方の図書館はみっしりと配置された本棚で日がさえぎられており薄暗い
基本的に図書館は騒音厳禁なため静かなのだが
ここら一帯は置いてある本がマイナーで人が少ないために余計に静かだ
しんと静まり返った一室で椅子に腰掛け天井を見る

ご案内:「図書館」にエリカさんが現れました。
エリカ > 地史の知識の折り重なる場所。ここは少女が好きな場所。
文字を追えばその場所に思い馳せ、またその轍も知る事が出来るから。
過去に訪れた場所であるならその景色をより強く、
そしてまだ知らぬ場所であるのなら、近い未来に足を運ぼうと思えるから。

「……静か」

そう、静かだ。
魔術に関する書架にはこの時間でも多く人がいるだろうが、
この辺りは昼でもどこか静謐な空気に満ちている。
共連れは自分の足音だけのように今は思えて。
だからこそ黒髪の少女は今は本を探す事だけに集中。
望みの一冊を探して先客が居る一帯に近づくが、まだその音には気づかない。

ご案内:「図書館」に久喜棗さんが現れました。
久喜棗 > 目的の本も読み終えそろそろ帰ろうかといった所、コツコツと足音が迫ってくる
こんな時間にここへ人が来るとは珍しいなと思い、足音の方向に顔を向ける
黒髪の女の子にペコリと会釈をして立ち上がり

「何か探しておるのか?ここへ足を向ける者がおるとは珍しいな…いや、儂もじゃが」

先ほどまで読んでいた本を棚へと戻し、そう尋ねた

エリカ > 「あったあった」

手にしたのはとある風土記の様だ。
それは彼女の世界では失われたとされているものであるが、
この世界では所々が欠落しているものの、
書籍として体裁を為す程の内容が残っている。
静かにそれを本棚から取り出すと、読書のできる
スペースに向かおうとして。

「ふぁぅっ?」

突然声を掛けられて少し驚いた模様。
片手で口元を抑えて大きな声は出さぬよう。
見ればそこには夜の闇の中浮かび上がる白。
着物の鮮やかな色と相まってそれはひときわ美しく。

会釈に気づくとこちらも返し、こんばんは、と囁き声。
結んだ黒髪がしっぽのように揺れた。

「ええ、読みたい本があったの」

こちらは一方探し出した本を小さく持ち上げて。
このあたりの本好きなんだ、と快活な微笑みを見せた。

久喜棗 > 「おっと、驚かせてしまったか。すまんすまん
 こう見えて、怪しいものではないぞ。一応ここの生徒じゃ」

朗らかに微笑んでみせながら相手の警戒を解こうとする
エリカが差し出した本を見て

「風土記か、まぁここらにある本は大体がそうじゃがな
 何か地方の文化を調べる課題でも出ておるのかと思ったが、そうではないのか
 魔術書のコーナーはそれを学ぶ者でいつも賑わっておるが
 あまりここいらの本はそういう事には使われぬでなぁ
 儂もあまりここらには来たことがなかったわ」

エリカ > 「あー、もー、さっきのは本当にごっめんなさい」

驚くつもりなんかなかったんだけれども、とふるり首を振る。
面目ない、というその瞳は、警戒の色はなく。

「うん、わたしも怪しいものじゃないよ。一応ここの生徒なの」

一緒だね、と何故か楽しげに。
読書と同じくらい、人と話すのが好きな性のようだ。

「世界を知るには今過去未来
 全部を知りたいと思うじゃない?」

わたしってばわがままかしら、とおどけて見せて。
相手の続く言葉には肯定の頷き、試験も近いことですし、
きっとまだ人で沢山でしょうね、と。

「そういう貴女もここで探し物?
 望む文字は見つかったのかしら」

先程本を戻した本棚の方をちらりとみやりつつ。

久喜棗 > 手で口を抑えくすりと笑う
リアクションのオーバーな子だ、本当に脅かしてみたらどんな反応が返ってくるだろうか
と少しいたずらごころが出てしまいそうになる

「気にするでない、儂の格好をみれば妖怪が出たと勘違いしても不思議ではないしのう
 うむ、お主は学生と見ればわかるよ。そうじゃな、同じじゃな」

振り返って本の背表紙をすすっとなぞっていく

「過去があって、今があり、未来がある…そうじゃな。昔のことを学ぶのも大切じゃな
 ああ、儂は探しもの…というわけではなかったのだが、なんとなくな
 それに、ここいらには儂が昔住んでおった地域の風土記もあってな
 見ておったら久々に懐かしい気分になったよ」

エリカ > 相手のそんな悪戯心には気付く筈もなく。
勘違いしても、と言われれば、邪気のない笑顔再び浮かべ。

「……悪い妖怪はきっと挨拶してくれないと思うの」

さっき貴女がしてくれたみたいなのはきっと望めない、と。
次いで、相手の背中越しにその背表紙を覗き込み。

「知らない事が沢山あるの。
 それはきっと幸せな事、知ろうとするなら尚更に……ってね。
 お姉さんが良く言ってたんだ」

遠くの親しい人を愛おしむようなその声、と共に。
小さな頷きをまた一つ。

「昔……そっか。
 貴女がそこにいた頃に、重なる文字は見つかった?」

懐かしい、といえば相当な時を経ているのだろう。

「もしかすると、貴女はわたしより、
 凄くおねえさんなのかもしれないね」

自分より遥かに落ち着いた物腰。
地に足のついた言葉と声に、何となくそんな感慨抱いた。

久喜棗 > 「ああ、儂が悪い妖怪であったら、最初の時にお主を後ろからガブリと丸呑みにしてるであろうよ」

腕を振り上げ襲うような仕草をしてみせる、顔には笑みをたたえたまま

「未知なることを前向きに捉えることは人生にとって重要な事じゃな
 お主の姉は良いことを言うな…」

言っていた、という部分に今は一緒にはいないというニュアンスを感じ
今はどうしているのだろうかと少し疑問にも思ったが、聞かずにおいた
何か事情があるのだろう
代わりにぽんとエリカの頭に手を置く
と言ってもかなりの身長差があり、棗が手を伸ばさないとエリカの頭まで届かない
はたから見ると変な光景だ

「おお、そうじゃそうじゃ。儂はこれでもお主よりずっとお姉さんじゃぞ
 おばあちゃんと呼んでくれても構わぬからな」

エリカ > わ、と目を丸くする。
その仕草は芝居ががっており、本気にしている様子はないけれど。

「わたしの肉は美味しくないよ?
 食べたら悪い事が起きるかも知れないし」

なーんてね、と小さく舌を出し。
でもその言葉には、幾分かの真実味も含むような?

「ありがとう。わたしもホントにそう思う。
 そしてそう言ってくれる貴女の声が、嬉しいな」

目を細め。
それは目の前の白と、遠くの誰かの姿を見るように。
伸びてくる手に気付けば膝を曲げて、それが届きやすいように。
頭に乗る手を拒むどころか、少しそれを嬉しそうに。
そしてこうすれば目線もだいぶ近くなる。
目の色、綺麗だね、と小さな声で呟いた。

「そうなんだ……だから懐かしいと言ったんだね」

合点が行った、と口の端を少し浮かべて。
おばあちゃん? とくすっと笑み零す。

「ああ、そうだそういえば。名前、聞いても良いかな?
 折角知り合えたのですもの、貴女と呼ぶより近づきたいし、
 でもやっぱりおばあちゃんっていうのは変な感じ」

良いかしら、と首を傾ける。
これはどうも少女の癖の様だ。

「わたしはエリカ。エリカ=ヘイエルダール。
 貴女の好きに…できればエリカ、って呼んでくれたら、嬉しいな」

と、先に勝手に名乗ってみたり。

久喜棗 > 手をおろし懐に仕舞って腕組みし、目を細めてふふっと笑う

「冗談じゃよ、冗談
 他の鬼は知らんが、少なくとも儂は人の肉など食わん
 別に草食というわけでもないが…」

文字通り背伸びした頭撫でを止める

「儂の元いた場所は…まぁわかってはいたが、今はすっかり様変わりしてしまっておるようだがな
 だが、それでもあれでもどうなったかを知れて少し気が楽になったよ…」

と、少し遠くを見るような目で言う
エリカが首を傾げるのにつられて自分もかしげながら

「ん、儂の名か?儂の名は久喜棗じゃ
 好きにと言うてもエリカ以外呼び方があまり思いつかぬがそうじゃのう
 エリエリとかエリーは変だしのう
 うむ、やはりエリカがよいな。よろしくなエリカよ」

エリカ > 「解ってるよ、貴女がわたしを食べるなら、
 それはきっとわたしがいけない事をした時でしょうから」

そうじゃなくてね、と息吐いて。
わたしもゲンミツには人間でないの、
と相手と同じような表情に。
そして頭から手が離れれば少しだけ名残惜しそうに。

「……そっか。
 貴女がそこを去ってから。
 その後の事も、見つけたんだね」

どうやら年上とわかっても口調は変えずに行くと決めたようだ。
なんとなく、目の前の女性との距離を遠ざける気がして。
そして、無意識にそれは嫌だな、と感じて。

「時間は流れる河のよう。その水は常に変わって行くもの。
 わたしたちもきっと、そうだと思うから」

遠くを見る瞳を真摯に見つめ。
気が楽になった、の前の「少し」という言葉が逆に気になった様で、自然眉が少し下がる。

「久喜、棗――棗さん。綺麗な名前」

紅の瞳を見て澄んだ声でそう呟き。
うん、と笑ってよろしくね、と。

「ところがところが人の発想って恐ろしくてさっ
 いろんな呼び方思いつくんだもんっ」

声は転じて明るい色に。
そして宜しくお願いします、と深々とお辞儀をしたりして。

久喜棗 > 「人を諭すのに暴力は使わぬよ
 人は口をきき、話ができる生き物じゃ
 お主がいけないことをしたのならその時は面と向かって話をしよう
 話の通じぬ獣相手なら致し方あるまいがな…」

と、ふと少し悲しげな顔を見せる
だがそれはすぐに切り替わり話題を変えるよう話を続けた

「ああ、とはいっても何百年も昔の話じゃ
 大雑把な経緯しかわからんかったがな
 だがそれで十分、今あそこに住むものが平穏に暮らしておるなら言う事はない…
 そうか、名前を褒めてくれて嬉しいぞ
 儂も気に入ってる名だからな…人から貰った名なのじゃよ」

少しくすぐったそうに、だけれど確かに嬉しそうに喜ぶ

「ほう…それは一つ聞いてみたいな、どのような呼ばれ方をしておるのだ?」

そういえば、と。ふと思い出した様に続けて口を開く

「お主の故郷は何処にある?
 ここらにそれが書かれた本などもあるのかな
 いや、さっき取った本がそうだったりするのか?」

エリカ > 「えへへ、そうだね。
 言葉は尽きず、泉のように。
 不思議だよ、棗さんと話してると、
 なんだかそれが何時もより楽しかったりするのだから」

出来る限りそうならないようします、とけらけらと軽い声で。
勿論それは、図書館という場所柄大きな物ではないけれど。

「――棗さん?」

流石に、その音と顔の変化には気づくか。
けれど目の前の紅い瞳がすぐに話を切り替えたのなら、
そうなのなのだろう。今、ここでは深く訊ねるべきではないという事だ。

「何百年――……」

言葉にすれば短くても、それの持つ意味は重い。
そっか、と小さな声で続けて。

「そこは大事な、場所なんだね。
   棗さんにとって、本当に」

胸元で拳を結んで、そう。
その声は心なしか、大人びているようで。
うん、とまた幼子のような頷きを。

「そんな貴女の宝物。
 大切な名前を、教えてくれてありがとう」

呼ばれ方、に関しては言いたくないかもっ、と冗談めかして。
最後に問われたのならば、いいえ、と首を振ってみせた。

「わたしの故郷は遠い海。
 ここの世界の海ではない、遠くの海なの」

一瞬だけ――少女の黒の髪が、深い深い海の青を孕むだろうか。

「この本は、また別なんだ。
 前いた場所の大切な友達がこういう本よく読んでてさ。
 わたしもいつしか大好きになっちゃったの」

エリカ > 「ねえ棗さん。
 なんだかね、貴女にはわたしの故郷の話、
     聞いてもらいたくなっちゃった」

そう言いながら、少女は今度は本当に残念そうに首を傾けて。

「でもね、ごめんなさい。
 今ちょっと時計が見えちゃって。
 今日はそろそろ家に帰らなきゃならないの」

棗さんとの話が楽しくて、時間を忘れちゃってたよ、と。

「でもこの本を読むよりも、この出会いが嬉しかったなー、なんて。
 大げさかしら? でもそう思うだもん」

仕方ないよね、と膝をもう一度曲げて紅の瞳と高さをあわせる。

「だから今日はこれで失礼するね。
 またいつか、話の続きができる時を待つ気持ち、
 借りてく本と一緒に持ち帰るよ」

素敵な時間をありがとう、とふわり、深々とお辞儀をし。

「おやすみなさい、棗さん」
「また今度――絶対に、ね!」

そんな軽やかな声残し、静かにこの部屋から立ち去って行く。

ご案内:「図書館」からエリカさんが去りました。
久喜棗 > 感情を悟られたことに気づき慌てて手を振り平気に振る舞う

「ああ、何でもない、何でもない
 この歳になると昔話ばかり多くなってな
 ついそれを思い出していただけじゃ
 そう…じゃな、儂には親は居ないが故郷はある
 その分思い入れが強いのかも知れぬのう」

回答を拒否するエリカを面白がって、指を顎に当て上目遣いでイタズラっぽい顔をしながら考える仕草を取る

「ふむふむそうかでは是非儂も個性的なアダ名を考えてやらねばな
 ふふ、腕が鳴るわ」

遠い海、ここではない世界
エリカの答えにエリカの姿を通じて、遠い遠い深い海の底を見たような気がした

「そうか、お主は異邦人であったか…普通の人間の容姿だったので気づかなかったよ」

エリカが時計をちら見したことで、ようやく時間が大分経過していたことに気づき外を見る
いつのまにか夕暮れはとうに西の地平線へ沈み夜が世界を支配していた

「うむ…いつのまにか話し込んでしまっておったようじゃな
 すまんのう、足止めして
 ああ、次はお主の話を聞かせてもらおう。楽しみにしておるよ」

棗はそう言い返し、エリカが去った後別方向へと去っていった

ご案内:「図書館」から久喜棗さんが去りました。
ご案内:「休憩室」に渡辺慧さんが現れました。
渡辺慧 > 備え付の自販機に、硬貨を入れる。


「ん……」


…………頭を使うと、甘いものが欲しくはあるな。
勉強なら、特にだ。
自分だと、この差がひどく顕著で……。

普段はブラックコーヒーしか飲まないが、こういう時には。


少し彷徨うようにしていた指先は、それは甘いことで有名なミルクコーヒーへ手が伸びる。


ガコン。

缶が落ちる音が室内に響いた。

渡辺慧 > 缶を開け、煽る。

「はー……」

甘い。おいしい。甘い。甘い。甘い。

甘い8割においしい2割だ。だけれど、これがいい。


しっかし、な。ちいと。
「参った」

やれやれ、と内心首を振らざるを得ない。
いつもはこうではないのだけれど、あの3日連続のサボリが、意外と痛い。……サボリ、と言っても。あれは不可抗力だと信じたいが。

渡辺慧 > もう明後日には試験。
だがしかし。残念ながら己には、こう。

こういう時頼れる人物は、うん。

んー………………………………。
脳内を検索。検索。……検索、するまでもなく。

いない、ね。


うん、参った。
だからこそ、こういう時期にはサボらないようにはしていたの、だけれども。

しょうがないか。まぁ、たかが3日。されど3日。
……普段からやっとけば、なんてのは正論に過ぎないさ、多分ね。

ご案内:「休憩室」にエルピスさんが現れました。
渡辺慧 > ……。

甘い、甘い。ひどく甘いコーヒーを飲んでいるはずなのに。
ブラックを飲んだ時のような苦味。……いや、それ以上の。


まだ引きずってんのか。……しようもない。

エルピス >  図書館を歩く少女。
 ふと、休憩室を見ると、コーヒーを飲んでいるパーカー少年が見えた。
 どことなくぐったりしている。そう思えば近寄り、声をかける。

「……具合悪そうですけど、大丈夫ですか?」

渡辺慧 > ん。

んん?

……そう見えるのか、なるほど。
驚き。なるほど……顔に出やすい、いや、態度に出やすいという奴なのだろうか。
微苦笑。

「だいじょぶ。勉強疲れって奴でさ。そちらさんも試験勉強?」

エルピス >  
「大丈夫ならいいけど……ううん。ちょっと見回り。
 試験勉強もちょっとしなきゃ、だけどね。」

 くすっと笑って、右腕を軽く揺らす。
 公安委員会の腕章が見えるかもしれない。 

渡辺慧 > なるほど。
公安委員会。

…………かねてより、公安と風紀には、ちょっとした確執があるらしい。知らん、というか。……まぁ、その辺はいいや。
自分が何を言おうとも。

「なるほど。おつかれさま。コーヒーでも飲む?」

飲む? と疑問形で聞いた割には。既に買うことが決定づけられてるかのように自販機前へ移動する。
まぁ、飲まないなら。自分が飲むだけだし。

エルピス > 「ん。ありがとう。見回りばっかりで疲れちゃってね。
最近は色々あるから。少しでも、公安委員会もちゃんとして頑張ってるって所、見せないと。
 風紀委員会とも、上手く連携をとれたらもっと良いんだろうけど……」

 サイボーグ(ほぼフルボーグ)でも普通に飲めます。
 手渡せば笑顔を向けながら、受け取りそうです

渡辺慧 > 甘い奴。
自分と同じものだ。
ん、と手渡し、先程の自分の位置へ。

「色々、ねぇ……」

色々は、色々だ。
色々、あるんだろう。自分ですら知っている落第街のことやら。……それこそ、風紀とのことやら。
だけれど自分が風紀委員に身を置いている理由なんて、至極私的。…………いや、意地? どうなんだろうか。どうでもいいか。

しかして。こうして、それのために頑張っている人には素直に、尊敬……いや、憧憬か。

「……少なくとも。こうやって見回りしている姿は頑張っているように映るんじゃないかな」
自分には、そう映った。

エルピス >  
「ん、ありがとう。
 ………甘さマックスって感じだね、えへへ……」

 開けて飲めば、微笑みを零しながらそう語る。
 USBっぽい差込口が見えるもののスタイルも良く、髪も長い。
 非常に女性的な姿であるが、声色や口調、立ち居振る舞いには少年のようなボーイッシュなものがあり、
 ややちぐはぐ・ギャップのある印象を覚えるかもしれないし、憶えないかもしれない。

「そっか、そうだといいなぁ……」

渡辺慧 > 「たまには、甘いだけなのもいい」

たまには。
しかし……変な子。
――随分失礼な感想だが。いつも通りと言えば、いつも通りだ。――

「あくまで俺個人の意見なのでこれによる被害には責任を負いかねますー」
なんて適当な言葉。調子が戻ってきた気がする。


「……女の子だよな?」
気になったら、とりあえず聞け。……まぁ、これ以上なく。失礼な言葉なのかもしれないけど。

エルピス >  
「えー。うぅん、期待したのに。」

 しゅん、と、犬耳でもあったら垂れてそうなぐらいにしょんぼりした仕草。目を伏せる。
 冗談3割、期待からの落胆7割。公安は素晴らしい、とまでは考えないけど、
 良い部分側面もある、出来れば、基本的には悪い組織ではない。せめて普通と思われる程度になるように、と、
 地道に外に向けた活動を行っている。当然、調査や違法組織の摘発なども行っている。

 ……そして、ふと、女の子だよな、と聞かれれば。

「あ、ぼ、僕……おとk……じゃなくなっちゃったんだっけ……」

渡辺慧 > 「俺の意見に信頼性はどうやらないらしい。至極遺憾だ」

ミリほども、そうは思っていないような、楽しげな顔でそうつぶやく。

しかし……反応面白いな。あいもかわらず、こういう子を見つけるのは楽しい。趣味が悪いのかもしれないけど。まぁ、置いといてくれ。


「待って。今割と軽い問いかけだったのに重そうなことになりそうなんだけど、いい、ストップ。そこまで」
わりとガチな案件だったらしい。失態ですね、うん。

エルピス > 「あっ、ちがっ。そ、そうじゃなくて」

 あわあわと両手を振って抗議。
 一段落ついた所で、続きの言葉を続けようとする

「ちょっと改造されてサイボーグ娘に――あ、う、うん。」

 ストップされてしまったので、話を止める。
 重いつもりはないけれど、苦痛なのだろうと思案した。話題を遮られれば、ちょっとしょんぼり。

渡辺慧 > 「え、じゃあ聞く」

重くない話題なら、実に結構。続けてください。
……いや今、改造されてとか言わなかった?

「…………バイクとかに乗るの?」
絶対違う。

エルピス > 「……バイクに変形したり、
 バイクに変形して走行したままカードゲームはしないよ?」

 きょとん、と小首を傾げる。

「あ、でも変形って男の子の夢だよね。ボクにはそういうはないけど……」

渡辺慧 > 「どっちかっていうと、変身の方かな……」

分かりやすく、ヒーローだ。いいか、悪いか。ただ、ひどくわかりやすい。あれほど憧れやすいものはないだろう。

「しかし、サイボーグ娘……マニアック」
そういえば、それを感じさせる部分も先程チラリと見えた。

エルピス >  
「あ、う、うん。ライダーだね。ボクはあんまり見てなかったけど……
 昔のライダーのを、ちょっと齧ったぐらい。でもあんまりおぼえてないや。
 ……あれくらいかっこよくなりたいなぁ。」

 多分、昔=平成相当。
 
「……うぅ、そんなじろじろ見られると、ちょっと恥ずかしいかも……」

 恥じらいを見せてスカート部分を抑える仕草。
 それが逆に胸とか、首元の端子差込口とか、髪の毛に混ざってる二本のコードとかを強調して、ちょっと不思議な色気を出している。

 かっこいいとは大分離れている。

 

渡辺慧 > 「そう照れられると俺も照れるから勘弁してほしいね」

まるで照れていないが。
むしろ面白がっている。
まぁ、流石に視線は外しておくが。

休憩室の入り口をぼんやりと眺めてコーヒーを煽る。
……やっぱり甘い。

「……いや。つまり中身は男の子なんだよな?」

見えねえ。いや女の子だろ。

エルピス >  
「あ、う、うん。」

 こくこく頷く。顔もちょっと赤いかもしれない。
 改造されて大分建っているのに、この有り様である。
 
「うん、男の子。だよ此処での名前はエルピスだけど、本名は沈目言正(しずめことまさ)って言うんだ。」

 おおきなお団子ヘアをいじりながらそう告げる。
 おおきなお団子ヘア作った上ですら腰まで届く異様に長い髪は、非常に艶のある綺麗な髪だ。
 余談では有るが排熱処理などの機能を持つ為、切ったり短くする事は出来ない。ヘアアレンジぐらいは出来る。

渡辺慧 > 「…………うん」

男に見えねえ。そも、何があってサイボーグになったか……は、それこそ深い話、なのかねぇ。ここまで来たら聞くべきが穏当なのか、どうなのか。……難しいねいやはや。

少しだけ、それが態度に出てしまう。聞くべきなのか、否か。

それは、とりあえず置いといて。

「どっちで呼ぶ。エルビス? コトマサ?」

エルピス > 「うーん、エルピスで大丈夫だよ。
 一応、書類とかはそっちに書き換わってるみたいだし……」

 学生証を取り出す。大きなお団子ヘアの眩しい鋼の少女が写っている。

「あ、勉強のあいまだったのにごめんね。ボクの話ばっかり。
 でも、聞いてくれて嬉しいかも。最近、他愛もない話ってあんまりできなかったから……えへへ。」

渡辺慧 > 「気晴らしは必要。君も気晴らしになったなら、それでいいんじゃねーかな」

大して、碌な話はしてない気がしないでもないけど。なんて言って、猫のように笑う。

「……ま、頑張ってくれい。色々」

公安のこととか。そのサイボーグのこととか。
そして、自分もそうである、試験のこととか。

エルピス > 「う、うんっ。がんばるね。えへへ……」

 ぐ、っと、ガッツポーズをしてみせる。
 ふぁさと髪をなびかせて、ぷるん。何処がとは云わないが、揺れた。

「じゃ、ボクはそろそろいこっかな。
 ……あ、お兄さんの名前、教えてくれると嬉しいな……」

渡辺慧 > 目の毒だ。
なんて、苦笑して、目線を一応そらしておこう。
元男と言うと無防備になってしまうのかしら。

「渡辺慧だよ、エルビス」

そして、最後にからかい混じりに。悪戯気な光を目に集め。

「じゃーな、ヒロイン」

エルピス > 「もっ、もう……っ」

 かぁぁぁ、と耳まで顔を紅くしながら恥ずかしがる仕草。
 ほんのり僅かに、髪も赤みを帯びている。

 女の子を意識してしまいつつ、ちらちらと周囲の視線を気にしながらその場を立ち去った。

ご案内:「休憩室」からエルピスさんが去りました。