2016/05/15 のログ
クローデット > 他にもいくつか、ルナン家の先人の功績ー世間的に正のものも、そうでないものも含む—が書かれた魔術史・魔術師史の本を取る。
ルナン家は今でこそ【レコンキスタ】に関わった歴史を「汚名」として背負わされている。
しかし、フランス魔術界の発展に少なからぬ貢献があり、今もその存在を潰すことが出来ないほどの学究肌の名門であり、また、白魔術の行使において伝説的な女性も何人か輩出もしている。そのため、魔術史に先祖の名前があることはさほど珍しいことでもないのだ。
表向き「「汚名」故に親の代で私的な縁を切った」ことにはしているが、流石の両親も魔術師であることまでは捨てられなかった関係上、クローデットと一族の関わり方は「表向き」グレーゾーンを漂ってきた。

…と、探査魔術が、自分への視線を捉える。
いや、正確には…

(…まさか、この本を好んで探す「物好き」と丁度出くわすとは)

口元のアルカイックスマイルを、少しだけ深めて。

「…何か?」

視線の主、つり目の少女の方を向き、柔らく品のあるソプラノで、声をかけた。

十六夜棗 > 肩を竦めて、笑みを浮かべる程の表情の動きも見せず。

「いえ。少々調べ物をしていまして。」

持っている本を軽く掲げてタイトルをよく見える様に示し。
そして、淡々と問いかける。

「……宜しければ、そちらの本の内容に、この本のタイトルに関係する内容の有無を教えて頂ければと。」

思い出そうとしていないだけで、獅南教諭の講義を受けていれば、顔に見覚えがあったかも知れない。
それでも顔と名前が一致する程ではなさそうだけれど。

クローデット > 「熱心でいらっしゃいますのね」

元々の身長差と、靴のかかとの高さが相まって、身長差は頭一つ分くらいは普通にありそうだ。
そのため、クローデットは柔らかな微笑を浮かべながら目の前の少女を見下ろすことになる。
…そして、質問を受ければ、人形めいたそぶりで首を傾げながら。

「…残念ですけれど、その目的での調べ物でしたら、この本は優先順位が低いと存じますわ。
精神干渉の影響を、主に社会的な観点から記述したルポルタージュですから。
作用機序も大まかにしか解説されませんし、術式構成の記述は皆無ですのよ。

………もっとも、そうでないと通常開架に並べられる本ではなくなってしまいますが」

そう言って、くすりと花のほころぶような笑みを零す。
その台詞が匂わす物騒さとは、これ以上はそうそうないだろうというほど不釣り合いだ。

「あなたの探し物でしたら…魔術医療の書架の方が実りある専門書に出会えるかと存じますわ。
…通常図書の範囲で満足出来るかは、あなた次第でしょうけれど」

淑女然とした態度で、少女に助言をするクローデット。

実際のところ、クローデットは棗のことを、辛うじて顔と名前が一致する程度にしか記憶していなかった。
特別成績が良い生徒を「注意対象」として認識する以外は、魔術探究に頭脳のリソースを割くため、殆ど覚える努力をしていないのだ。

十六夜棗 > 「興味程度ですよ」

少なくとも熱心に調べていると言える分野ではないし、背の違いと場所柄もあり、控えめの声量と声色とつり目で台無しになる程度の弱気そうな表情を作って首を少し横に振った。

「仰られるとおり術式構成の記述があれば、それは禁書室にある分野ですから、それについては期待していません。
しかし、社会的な観点から認められた代物であると言う点では貴重でしょうね。」

口ではそう言いながらも、表情を見る限りにおいて、誇らしそうと読めたのは表情の読み間違いか。
自信の持てない違和感の様な物を持っている事が表情に漏れる。

敢えてこの部分は表情に漏らしている面もある。

「魔術医療ですか、そうですね、確かにそちらなら興味を満たすには丁度良い資料がありそうです。ありがとうございます」

貴族的な態度を受けて、一応、失礼にならない程度の礼を普段使わない肘をおなかの下で曲げる事で行ってみせる。
ぎこちない事は承知の上で。
ふと、そう言えばと振る舞いで既視感がよぎった物の、思い出すにはまだ少し遠い。

「ああ、後日もしかしたらそちらの本も調べるかも知れませんので、もし借りて行かれるのでしたら、返却予定日だけ教えて頂けるとありがたいのですけれど。」

クローデット > 「魔術教育でも、あまり主だってはいない分野ですもの。
興味を持って図書館に資料を求めていらっしゃる時点で、人並み以上には違いありませんわ」

くすくすと、口元に手を当ててどこか楽しげに…それでも、品は失わずに笑う。

「…知識の探究だけならともかく、「行使の際に」重要なのは「術式が社会的にどのような機能を為すか」でしょうから、あなたの考えにも一理ありますわね」

どうも目の前の少女は、クローデットが「注意するに値しない」と判断した程度の能力にそぐわないほどの自信の類は備えていないようだった。

(自分の実力を客観視する程度の知性があるのであれば…多少の伸びしろは、あるかもしれませんわね?)

少し、記憶容量を目の前の少女に割くことにした。

「あたくし、魔術の探究のためにこの学園に参ったものですから…
それらに関することでお力になれるようでしたら、何よりですわ」

例の言葉に対しては、そう言って、華やいだ微笑を浮かべる。
ぎこちないなりに丁寧な礼を嘲ることはしない程度の品位も、保ちながら。

「これらの本ですか?特に予定は決まってはおりませんけれど…延長手続きの予定はございませんから、貸出予約をなさると確実かと存じますわ」

クローデットは、少女の目的とする本以外にも、何冊か本を借りているようだ。
それでも特に長く読むつもりはないようで、わざわざ貸出予約の薦めまでしてくる。

十六夜棗 > 「そもそも、この分野に興味だけなら持つ人は潜在的にはかなり多いと思いますよ。
行動を伴う人物にしてもそれなりにいるでしょうね。」

そして、恐らく魔術構成の緻密さ、難易度、そして社会や世間からの目を気にしてそこで多かった人物の大半が止まるのだろう。

「ええ、他の魔術においても思案に入れる必要はありますが、この分野に関しては、その比率が大きいでしょうから。」

求めている利用目的についてを考えれば、その点は必然的に考えなければならなくなる。
社会的な観点で認められた使用方法を知っておく事は、とても重要な事だ。
彼女とは別の意味で、自分は目の前の女性に気を止める事にした。

「ええ、探求と言う道は、孤独になりやすい物ですけれど、そう言って下さる事に感謝します。」

これについては、ほぼ社交辞令のやり取りだろうと認識している。
探求とは、本当に孤独になるものだろうし。
お互い解っていながら言っていると、見ていいだろう、と。
そういった意味での、微笑みを浮かべて。

「そう、ですか、それならば貸し出し許可を取りに行く時に、予約もしてこようと思います。
それでは、また、…授業で。」

ゆっくりと礼をして、最後の最後、同じ授業を受けている事を思い出して、付け加え、1冊の本を抱えて、受付へと向かって行った。
その時に幾つかの本の予約の手続きもして。

ご案内:「図書館」から十六夜棗さんが去りました。
クローデット > 「…深い業を抱える者には甘美な技術であるのは、確かでしょうね」

クローデットは目の前の少女ほど「行動を伴う」ことがあり得ると考えていないが…そこは本題ではない。
重要なのは、この手の欲求は大なり小なり人は抱えてしまうものであり…そこに甘美な夢を見てしまう者も多い、ということだ。
…無論、それを「魔術」によって実現出来るかは別だが。

「どのような技術も、知識も、「どう使うか」が一番肝要なのは変わりありませんものね。
…この分野の魔術を安易に使うことは、他よりも大きな反感を呼び込んでしまうでしょうし、倫理的にも許されないでしょうね」

そう言って、どこか意味有りげに微笑んで唇の前に人差し指を立てる。
まるで、その魔術を「安易に使ってはいけない」と、印象づけようとするかのように。

「あら、探究は人類共同の、壮大にして人の人たる所以の営みですわ。
あたくしがあなたにささやかな助力をするように…あたくしがあなたに力づけられることもあるでしょう」

(…もっとも、後者はそうそうあるとは思えませんが)

最後の言葉は表情でもおくびにも出さず、品良く笑んで、柔らかく頷いた。
まるで、目の前の少女を力づけようとするかのように。

「あら…それではあたくしも貸出手続きを急がなければなりませんわね。
ええ、また授業で」

少女に別れの言葉を返すと、ほぼ同時に、別の貸出カウンターに向かう。
何とか手続き上の齟齬なく本を借りることが出来、クローデットはそのまま図書館を後にしたのだった。

ご案内:「図書館」からクローデットさんが去りました。
ご案内:「図書館」に真乃真さんが現れました。
真乃真 > 前の机には幾つかの本がおいてある。そのどれもが魔術に関する基礎の本ばかり
どれも三年から読み始めるには遅すぎるものである。

「なるほど…!分かった気がする…。」

彼が読んでいたのは『馬鹿でも使える魔法』というタイトルの本。
これは、それらの本とは違い秘匿されていた魔術が世に溢れたことによる危険と弊害が書かれた大変容の数年後に書かれた本であり
決して頭がよくない人に向けて書かれた魔術の入門書などではない。
そして、もちろんこの男子生徒が求めているのは頭がよくない人に向けて書かれた魔術の入門書であった。

真乃真 > 人の魔術の術式を拝借すれば一定の魔力を持つ人なら簡単に魔術を行使できてしまう!とか
今ではスマートフォンさえ使えれば簡単に魔術式の構成など調べられる!とか
そのような方法で調べた式が不完全だった時のリスクの大きさ!とか

そんな具合に魔術を一般人に漏らすべきでは無かったことが恨みでもあるかのように書きつづられ
異世界、常世財団、異邦人、ゲート、異能、そしてまた常世財団に対する私怨のような文章が続く。
つまり簡単に言うと『素人とか精神的に未熟な奴が魔術使うな!ちゃんとした師匠につけ!あと、常世財団滅びろ!!』
そんな内容の本であった。

「…つまり、スマホで調べた方が早いってことだな!」

…馬鹿がいた。

真乃真 > やはり、こんな時に頼りになるのはスマホとグーグ○先生である。

「簡単…魔術…。検索!」

今夜の晩御飯のレシピを見るような手軽さで魔術の情報が集まっていく。

「なるほど、なるほどふむふむ。」

色々な魔術があって目移りしてしまうがどれもこれも戦闘に向いていない。
やはり、スマホで分かる情報なんてこの程度なのか…。

料理のレシピであれば異世界のものでさえ探し当ててしまうのに…。

真乃真 > …三時間後

「やっぱり、本を読むのは大事だよね!!」

目の前に積まれた初心者向けの魔術の基礎本を斜めに走り読み。
大量の魔術についての記述を飛ばし読んだ。
当然その中に大がかりなものや凄く危険なものはなかったが面白そうなものはあった。
発動の度に複雑な魔法円を描く必要があるのが難点であるが先に準備さえしておけば…。

「さあ、後は試すだけだ!」

一冊の本を借りて意気揚々と帰って行った。

ご案内:「図書館」から真乃真さんが去りました。