2016/02/02 のログ
マリア > 操作をじっと見つめている。
とりあえず、下の方のボタンで消える事は分かった。ボタンを押して、調べたい事を入力することも。

「えっと…そうね……。」

歯切れの悪い言葉とともに、紅色の瞳を泳がせる。
何と答えるべきか、考える時間が、しばしあってから…

「この島とか、この世界について…
 …って、これじゃもしかして、曖昧すぎるかしら?」

……その発言からも、振る舞いからも、知識量からも、風貌からも、
この少女は異邦人なのではないかと想像できるかもしれない。

美澄 蘭 > 「ああ…やっぱり、あなたも他の世界から来た人なのね。
端末のこともさっぱりのはずだわ」

調べたい内容を聞いて色々と合点がいったらしい、ふふ、と柔らかい笑みを零した。
機械に弱そうな異邦人の知り合いもいるので、驚きはない。

「そうね…それじゃあ、まずはこの島…「常世島」「常世学園」で調べてみましょうか」

まず、1つ目の検索語入力欄に「常世島」で入力すると、2つ目の検索語入力欄にタッチする。

「調べるための言葉は複数入れることも出来るのよ。だから、こっちに「常世学園」って入れて…」

そう言いながら、入力していく。いやにタッチパネルを押す指に力が感じられるだろう。
もしかしたら、タッチパネルには慣れていないのかもしれない。
(実際、蘭は自分で端末を使う時にはキーボード入力を使っていた。その方が早いのだ)

「最後に、「検索条件」で、両方含むか、どっちか片方が入ってれば良いことにするか決めるのよ。
今回は、どっちかが入ってればいいことにしましょうか」

そう言って、「いずれかの条件に一致する」のチェック欄をタッチした。

「それで、最後に「検索開始」のボタンを押せば…完了ね」

そう言って、ボタンを押す。
ずらーーーっと、本のリストが挙げられていく。かなりの数だ。

「…予想通りだけど、凄い数ね…
画面を戻ればもうちょっと絞り込みかけられるけど、どうする?」

そう、少女の方に再度振り返って問うた。

マリア > 「あなたも…ってことは、もしかして、あなたも別の世界から来たの?」

それとも、そんな知り合いがいるだけだろうか。
何にせよ、あまり驚くことはせずに納得してくれた相手を見て、安堵の表情を浮かべる。

「えっと、ここに入れた言葉を調べられるのね?
 ……で、こっちは……どっちかが入ってればいい?」

まさに、ちんぷんかんぷんである。
ただ、説明しながら少女が操作してくれているので、それをただ眺める作業である。
操作を覚えなさいと言われたら、無理ですと答える自信がある。

そして、ずらりと並んだリストを見て、“うわあ”と、正直な声が漏れた。

「なんだろう…この島の常識とか、決まりとか、そういうのを知りたいんだけど。
 そういうのって、調べられるかしら?」

美澄 蘭 > 「ううん、私じゃないわ。
私を魔術の道に誘ってくれた人が他の世界から来た人で、機械があんまり得意じゃないみたいだったから。
…まあ、他にも縁がないわけじゃないけどね」

そう言って、悪戯っぽく笑って、少し肩をすくめる。
こういった無邪気な表情は、今までと比べると少し子どもっぽく見えるだろうか。
…実際、実年齢ならマリアより年下なのだが。

「ああ、そこのチェックは、最初は両方含む方に入ってるから。
どっちか含んでれば良い調べ物なら、さっきタッチした方にすれば入れ替わるわ」

少女の質問に答える。
…実際、マリアが操作をとても覚えられる気がしていないことにはまだ気付かない程度には鈍いところがある蘭だった。

「…この島の常識とか、決まりか…学生証が発行される時に、そういうガイドブックとか、要項みたいなの渡されてないの?」

この世界の住人たる蘭は、異世界から来て生徒になる者達がどのようなプロセスをたどるのかを知らない。
そして、学生証を発行する部署と生活案内をする部署の違いも、実はそこまでしっかり把握していなかった。

マリア > 「そっか……その人も同じだったのね。
 私の世界にも本はあったけれど…こんなのは見たこともないわ。」

流石に一日で覚えるのは無理よ。なんて、苦笑する。
両方含むだとかなんとか、全く理解できていない。
少し悩んだ後で、申し訳なさそうに…“後で復習しておくわ。”…と、囁いた。


「ガイドブック…?あ、そう言えば、後で生活委員会がどうこうって言ってたわね。
 飛ばされて来た日はもう、何も覚えてないくらいいろんなことがあったから。」

なお、学生証自体は発行してもらった。
どんな手を使ったのか、それとも上手くだましたのか、女性扱いで。

美澄 蘭 > 「魔術とかが発達したところだと、逆に機械はあんまり発達しないみたいね。
えぇっと…使い方の案内自体は…ああ、これかしら」

と言って、脇の壁に貼られた掲示を指差す。
ただ、機能しか示されてないので、手順は蘭が補完して正解だったかもしれない。

「…ああ、ガイドブックは生活委員会なのね…って、まだもらってないの?」

驚きに目を瞬かせる。内心

(今までどうやって過ごしてきたのかしら…)

と心配でたまらないのも、まあ当然のことだろう。

「…とりあえず、生活委員会棟に、ガイドブックもらいに行きましょうか。
ここからなら、そう遠くないから。

図書館の本で調べるより、そっちの方が早いわよ」

「案内するわ」と、図書館の出口の方を指差し。
保健課は生活委員会内でも特殊な部署なので棟が別なのだが、講習などで何度も委員会街に出入りしていれば、流石に配置を覚えているのだった。

マリア > どうやって過ごしてきたのか。
支給された資金をすべて衣服につぎ込み、貸してもらったお金でやっと生活必需品を買いそろえ、
この島に何があるのかをふらふらふらふらと見回っている。
それだけの事である。まぁ、こちらへ来てまだ数日なので、仕方ない部分はあるかもしれない。

「え、さすがにそこまでしてもらっちゃ悪いわ…!!
 私いま、お礼できそうなもの何も持ってないし!!」

そう言いつつも、実際、そのガイドブックとやらは必要だった。
これからどうすればいいのか、学校はあるらししが、それはどのような場所なのか。

「えっと……んー、それじゃ……。」

だいぶ悩んだ後で、もう一度本棚を見て……ここから目当ての本を探すのは無理だと、諦める。

「………案内、お願いしてもいいかしら?」

きっとこの少女は、まるで子犬か何かのようについていくだろう。

ご案内:「図書館」からマリアさんが去りました。
美澄 蘭 > 「大したことじゃないわよ、案内するだけだし。
………流石に私も、この本の山の中でガイドブックみたいなのをきちんと紹介する自信ないもの」

図書委員じゃないし、と、軽く息をつきつつある意味爆弾発言。
凄く振る舞いはそれらしかったのだが。

「ええ、喜んで」

申しわけなさそうに頼まれれば、それを払うように満面の、人の良さそうな笑みを浮かべて。
姉か何かのように手を引いて、生活委員会棟へと案内して行くことだろう。

ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「図書館」に日下部 理沙さんが現れました。
日下部 理沙 > 年度末も近づいてきた冬の盛り。
しかし、それとは関係なく年がら年中、しっかりと空調の効いている図書館の隅で。

「はぁ……」
 
新入生……というにはそろそろ苦しい一年生、日下部理沙は大きな翼をしな垂れさせて、これまた大きなため息を吐いていた。

日下部 理沙 > 溜息の原因は机に山積している魔術関連書籍の山。
今まで欠片も勉強してこなかった分野なので、学べども調べども中々頭に入ってこない。
しかし、理沙はだからといってめげる訳でもなく、一時も手を休めずに頁を捲り、問題を解き、ノートを魔術式で埋めている。
何故今さらこんな事をしているのかといえば理由はごく簡単で、単純に近々、魔術専攻への転科が決まったからである。
本格的な移籍は来年度からであるが、当然それは書類上の話であるため、理沙の実際の能力とは何の関係もない。
故に、来年度の転科でいきなり落ちこぼれないためには、今から勉強しなければ初回の授業内容にすら到底追いつけないのである。

日下部 理沙 > 「まぁ、簡単だったら……もっと早く誰かが勧めてるはずだもんな」
 
魔術教本をめくりながら、そう一人ごちる。
今捲ってる本の著者は獅南何某。
今度、講義を取る偏屈ながらも実直な教師である。
挨拶くらい済ませておこうかとも思ったが、別にそういう事を気にする性格の教師でもないと思ったので結局まだ顔合わせはしていない。

ご案内:「図書館」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 大きな翼の生えた後姿を見かけた。
あの目立つ後姿は恐らく知り合いだろう。

「こんにちは日下部君。今からテストの勉強かい?」

右手に異世界文化論と書かれた厚めの本を右手に左手には鞄をそして首には白いタオルを巻いた男が覗きこみながら静かに声を掛ける。
積まれた本の内容は魔術、魔術、魔術。真にはあまりかかわりのないものばかりだ。

「日下部君、魔術の授業受けてたんだな。」

日下部 理沙 > そうして、顰め面で教本を向き合っていると、背後から聞こえてくる声は、数少ない友人のそれ。
振り向かなくてもわかる。
それでも、酷く久々に会う気がする彼の顔が見たくて、理沙は結局、振り返った。
 
「お久しぶりです、真乃先輩」 

淡い、笑みを浮かべて。
 
「いえ、『これから』です。今度、転科することになったので、その備えですよ。
来年度から、魔術専攻科のほうに転身することになったんで」

真乃 真 > 「本当に結構久しぶりだね!…日下部君、少し疲れてない?」

以前あった時とはまた、印象が違っている。
初めに会ったときの感じとも、電車の中で会った時とも違う。
何がやりたいのか決まったのかもしれない。

「そうか!魔術か!僕も興味はあったんだけどねどうしてもやってたことと都合が合わなくてね。
 ほら魔術の先生って厳しいって噂じゃないか…。どっちも中途半端になりそうだったから取ってないんだよな。」

魔術の方の先生。厳しいという噂は山ほど聞こえてくる。
実際にはあったことは無いのだが…。

「それにしてもやりたいことが見つかって良かったじゃないか!なにかするから魔術を勉強したいんだろ?」

前会っていた時は部活とかでまだ迷っていたのにねと何も知らずに笑顔で祝福する。

日下部 理沙 > 「まぁ、慣れない事してるんで、ちょっとだけ……ははは、確かに、先生は厳しいというか偏屈というか。
いや、厳しい人だったお陰で……今、こうしていられている気もするんで、『俺』はそれでいいかなって。
本人はきっと、別にそんなつもりもなかったんだろうって思うんですけどね。
あ、はい、確かに、やりたいことは見つかりました……部活じゃあないんですけど」 
 
自分も一度しか喋ったことがない、とある教師の顔を浮かべて、そう理沙は苦笑いをする。
全員が全員ああいう教師でないことはわかってはいるのだが、やはり第一印象というものは強烈だ。
まぁ、研究者ともなると、皆ああなのかもしれない。
自分のやりたいことがあるからこそ、研究するのだろうし。
 
そして、それは、今の理沙にもよくわかることだ。
 
「どうにかして、『飛んで』みたいなって思って」」

真乃 真 > 「…日下部君はその先生に会ってそう進もうとおもったんだね。
 そう思えるならきっとそれはいい先生だな!」

ところで…彼は前から俺って言ってただろうか?今までは私って言ってたような…。
何か彼を成長させるきっかけがあったのかもしれない。

「飛ぶ、飛ぶのか。そうか!ついに飛ぶのか!」

ごく、嬉しそうに言う。初めて会った時、飛べるものだと思っていた。
飛べない羽の異能者。飛べない羽を生かせるように演劇なんかを勧めたりしたものの
確かに魔術の力を使えば空を飛ぶことが出来るだろう。

「それにしたって急な方向転換だね。それもその先生に会ったからなのかい?」

その背中の飾りの羽を生かすのではなく
羽に関係なく空を飛ぶというのは今までの理沙からは恐らく出なかったであろう発想だと感じたのだ。

日下部 理沙 > 「まぁ、確かに……その先生のお陰でもありますし、他の先生のお陰でもあります。
そして当然……まさに色々助言をくれた真乃先輩のお陰でも実はあるんですが……決定的なところは、どれも違います」

遠くを見るように、目を細めて。
何かを思い出すように。何かを悔やむように。
しかし、それも、直ぐに消えて。
 
「結局のところ、俺のこの翼を見れば……多くの人が俺に期待することは……『飛ぶ』ことだと思うんです。
だって、これ見よがしの翼がありますし、実際にこういう翼がついてる人は今日日だいたい飛べますからね。
なのに、その期待に応えることができないっていうのはなんだか」
 
そういって、理沙は。
 
「『悔しい』じゃないですか」
 
不敵に、笑う。
 
「『なぁんだ飛べないんだ』って舐められるのも、憐れまれるのも……何よりそれで……助けられたはずの何かを取りこぼすのも。
さらに言えば、かつてはそれを良しとしていた『私』にも、『俺』は我慢ならねぇなって思ったんですよ。
そう思ったら、もうやることは一つしかないなって」
 
力強く。
はっきりと。

「男の子ですからね」

真乃 真 > 確かに真も初めてその翼を見た時は当然飛べるものだと考えた。
実際に飛べないのを知ったときは謝りさえした。
どう繕っても真が残念に思ったのは変わらない。

その時の彼はそれを良しとしていた!
慣れた様子で大丈夫だと言った!
派手なだけの異能だという言葉に対しても
諦めたようにありがとうと言った!

そんな日下部 理沙はもういない。

「君はその先生でも、他の先生でもましてや僕でもなくて…
 日下部君は、君は、君自身で進むことを選んだんだな…。」

それでこそ…それでこそだ!
眩しいものを見るように少し目を細めて
理沙の顔を見る。

「少し見ない間に随分とカッコよくなったな君は…。
 ウカウカしてると僕も抜かれてしまうな!」 

そう言って自信ありげに笑って見せた。

日下部 理沙 > その笑みにもまた、皮肉気に笑い返す。

「そんなことは、ありませんよ」

目を細め、口元だけを吊り上げ。
まるで眩い光を見るかのように。

「選んだつもりで、これは選ばされているのかもしれない。
進んだつもりで、もしかしたら振出しに戻ったのかもしれない。
『俺』の進んだ道の先が、続いているなんて限らない。
……何よりも、いくらこの先変わったところで、過ぎ去った『過去』が覆るわけじゃない」
 
諦めたほうが、良かったのかもしれない。
甘えたほうが、良かったのかもしれない。
克己だけが真実ではない。前のめりに生きなければ、『折れず』にすむ事もきっとある。
そのほうが、結果的に幸福なのかもしれない。
それでも。
 
「それでも……いいや、だからこそ、『俺』は『私』を赦さない。
過去に、報復し続ける」

それは、己にとって『気に入らない』のなら。

「俺は俺の勝手で……かつての自分に復讐してやりたいだけなんです」 
 
やることは、既に決まっている。
 
「真乃先輩と俺はきっと、進むべき場所も、見ている場所も、全然違う場所だと思います。
あくまで俺は後ろ向きに。あくまで先輩は前向きに。
でも、だからこそ、『背中』を向けても安心できるんだと……今は思ってますけどね」
 
どこまでも結局自分勝手でなければ、満足に自責にすることも出来ないのが、きっと自分と言う臆病者の本質なのだろうから。

「それこそ、カッコつけた物言いですけどね」

真乃 真 > 「それでも選ばないよりはずっとマシだ。
 振り出しの方に進んでいても止まっているよりはずっと良い。
 道が続いていないならそれこそ飛んでいけばいいだろう?」

だが、過去だけはどうにもならない。
自分の過ちも、失敗も、後悔も過去だけはどうにもできない。
だからこそ、真は人を助けようとする。手の届く人を助けようとする。
見える範囲を減らしてでも見える範囲の人を助けたがる。そして今のその自分を全力で肯定する。

「そこまで君は…自分を…。」

彼はかつての彼を否定する。
報復するとまで復讐するとまで…。

「僕が前を見てたそれはその時に困ってる人がたまたま前にいただけさ。
 僕は基本的に困ってる人を助けたいだけのヤツだからね。
 進む方向も向いてる方向もそんなのはいつも変わるのさ!
 僕もかなり自分勝手やつだからね。人にちょっかいを掛ける分君よりも厄介なヤツだよ。」

真にはいまだ道が定まっていない。人を助けているだけだ。それであてもなく進むだけだ。
どんな後ろ向きの道でも決まっている分理沙の方が上だとも思う。

「男の子なら少々カッコつけたぐらいが丁度いいのさ。」

いつものようにカッコいいポーズを付けてそう言った。

日下部 理沙 > 真のそんな言葉をきいて……理沙はつい、苦笑する。

飾らず。驕らず。偽らず。
否。
飾り。驕り。時に偽り。
 
ああ、そうか、だから彼は。
 
「なるほど、一理ありますね」
 
だから彼は、『ヒーロー』なんだろう。
それを自称するために、それを自称できるから。
等身大の自分以上で、いるために。
 
それこそ、飛ぶ必要があるのなら、彼は飛ぶのだろう。
動機は違えど、道筋は違えど。
彼もまた、歩く場所が違うだけで、目指すところは多分……似ているのだ。

「真乃先輩。丁度いい機会なんで……一つ、告白してもいいですか?」

そう思った瞬間、理沙は微笑んだ。
かつてないほど、朗らかに。正直に。
 
「今を逃したら、多分、二度といいませんよ?」
 

真乃 真 > 過去の自分への復讐。
なんて後ろ向きな目標だろう。
だけど、それを目指す理沙の姿はカッコよく眩しく見えた。

だが、自分には真乃真には自分しかない。
人を助けるだけしかできない。
だから人を助けて自分を肯定するしかない。

「なんだい?何か言ってない事でもあるのかい?
 少し怖いな!」

そういいながらも笑みを浮かべて
理沙のその顔に期待と少しの不安を感じながら尋ねる。

「もちろん聞くともさ!さあなんでも言ってくれ!」

腕を組んで胸を張り全てを受け止める態勢で理沙の告白に耳を澄ませる。

日下部 理沙 > 胸を張り。しっかりと受け止めると姿勢で示す彼。
だからなのかもしれない。
理沙は昔から、思っていたことをただ素直に言う。
 
「俺、昔から先輩の事、大っ嫌いなんですよ」
 
飾り。驕り。時に偽る。
そんな、真乃 真という男に対して。
飾らず。驕らず。偽らず。
こんな、日下部 理沙は正直に告げる。
 
「そうやって善人面してて。だってのに誰になんて思われるのかなんて気にしてなくて。
善意をぶつけられるだけで苦しむ人もいれば、その直向きさが、その閃光のような輝きが。
むしろ正面から見た人の目を焼き続けているのに。
それでも、そうやって『それでも、自分は』なんて前向きに言える先輩が……昔から、妬ましくてしょうがなかったんです」

晴れやかな笑顔で。一点の曇りもなく。
やっといいたいことをいえたと、すっきりとした顔で。
 
「だから、俺は先輩が嫌いです。大嫌いです」
 
今までにないほどの、透き通るような笑顔で。

「それでも、この言葉、今の言葉、今の気持ち……『聞いて』くれましたか?」