2015/07/22 のログ
ご案内:「図書館」に相模原孝也さんが現れました。
相模原孝也 > 「うぅ……肩がこる。」
図書室備え付けのテーブルの一つに、勉強道具と図書館の本を積み上げている青少年。
昼ごろからこの時間帯まで、勉強し続けてたせいで、バッキバキだ。

「ぁー、でもこれで、異能誕生からの歴史周りはだいたい終わったぞー……何あの物騒な事件年表。首謀者の名前も幅広すぎて語呂覚えもできねーっての。」
ぶつくさいいながら、必死こいて書いて埋めた夏休みの宿題プリントを、バインダーに挟んで仕舞いこむ。
レポートはなかったけど、その分文章問題的なのが多かったせいで、指も凝ってる気がする。そのうちペンだこできるんじゃないかと、心底不安だ。

ご案内:「図書館」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 試験を終えて悠々自適の学生が多い中、蘭は図書館と音楽実習棟、そして訓練施設を行き来するような生活をしていた。
…それでも、読書とピアノが趣味の蘭にとっては悠々自適のペースらしいが。

今日は、異世界を紹介するような図書を探しにきたのだ。
自らのルーツへの、手がかりが無いかという期待を胸に秘めながら。

早速、異世界について書かれた本が並べられた書架へと向かう。

相模原孝也 > 「後残ってんのはなんだっけ……。数学のテキスト1冊、魔法語学は…初心者向けの魔術本の訳? 夏休みのうちにおわんのかこれ…。」
他にも色々と確認すれば、母国語の古文で作文をかけとか、物理学に至っては光の波長やらにからめて、自分の異能についてのレポートを出せとか。
あまりの量に、べしゃっとテーブルに突っ伏した。

「へるぷ、みー。」
せめて同じ科目をやってる人の手助けが欲しかった……ただ、ちょっと、その手の友人がいないだけであって、ぼっちじゃないんだよ? ちょっと友達と取ってる科目が違うだけなんだよ? 自分で自分に言い訳してから、長々と溜息を吐き出した。

「まあ、いいや。とりあえず終わった分の本は片付けて…次は魔法語学にするかあ。訳対象の本と、魔和語辞典とかないかな、英和辞典みたいなやつ。」
ぶつくさいいながら、異能の歴史についてまとめられた本を数冊手に取り、立ち上がる。
歩き出して向かう先は、歴史関係の書籍があるほう。近場には異世界周りの書籍が並んでいるのは、まあ歴史がらみで資料の傾向が近いせいもあるだろう。途中、女の子を見かけたら、ぺこりと小さく会釈した。

美澄 蘭 > 「えーっと…」

異世界を紹介するような図書の「検索」というのはなかなか難しい。
…というのも、その世界の住人が認識するような固有名詞がついている世界というのはさほど多くないのだ。「世界」の概念を考えれば当然なのだが。

(…そもそも、おばあちゃんが住んでた世界の名前も分からないわけだし…)

それでも、祖父から聞いた一部の情報(英語とよく似た言語を使っていたこと、そのため、最近そちらの世界から飛ばされてくる人間は英米圏に移る事が多いこと)を頼りに、書架を巡る。

…と、背の高い少年と、目が合った気がした。小さく会釈をされる。

相手との身長差に緊張し、少々顔と身体を強張らせるも、何とか会釈を返した。

相模原孝也 > 会釈した女の子の様子が変だったのに、少し首をかしげるが、まあ見知らぬ相手で……何かの授業で見かけたことは会った気がするが、まあ自己紹介をしたわけでもなし。
知らぬ相手に会釈されて戸惑っただけだろうと、本の返却に意識を切り替える。

「っと、この辺だったかな。」
両手に抱えた数冊の本。ソレが置かれている場所までくれば、運んでいた本を収めていく。
若干位置が変わってる気がするが、本人は気にしない。

「さーて、辞典のたぐいはどのへんかな…。」
んー、腕組み考えながら、書棚の合間を歩く。案内板には、辞典コーナー、なんてのを見た覚えはないけれど。
いっそ、数学からやるかなあ、と考えていると、先ほど会釈を返してくれた女の子が目に入った。
数秒だけ考えた後、そちらに近づいていき。

「すいません、今大丈夫ですか?」
ひっそりと、抑え目の声をかけた。

美澄 蘭 > ならばと、英米圏で書かれた本を探してみるが…流石に多くない。
検索端末で探すにも…外国語での検索には流石にまだ自信がなかった。

(…とりあえず、読めそうなものを手当たり次第借りてみようかな…?)

と、考え事をしていると、少し上の方から声がかかった。
完全に不意だったので、少しびくっとしてから振り返る。

「…えぇっと…何か?」

オッドアイの瞳が、やや上目遣い気味に見つめ返した。

相模原孝也 > 「ああ、うん。驚かせてごめん。」
どうやら、大分驚かせてしまったらしい。
こうした時にできるのは…笑顔だ!色の違う2つの瞳に、目をぱちぱちとさせてから。にかっと笑って、暗い空気にならないように気をつけてみる。通じるかは、別問題。

「魔法関係の語学の辞典探してるんだけど、どのへんにあるか、知らないかな?
 案内板で、そっち系の区分見たことなくてさ。知ってたら、教えてもらえると大変助かります。」
おねがいします、と両手を合わせてなむなむとお辞儀。少々演技臭く動いてみせる。

美澄 蘭 > 「いえ…いいの…私の方こそ、ごめんなさい」

相手に悪意が無いと分かれば、少し申し訳なさそうに目を伏せながらそう返る。
少年の善意は困らない程度には通じたようだ。

「…辞書は、よほどコンパクトサイズの以外はそもそも貸出書架にないんじゃないかしら…貸出で独占されたら、みんな困るし。
閲覧限定の書架のコーナーに辞書があったはずだけど…」

そう言って、案内板の方に歩いていくと、閲覧限定の書架の区画を指す。
その区画の端の方に、小さく「辞書」と書かれたエリアがあった。
貸出区画の案内だけを見ていたら、気付きにくかったかもしれない。

「ここは魔術がメインの棟じゃないから、別棟の方が種類は豊富だと思うけど…基本的なものなら、最低限は置いてあるんじゃないかしら」

分野を跨ぎたい学生に不便だしね、と。

相模原孝也 > 「んー、初対面の人相手の対応としては、フツーだから気にしないでいいと思うぜ。」
にひひ。さも何か企んでますよ!?という笑みをわざーとらしく浮かべて見えるけど、冗談だよー、なんて言いながら、明るい笑顔に戻す。

「あー……そっか。ならまた今度、一日仕事のつもりで図書館にこもったほうが良さそうだなあ。…買うと高いし、そういうの。」
参ったなあ。片手でスポーツ刈りの頭をカリカリ書きながら、案内板に向かう女の子の後を追って、こちらも案内板へ。
指し示された先の、辞書、という文字に。ほほー、と目を細めて。

「閲覧限定のコーナーとかあるの知らなかったわ。雑誌積んでるトコは知ってたけど。
 って、魔術関連でまた別にあるの?」
普段図書館などろくに使ってない青少年は、驚きの事実にぱちくりとまばたき。
思った以上にオープンな学習環境に、これも世界中どころか、異世界からも人の集う、常世学園の凄さを実感した。

「確かに、オレ見て―な夏休みの宿題を片付けたい奴には、辞書なんかはまとめてオイてあるほうがありがたいな。
 そして、きっちり案内してくれた人もありがたい。ありがとな。…えーと、」
両手を合わせて、女の子に礼を告げた後、少々困った顔で口を止めた後、

「オレは相模原、孝也だ。 案内してくれた君のお名前を、聞いてもいいかな?」

美澄 蘭 > 初対面相手への反応としては普通だ、と言われると

「………そう、かしら」

少し自信なさげに目をそらす。何かあったのかもしれない。

「雑誌もそうだけど…辞書とか、他にもいわゆる全集とか、「独占されるとまずいもの」が結構あるのよね、図書館。
雑誌は、最新号じゃなくなれば借りれるけど。

…夏休みで終わりにしないなら、辞書は買った方がお得だと思うけどね」

手元にある安心感って馬鹿に出来ないし、と、真面目な表情で。
閲覧限定のコーナーについて詳しいあたり、この少女、相当図書館慣れしている。

「…相模原さんね?
私は美澄 蘭(みすみ らん)。1年生よ。
この島の図書館、蔵書も分野も多くて面白いから、結構あちこち通ってるの」

ここでやっと、少しだけ、はにかみがちに笑った。

相模原孝也 > 「よく知らないおっちゃんが、新聞の契約取りに来ても追い返すじゃない、そういう感じだよ。
 後、夏休みだからね。高揚して馬鹿やる奴が居ても…おかしくないしな…。」
全部夏のせいだよ…。季節さんに責任をおっかぶせ、深々とため息を吐き出した。

「あー。まあ、辞書なんか借りれるなら、長々借りたい奴はいくらでもいるもんな。
 正直、宿題だけ終わればいいから、辞書とか買いたくないんだけどなぁ。ぐぬぬ、食費とどっちを取るべきか。」
女の子の真面目な表情に対して、こちらは人当たりの良さを前面に押し出していこう…!と気楽な調子の受け答え。…ちょっと笑顔を貼り付けすぎて、頬がぴくっと動いてる。

「美澄さんな。 オレも同じ1年生だ。同級生としてよろしくな。
 色々回ってるってことは、他の棟も詳しいってことか。…図書館のことで何か困ったら、相談してもいいかな?」
名の呼び方は、相手の呼び方に合わせて苗字呼びで。
話をきくに、図書館好きは確定の模様。そのへんちょこっとつついたら中よく慣れるかな、なんて下心もあったけど。
どうやら笑みを浮かべてもらえる程度には、リラックスさせられたのが嬉しくて、にか、と明るい笑顔が顔に浮かんだ。

美澄 蘭 > 「………流石に曲がりなりにも学園の図書館に出入りしている人間にその扱いは………
…まあ、色々ありはするけど…騒がしいところにいかなければ、割と平和だし」

内心、自分の人見知りに見える態度があまり印象のいいものではないという認識はあるらしい。(厳密には、別種のトラウマのようなものなのだが)
ただ、「夏のせい」についてはさほど実感がないようだった。

「………状態は賭けになっちゃうけど…古本屋なら、少しは安くなってる、かも?」

辞書というのは勉学と無縁になってしまえば、極論「ただの重くてかさばるもの」である。
ということで、プレミアムな古書を扱っているわけではない市井の古本屋には、そういうものがあったりするのだ。

「あ、同級生だったのね…背が高いから、てっきり上の方の人だとばっかり」

そう言って笑う表情が、人好きのするものに近づく。

「…私よりは、図書委員の人に聞く方が確実だとは思うけど…私で、分かる事で良ければ」

図書館に関する相談は乗る方針のようだ。柔らかい表情を浮かべる。

相模原孝也 > 「ま、たしかにな。平和が一番。今も平和だ。 よって、あの程度の反応なら問題なしと。」
ピッと人差し指を立てて顔の前にかざし、にやりと笑って結論を出してみせた。強引。

「その発想は、なかったわ。ナイスアイデア。今度学生通りか、商店街周りで探してみるわ。」
まさしく、となかった発想に、ポンと手をうち納得した。
古いものなら多少改定は入ってるだろうが、そうなってから図書館利用でも問題なかろう。

「この時期が成長期だったみてーでさ。ただいま背丈が伸びてる真っ最中。
 どうせなら、2mくらいに伸びねーかな。他の人のつむじとか見れそうだし。」
あんまり意味のない野心を、腕組み笑って口にするが、冗談めかした口調であった。

「サンキュー。 つっても、今日は宿題終わったし、上がりのつもりだから、また今度だな。……ハラ減ったし。」
気がついたら、ぐぎゅるとお腹が鳴ってて、頬が少々赤らんだ。昼抜きで宿題こなしてたから…夕飯の時間も過ぎてるので、さすがにお腹が空いてきた。

「まー、オレはしばらく図書館でベンキョー三昧の予定だし、また会ったらよろしくな。ついでにケーバンあたりも交換しとく?」

美澄 蘭 > 「………ありが、とう」

強引な結論を出す相手に、意表を突かれたように目を大きく瞬かせて…そして、ぎこちなく礼を言った。

「学園都市だし…そういうものの流通も、結構あると思うの」

祖父いわく、大学のテキストも結構大学近辺の古本屋に流れるらしいので、同じことが起こるのではないだろうか、と推測している蘭だった。

「………流石に、そこまでいったら…ちょっと、怖いような」

苦笑いを浮かべる少女は、華奢ではあるが背がさほど低いわけではない。
それでも、少年とは15㎝以上身長の開きがあった。

「連絡先…そうね、その方が色々便利だと思うし」

ブリーフケースからスマホを取り出した。

相模原孝也 > 「どういたしまして。」
にっこり笑えば、ごまかし完了。

「つまり、狙い目ってとこだな。魔法の本なんかも質が低いのは流れこんでそうだ。狙い目かな?」
きらりと好奇心が眼に宿る。青春に探検はつきものだ。

「そう? 人混みの中でも目立って珍しがられるくらいかなーって思ってたけど。
 笑顔が素敵ならきっと大丈夫さ。」
な?とか言って、ニッカリと満面の笑顔を浮かべてみせた。

「ん、じゃあ連絡先交換。QRでいいかな?」
パーカーのポケットから取り出したスマホ。ピピピ、と動かして連絡先を交換して。

「連絡先、ありがとなー。 図書館のことで頼りたいことが会ったら、連絡させてもらうよ。 そっちもなんかあったら呼んでくれ。力仕事くらいならまあ、できるし。」
楽しそうに者べ食っていたのが止まったのは、見事に自分の腹の音。そろそろ空腹も限界らしい。

「それじゃ、オレはそろそろ行くな。また会ったらよろしくな、美澄さん。」
またなー、と手を振り、勉強道具が置きっぱなしの机へと戻っていく。
その後、勉強道具類をカバンに突っ込んだら、さて。楽しそうな顔で、図書館を後にしたのでした。

ご案内:「図書館」から相模原孝也さんが去りました。
美澄 蘭 > 「質が低いのは、それはそれで危ないと思うけど…」

中途半端な実践は良くない。少し前に、蘭が痛感した事だった。

「………そう、だといいわね………」

蘭の言葉の歯切れは悪い。
孝也の人懐っこさは尊いと思うが…何というか、それと飛び抜けた高身長の組み合わせは、何というか、場合によってはものすごい恐怖を与えてしまうような気がしたのだ。

「ええ…大丈夫よ」

こちらも手慣れた様子で連絡先を交換する。

「ええ…それじゃあ、また」

楽しそうな顔で図書館を出て行く孝也を、見送った。

美澄 蘭 > 「………さて、と」

孝也に話しかけられる前に見ていた、英米圏で書かれた異世界についての本が集まっている部分に向かう。
異世界・異能・魔術について、英語で書かれた文章を読み込む力にはまだ自信がない。邦訳版に注意しながら見ていく。

「おばあちゃんが元々いたのは、魔法が発達した世界だったらしいから…それらしい目次の本を探せば良いかしら」

そう呟いて、まずは1冊手に取る。
目次をめくると…地球より、遥かに進んだ機械文明のことが中心のようだった。

これじゃない、と、書架の元々入っていた場所に戻す。

美澄 蘭 > 次に手に取った本の目次は…「剣と魔法のファンタジー世界」のような話がてんこもりの自伝のようだった。
祖母の世界は、祖母がいた頃には技術もかなり追いつき、対等に共存するようになっていたという話が残っている。
ということで、これも違うはずだが………

「………まあ、一応ね」

ファンタジーものが好きな蘭は、自分の興味に屈した。とりあえずキープする。

美澄 蘭 > そうして見ていくと、祖母の出身世界に近そうな異世界を描いたものが何冊か見つかった。
魔術師寄りの視点から書かれたもの、文明を享受する立場の視点から書かれたもの。

少し中身を確認すると、作風も様々だった。
ノンフィクション風のもの、論文のような性格を持つもの…

厳密には、どれも違う世界を描いているように思われた。
だが、どこで祖母の出身世界に繋がるか分からない。

…ここで、貸出上限という壁が蘭に立ちはだかった。

美澄 蘭 > 「…ど、どうしよう…」

とりあえず、趣味でキープしていた「剣と魔法のファンタジー世界」の本は速攻で諦め、書庫に戻す。
それでも、あと2冊くらい省かないと貸出上限に引っかかる。
無論、精読しようと思ったらもっと省かないといけない。

「………」

蘭は、書架の列の中に立ち尽くし、悩みに悩んだ。

美澄 蘭 > ゆうに10分以上悩んだであろうか。蘭はどうにか結論を出した。
目次を照らし合わせ、書かれている内容、著者の人物像を類推し、出来るだけ、幅広い範囲を網羅出来る組み合わせを考え…何とか、2冊を書架に戻した。

「これでよし、と…しばらく、ピアノの練習の時間は増やせないわね」

そう言って1人苦笑するが…読書も趣味の1つだ。それなりに前向きに捉えていた。

美澄 蘭 > 貸出カウンターで手続きをする。
流石に一度に上限めいっぱいまで借りる学生は多くない。返却期限について少し念を押されながらも手続きを行い、無事借りる事に成功した。

(久々にがっつり借りたわね…気合入れて読まないと)

新たな世界との出会いの期待に躍動する鼓動に情動を任せ、蘭は図書館を後にした。

ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。