2016/05/28 のログ
ご案内:「図書館」に朝宮 小春さんが現れました。
■朝宮 小春 > 彼女の家系は科学者の家系。生物学の見地から異能を解析し、何かしらの違いを見つけることに誠心誠意を捧げてきた家系である。
ここでこうして教職についている彼女とて、また例外ではなく。
「………うー、ん………」
辞書片手に論文を眺めながら、唸る。
語学については優良な点数こそ取っていたが、だからと言って専門的論文を苦も無く読めるわけもない。
世界各国、様々な言語で書かれた論文を読み解くのも苦労するものだ。
「……んー…………。」
次第にうつらうつらしてくるのも仕方ないわけで。
仕事終わりの趣味の時間ではあるのだけれど、こっくりこっくり。
ご案内:「図書館」に四季夢子さんが現れました。
■四季夢子 > 俗に慣れない事はするものではない。なぁんて言葉があるけれど、
これは普段の枠組みから外れる事で普段ならざりき事柄に遭ったり、或いは逢ったりする事を指す。
古人の言は古くからあるだけあって、五月も間際の逢魔が時に、すっかりと五月病紛いから快復した私が図書館に訪うなんてことをすれば……
「あらー……。」
……――寝ている顔見知りの先生。なんて珍しい状況に遇いもする。
そのまま近付き、机の上に置かれた様々な外国の本を手に取り頁を開いてみるけれど、
生憎と何が書いてあるのかさっぱり判らず直ぐに閉じた。
目線を先生に戻すと、開き放しの辞書を抱えるようにして寝ている事に気付き、
何か調べ物でもしていたのだろうと察しが付く。
「…………。」
親切な私は当然、ええ、当然朝宮先生を起こして差し上げるわけ。
肩を叩いたり、肩を揺さぶったり、それでも起きなければ脇腹をつついたり。
で、起きそうになったら後ろに回って息を止め、存在を希釈し世界に溶けて様子を覗うの。
■朝宮 小春 > すぅすぅ、すやすや。
結局健康的に寝息を立てながら頭を垂れさせる女教師。
赴任してきて結構経つが、こういうところは治らない。
あ、仕事中はちゃんと起きていますよ。
「……んぅ……」
肩を叩かれ、揺すられ。それでもごもご言いながら眠りの中へ。
なかなか起きないまま、怒られる夢を見る。
お前真面目が取り柄なんだから、しっかりしなさいよ、なんて言われたところで脇腹をつんつん突かれて。
「ふぁ…っ! ごめんなさぃ…っ!」
びっくん、と飛び起きて…………ようやく、自分が寝ていたことに気がつく。
きょろきょろと周囲を見回すも誰もいなくて、あれぇ……、と首を捻り。
「………ちょっとだけうつらうつらしてしまったかしら。」
目を閉じてぎゅっと指で押さえてそんなことを言う。 ぐっすりでしたやん、とか言ってはいけない。
■四季夢子 > がたごん、と飛び起きる朝宮先生の背後で本棚が揺れる音がした。
それは透明になった私が、飛び起きた先生に驚いた拍子に棚に激突した音。
後頭部をぶつけてちょっと痛い。
「………いやすんごい熟睡してましたけど。」
おお痛い、と頭を擦っていたら長閑で太平楽で与太郎な感じの声がするものだから、
私と来たらついつい言葉でもつついてしまって、しまったと口を押さえて息を飲む。
姿は以前として透明のままだけど、声でバレてしまったかも。
■朝宮 小春 > ………
聞こえてきた声を聞き逃すほどに、彼女は頭が春色なわけではない。
はっ、と何かに気がつけば背後を振り向いて。
どこにも見えない相手だけれど、それでも。
「てい。」
すかり、とチョップが空を切った。
むむむ、と不満そうな顔をして…………何か思いついたように。
「先生を驚かすとはいい度胸です。あと5秒以内に出てこなかったら、次はこれだから。」
ずっしりと重い辞典を手に、てや、っと振り下ろすフリをする。
■四季夢子 > 私の間際を掠める手刀は触れる髪先が摩擦で焦げ、その匂いをもって私に恐ろしさを知らしめる程の速度を――
「うわっ、凶器攻撃!じ、冗談ですってば先生。生徒のほんの可愛い冗談……あんまり良く眠っているものだから。」
……なんて事は全く無い緩やかな代物だったのだけど、その次に朝宮先生が先程まで枕にしていた大きな革張りの辞書を持ち出すならば、
流石の私も観念をし、姿を現し大きく深呼吸をして足りない酸素を取り込むわ。うーん、此処はちょっと黴臭いかも。
「でも一寸得をしたかも。居眠りをする先生を視るなんて箔切れを聴くようなものだわ?ともあれ今晩和、先生。調べ物ですか?」
白いハンカチを振りながら降伏の意を示し、ポケットから素早く苺味の飴玉を取り出し先生に握らせ、すかさず机上に散らばる幾多の書籍に話題を転がそうと試みましょっと。
■朝宮 小春 > ………やっぱり。
姿を表した可愛い生徒を前にすれば、はぁ、と溜息をついてしまう。
まあ、隙を見せてしまったこちらが悪いといえば悪いのだけれど。
「………無しにしてあげるから、寝ていたことも無しにしましょう。」
なんて、澄ました顔で言い放って………ぺろ、と舌を出して笑って見せて。
誤魔化しに乗って、自分が寝ていたことも一緒になって流してしまおうという算段なのだから、相手の話題にも素直に乗る。
「………そうね、ああいや、次のテストとか教えることとか、そういうものとは無関係の趣味みたいなものよ。
難しい物やっているでしょう?」
ほらほら、尊敬してもいいのよ、なんて言外に言いながらえっへんとしてしまう。
■四季夢子 > 「はいはーい司法取引って言うんでしたっけこういうの。」
猫みたいにころんと表情を綻ばせて取引を成立させる私だけれど、
朝宮先生の次の言葉には眉根を寄せて、また実際に机上の適当な本を取り上げて頁を捲ってみた。
しかし英語ですらない文字で何一つ判らない。
「先生の趣味って難解ね……これ、何処の本です?多分異世界とかじゃなくてこっちの本ですよね。
あ、もしかして魔術書とかそういう奴ですか?そうなら奇遇だわ、私も一寸こう、そういうのを調べてたんです。」
朝宮先生にそんな趣味があったなんて知りませんでしたー、等々明々の黄色い声を上げ、ちょっぴり幇間の真似事をする。
何か聴ければ得にも遇うというものだもの。
■朝宮 小春 > 「いいえ? 特に何も無かったじゃない。」
なーんて、素知らぬ顔で一度言いながら、片目を閉じてみせる先生。
寝起きだけれど、すっかり目が覚めつつ。
「………ふふ、逆っていうと変だけれど、逆かもね。
私の専門の……ほら、生物関連での論文、って言えばいいかしら。
ほとんど英語なんだけれど、そうじゃないものがいくつかあってね。」
………ま、これは後日ね、といいながら論文を仕舞いこみつつ……
「……魔術書を調べていたの?」
はて、と首を傾げて、ワンテンポ遅れて不思議そうな声。