2015/08/27 のログ
ウェインライト > 「君は見ず知らずの人間に身体を動かすなと言われて我慢できるかい?
この世界は少し儚すぎるね」

ただ生きる。それだけで爪弾きにされ最終的に落ち着いたのがロストサイン。
善性悪性を問わずにかつてのウェインライトは居場所を失っていた。

だからこその理解。
"門"を失なったウェインライト。
吸血鬼もまたその帰還の手段を失った。
それを知ったのは目覚めた後、ロストサイン壊滅を知ってからだった。

「"門"か。確かに情報はいくつかあるけれど……僕の口から言うのは"約束"に反するのでね」

知っているけど言えない。
そんな素振りを見せる。

「ひとまず、かつて"門"の記録を纏めていた部署の場所でも教えておこう」

情報が残っているとも思えないが、
運が良ければ、あるいは然るべき異能や魔術でもあれば拾うものもある。

美しくメモ帳にその場所を記してから、
無駄に折り鶴にして差し出した。

1mmのズレもない美しい折り鶴だった。

ギルゲイオス > 動くだけで、自然と破壊してしまう、とでも言った所かな。
我の世界でも――非常に稀ではあるが、街中に巨人種が突然生まれて対応に難儀する事が、、あるがの。
ただま、幾ら脆くとも、動くのを我慢できずとも。破壊して良い、という道理はないのでな。
そう言う意味では、案外と、今の状態の方が都合は良いのかも、知れんがな。
(緩くと息を吐き出すと、顔を横に振り、僅かばかりに口の端を上げる)

ま、無理には聞き出そうとは思わぬし、そもそもお主から無理に聞き出すのは不可能であろうしな。
(例え強行な手段を取ろうとも、死んで別の場所に復活されればそのまま逃げられるだけ。
先にも行った通り、どちらにせよ危険な方法を取るつもりもないが。
仕方ないなとばかりに、肩を竦めた、後)

ふむ……おおよそそう言う場所は、公安や風紀が荒らしつくしている、とは思うが。
ダメ元でも、行ってみるに損は、無さそう、か。
(文字通り『運がよければ』だ。
思案気に顎を撫でた後に、書かれる手元、暫しと眺め)

感謝する。
もし帰る方法が見つかれば、お主にも伝えるとしよう。
もっとも、ソレが何時になるかは、分からぬが――
(折鶴を受け取ると、上から見て、下から見て)
鳥、であるかな?
また随分と器用な……というか、なんだか、広げるのがもったいないのだが。
(折り紙なる未知に興味深々の魔王様)

ウェインライト > 「僕は僕の美に従うだけさ。
破壊したいわけでもないし、だからといって我慢したいわけでもない。
少なくとも今の僕が世界にとって都合がいいのは事実だろうね」

今はおよそ優雅でない生活を送っている。
住所不定無収入。それが今の肩書。

認識するとあまりの美意識の無さに死んでしまう。
なので意識の片隅からリングアウトさせている頑然たる事実だった。

「そうだろうね。運が良ければ、ということになるだろう。
あるいは過去視や思念走査系の力でもあれば言うこと無しなのだが」

痩せても枯れても、いや、痩せても枯れてもいない。
美以外が衰えたウェインライトとはいえど、
今の吸血鬼を一処に捕らえておける手段はない。
多分ない。

「はっはっは! 別に今のところ帰るつもりはないのだけどね。
僕は僕の美に従って生きるだけさ。でもありがとう、ミスター。
もし分かったらぜひ教えておくれ」

踊るように踵を鳴らして立ち上がる。
指を鳴らして折り鶴を指さすと。

「ジャパニィーズ、折り鶴というらしいよ。
芸術のようだろう? やはり全てエレガントに事を運ばないとね……」

広げられることは考慮しない。
きっと折り鶴も本望だろう――。

ギルゲイオス > ついでに言えば、お主の美を、人々の目に焼き付け、語り継がせる事が出来る、という意味でも良いのではないかな?
見ても次の瞬間に居なくなってしまっては、美しくとも、醜くとも、変りがなくなってしまうしな。
(くくっと、小さく鳴らす喉元。
現在アルバイターな魔王様も、似たり寄ったり、と言えるが。
余り考え過ぎると切なくなるので思考の隅に寄せる)

残念ながら、その手の能力は持っておらんな。
残留思念を実体化させる魔術なんてのも聞いた事はあるが、現状では使えぬしな。
一先ず、目で確認して、何も無かったら対策を考えてはみる、か。
(ややと天井を見上げれば、後頭部を指で掻く。
転移といい、召喚といい、どうも壊すタイプの魔術以外は不得手で困る。
魔王らしいといえば、ラシイのかもしれぬが)

ま、それはお主が好きにすればよいさ。
此方の世界でも、それとも元の世界でも。
どちらでも、お主であれば美に従う事は出来るであろうしな。
(口元に笑みを浮かべたままに、片手をヒラヒラと揺らす)

ほほう、オリヅル、であるか。
紙一枚をこのように加工するとは、……なんとも繊細な。
芸術、そして文化の結晶か……
(平面一枚から生まれる、この立体感。
しばしと見入って、いたのだが)

とはいえ、開かねば情報を貰った意味がないのである。
オリヅルは、後で再現するとして。
(文章を見る為に、そーっとそーっと。
どういう順番で折られたのか確認しながら、紙を開く。
勿体ないが、仕方ないのである)

ウェインライト > 「語り継がせる。それは考えたこともなかったな」

讃えられることは好んでも語り継がれることを望んだことはない。

消滅せぬもの・永遠不変・絶対の美

それがウェインライト。
しかし生徒たちとの戦いによってそれが覆されそうになった。

だから生まれる一考の余地。

「なるほど。ふむ……」

己の美学に、語り継がれる必要性が取り入れられるか。
それは大きな一歩。

「だがその通りだよ。語り継がせることにしても、僕は僕の美に従う。
だから僕は君に協力することにしたのだしね」

片目を閉じてウィンク。
身体を傾げて身体が弾む。

折り鶴の美であろうとも、讃えられると喜ぶウェインライト。
百の異名にチョロいウェインライトというのを加えて百一にしてみたらどうだろう。

そして。

美しき折り紙が崩れ去る姿を見て、ウェインライトは吐血した。

#死因・嗚呼、マイチャイルド……。

ギルゲイオス > 優れた芸術であっても、誰の目にも留まらなければ無いと変わりが無いのである。
誰かが見て、記憶し、また誰かに語る事で、それは芸術として、『美』として評価されるのではないかな?
(ちょいと首をかしげて見せる)

なるほど、つまりコレもお主の美の一環、という事か。
我は利を得るし、お主の美を我は記憶する。
ウィンウィンであるな。
(小さな笑み、浮かべれば。
肩をちょいとばかし揺らした後に、ウィンクを返して)

……え゛?
(開ききった直後、その文面を見るより前に、感知する異変。
紅い、血が)

って、また死んだ!?
これはかなり予想外っていうか何故にッ
ああ、これか、コレであるか!?
(折り目のついた紙、となったメモをヒラヒラとさせて)

解体されて死ぬなら、何故メモを書いた紙をオリヅルなんかにしたのであるかっ!!
自殺、ある意味では自殺であるな!?
(自身が読む為にコレを広げる事は、確定していた。
つまるところ、確定していた死、ともいえる。
これには魔王様も驚いたのか、物言わぬ死体に対する魔王様の突っ込みが図書室に響き……)

あ、すいませんのである。
(注意されたので、素直に謝る魔王様)

ウェインライト > 「その方が気持ちの良い生き方が出来ると思ったのでね」

今度はどこからともなく響く声。
姿は見えない。
死んでしまったのは他でもない。
自分で予想する以上に精神的ダメージが大きかったのだ。

だけれども折る。

「それが美道(ビドゥー)……」

ビューティフルロードとも言えるその道。
妥協などない。

「ちょうどいい頃合いだ。
僕は行かせてもらうよ」

目的は果たした。
抱えているのは生徒向け無料求人雑誌。
これで次の収入を得なければ――。

「アデュー! ミスター!」

涼やかな声を残してウェインライトは消えていく。
嵐のような吸血鬼。きっとまた会うこともあるだろう。

#ちなみに、仕事は見つかりませんでした。

ご案内:「図書館」からウェインライトさんが去りました。
ギルゲイオス > ビドゥー?
(謎のセリフを、リピートアフター)

美とは、随分に死狂なのであるな……いや、お主だけか、この場合は
(いっそ清々しい程に、美に関してはブレない。
これはコレで、畏怖的なモノを感じなくもないが)

あいよ、まぁ、そのなんだ。
なるべく死なないように、頑張ってくれ。
(颯爽と去ってゆく後姿、ヒラヒラと手を振り)

……我も持って帰るか。
(求人雑誌を一冊手に取ると、まずは先ほどいた机へと戻り。
読んでいた本を、棚へと、戻しにいって)

(なお、その数日後、魔王様のバイトが一つ増えた様です)

ご案内:「図書館」からギルゲイオスさんが去りました。