2016/06/09 のログ
ご案内:「図書館」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 放課後。
授業を終えた蘭は、図書館に足を運んだ。
商店街の楽器店の楽譜の品揃えを確認する前に、ちょっとだけ勉強をしていくつもりなのだ。
■美澄 蘭 > 本にも興味はあるが、今日は図書館であまりゆっくりもしていられない。
蘭はまっすぐ自習スペースに行き、適当な通路沿いの机にブリーフケースを置き、陣取った。
(…今日は、英語の予習と…数学の宿題を少し進めればいいかしらね。時間あんまりないし)
まずは英語の電子辞書と英語のテキスト、それから英語の講義用のノートをブリーフケースから取り出した。
■美澄 蘭 > 蘭が履修している英語の講義は、「近年の英語の新聞に掲載されたコラムの講読」で、長文読解力を鍛えながら近年の社会問題などの知識も得る、といった趣旨だ。
なので、テキストも内容としては「コラムの詰め合わせ」に、注意すべき単語が端に記載されたような体裁になっている。
論文を読むわけではないので文章の難易度はそこまででもなく(あくまで蘭基準である。高卒程度の文法知識は普通に要求される)、新出単語や分からない語句の意味や、引っかかる構造の文章の確認だけしておけば割と何とかなる。
だから、こういう隙間時間の勉強に英語の予習・復習は丁度良いのである。
(…今回のお題は…「『異邦人とどう向き合うか』の考えの違いが招く社会の断絶」か…)
ぽちぽちと、電子辞書を操作し始める。
■美澄 蘭 > 文章の要約としては、
『この世界の人類の歴史は様々な争いと融和、そして断絶と包摂の繰り返しだった。
そうして、禍根を残しながらも、世界は概ね融和と包摂の方向にゆっくりと進行していた。
しかし、《大変容》による異邦人の来訪は、新たな問題を人々に突きつけた。
異邦人は、この世界の人類の歩みを共有しないためだ。
コストをかけて共有を測り、包摂するのか。あるいは権力を以て排斥するのか。
意見の相違が、先住の人類間にすら深い断絶をもたらそうとしている』
というところだろうか。
辞書を確認しながら、蘭は文章を読み進めていく。
■美澄 蘭 > (コストをかけて包摂する試みの1つがここ、よね)
父や祖父は、既存の法律の枠組み的な意味での包摂の可能性を追求する理論と実践の試みの中にいる。
目指す方向はこの学園…ひいては財団と表向きは変わらない。
………祖父に言わせると、常世財団は「胡散臭い」らしいが。
そんなこんなしているうちに、大体次の授業で進む分の文章はチェックし終えた。
「…よし、終わり」
そう言って机の上を整理すると、英語の勉強道具と入れ替えに魔術数学のテキストと講義用ノートと参考書、そして課題のプリントをブリーフケースから取り出す。
■美澄 蘭 > 早速、課題の開始だ。
黙々と、かりかりと課題を進めていく。
時折、テキストや参考書を確認して、解き方や作図の仕方を確認している。
外見は高校生相応に幼さを残す蘭だが、先ほどから取り組んでいる勉強の内容はその外見年齢からするとやや大人びているように感じられるかもしれない。
■美澄 蘭 > そうして、30分ほど経っただろうか。
「………今は、この位で良いわね」
一区切りついたらしく、蘭が勉強道具を片付け始める。
普段ならもう1時間くらい粘れるのだが、今日は行きたい場所もあるのだ。
■美澄 蘭 > そうして、勉強道具を片付け終えた蘭は、商店街、学生通り方面に向かうのだった。
…知人の楽譜選びに、最も適した店を探すために。
ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。