2016/01/13 のログ
ご案内:「図書館」に朝宮 小春さんが現れました。
■朝宮 小春 > 静かな図書館の一室で、積み上げた本の隣、一生懸命本を読む女が一人。
この島に住み、生徒に接して過ごす普通の教師、朝宮小春。
「………………。」
沈黙。
ただ静かに時が過ぎ、穏やかな温度に保たれた部屋の中。
「………んぅ………」
うつらうつら、こっくりこっくりと船を漕ぎ始める生物教師。
■朝宮 小春 > 流石に外を歩くのは寒かったからか、コート一枚は引っ掛けて持ってきたものの……
室内の思った以上の暖かさに、コートは隣の椅子にひっかけたまま。
普段通りのブラウスとタイトスカートの格好で、色々な生物の解剖図などが並んだ専門書を読んで調べ物をしていたのだけれども。
………あったかいと、ねむい。
「ぁ、…いけない、いけない。」
時折こうやって目が覚めて、首を横に振るのだけれども。
完全に頭が眠って思考停止しているからか、「そろそろここで切り上げよう」という意思までは生まれない。
■朝宮 小春 > かくん。
「………ぅぅん……」
また落ちた。即落ちである。お手本のようなのび太的寝付きを見せる教師。
ああ、こんな姿が人の目に触れぬことを願うしか無いではないか。
■朝宮 小春 > しかし世の中そんなに甘くはない。
いつの間にかその手に持っている本が「漫画でわかる世界の歴史 7巻」にすり替えられ。
開いていた解剖図のページが「人間の睡眠について」のページに変わっているのだ。
「ふぁ…っ! ダメダメ……!」
首を横に振る。もう手遅れだが、教師の威厳を少しでも守らなければならない。
■朝宮 小春 > 頬をぱちん、っと自分で叩いて。
よし、気合を再注入! がんばって本を読み進めることにする。
「………ふぅん……なるほど、鑑真ってすごい人なのね……。」
感心していた。
■朝宮 小春 > 「じゃなくて!!!」
読み終わって、とても爽やかな読後感。
何もかも違うことに気がついて立ち上がる。
何時の間に持ってきていたんだろう。
いやいや違う、流石にどれだけ寝ぼけていても漫画世界の歴史は持ってこない。
学問のジャンルも違えばチョイスもおかしい。
何もかもおかしい。
つまりはこう、誰かに見られていた上に悪戯までされていたわけで。
「ぁあぁあぁぁ………」
頭を抱えてその場に突っ伏す。
恥ずかしくて耐え切れない。
■朝宮 小春 > 「ぁああ、ぅうう………」
唸りながら立ち上がる。このダメージは甚大だった。
コートから何からそのまま、ふらふらと部屋から出て行ってしまう。
「ぅうう、ぅうう………」
戻ってきた。また静かに座る。
■朝宮 小春 > そっと読み始める漫画世界の歴史第8巻。
だって続きが気になるんだもの。
嗚呼、これ写真でも撮られていたらどうしよう………
とほほ、と肩を落として世界の歴史にどっぷり浸かる生物教師であった。
→ 『振り出しに戻る』
ご案内:「図書館」から朝宮 小春さんが去りました。