2016/07/25 のログ
ご案内:「図書館」に加賀智 成臣さんが現れました。
■加賀智 成臣 > 「…………………。」
図書館で、カウンターに頬杖をつく男子生徒が一人。図書委員のようだ。
その目の下にはクマ、髪はボサボサで、しかも顔は真っ青を通り越して軽く土気色。
とても、図書室にいて空気が明るくなる類の人物ではない。
その男子生徒は、誰も居ない図書館でダルそうに頬杖をついて、窓の外の空を眺めていた。
「土に還りたいなぁ……」
何やら妙な独り言をつぶやきながら。
■加賀智 成臣 > 「………。」
ふらりと立ち上がると、近くの本棚へ向かう。
その動きは今にも足をもつれさせて転びそうなほどフラフラで、病人の動きを見ているかのようだ。
そして乱雑に並べられていた本を引き抜いては、きちんとした向きと並びに整えて、棚に戻す……
「あぁ……」
予定だったのかもしれないが、手元がおぼつかないのか時々本を取り落としては慌てて拾っている。
誰もいない静かな図書館に、男子生徒の暗い声とバサバサという音が響いていた。
■加賀智 成臣 > そして、一つの棚を綺麗に整え終わると、またカウンターへ戻る。
相変わらず、図書館は静かだ。物音1つ聞こえない。
「………。」
外を見て、ため息を付いた。
窓に映る空は嫌味なほど青く、眩しい。死にたくなるには十分な天気だ。
……雨の日も雪の日もいつでも死にたいには変わりないが。
「はぁ……げほ、ごほ……」
大きくため息を吐けば、本の整理で舞った埃が喉を刺激し、咳が出た。
そして、カウンターに崩れるように突っ伏す。
ご案内:「図書館」に真乃 真さんが現れました。
■真乃 真 > 「本が返したいんだけど大丈夫かい!?」
図書室の静寂を打ち破る一人の男。
屋内であるにも関わらず首には異様に長いタオルをはためかせた男。
「僕が返したいのはこの三冊さ!」
抱えていた本は異世界の文化に関する本で内容は比較的簡単でわかりやすい物。
余り厚くない本である。
「…それにしても君…具合悪そうだけど大丈夫かい?
顔色も悪いし、咳もしてただろう?」
■加賀智 成臣 > 「………。あ、はい。」
少しうとうとしていたところを劈く声に少し不機嫌になりつつも、応対しないわけにもいかない。
こんなクソ暑い中翼タオルなんか首に巻いてられるな、などと思いつつ。
「えー、はい…真乃さん、ですね。ありがとうございます。
そちらの2冊は『い-135』まで返却お願いします、ハイ。残りの1冊は修繕が入ってるのでこちらでお引き受けします。」
かりかりと返却名簿に名前を記入する。
画数が少なくて書くのが楽だ、いい名前だな、と思った。失礼な男である。
「あーハイ、大丈夫ですよ。死にゃしないんで。
病弱なのはいつものことでして。」
そう言って、乾ききった愛想笑いを浮かべて頭をボリボリと掻いた。
■真乃 真 > 「なるほど、『い-135』か!分かった!」
確かとって来た時も同じ棚に置かれていた!置かれていたはずだ!!
ちなみに修繕入ってる本は真が壊したのではない!前からだ!
「良い名前だろう?書きやすいし!言いやすいし!」
返却名簿に書き込まれる自分の名前を見て自信ありげにそう言う。
うん、文字としてみたら更に良い名前なき気がしてきた。
「そうかい?でもちょっとした病気がきっかけで大病にかかったりするからね!
病弱って分かってるんだったら特に気を付けないとだよね!」
そう、この時期は暑いから体が弱いとかなら気を付けないと!
■加賀智 成臣 > 「……ええ、ハイ。えー、できればついでに声のボリュームをもう少し下げてもらえれば。
図書館ですからねここ。ええ、はい。」
気だるげに目線を上げて、返却名簿をぱたんと閉じる。
「……えー、そうですね。羨ましいですね。」
生返事を返し、心のなかで舌打ちする。こっちは自分の名前が嫌いでしょうがないのに。
昔から線の細さで女子と間違われ、小中高とそれをネタに虐められてきた。思い出しただけで死にたくなる。
「あー、お気遣いどうも……げほ。…はぁ。気を付けても付けなくても大体同じだから大丈夫ですって。
ああそうそう、病に関する研究書はあちらですよ。」
頭を押さえて、ガンガンと響く痛みをなんとか鎮めようとする。が、あまり効果はなさそうだ。
■真乃 真 > 「…おっとそうだったね。気を付けないと。」
声のボリュームを一気に下げる。
以前も声の大きさを注意されているのだ…
「そうだろう!?いやあ、君は良い人だね!」
先ほど抑えた声のボリュームがまた少し上がる。
「そうかい?それでも、少しくらいは変わるんじゃあないかな?
ほら病は気からとか良く言うだろう!?」
そう、心がければ何かは変わるに違いない!
心がけて動かないよりは違うはずである!
「おっと、それは僕に病に関する研究をして自分の病気を治してほしいという事かい?
それは…難しいな!なんせ僕はあまり頭が良い方ではないからね!
だから、早めに保健室なり病院なり行った方がいいと思うよ。」
頭を押さえる様子を見れば再度、声のボリュームを抑えて心配そうな表情で話す。
■加賀智 成臣 > 「ええ、そのボリュームで……
……お願いしたかったんですけどね。」
駄目だ、この人種は多分話してると勝手に大きくなるタイプだ。
参ったなとでも言いたそうに頭を揺さぶる。
「……へへ。気を付けて何でもなんとかなるもんじゃありませんよ。
全部気構えでなんとかなるなら僕は……」
今頃ここには居ませんし。
今頃墓の下で静かになってますし。
そう言いかけたが、別に言う必要もなさそうだったので言わないでおいた。
「……ああハイ、お気遣いありがとうございます。まあ、ええ、大丈夫ですから。そういう事で。
なにか借りたい本はございますかー…?」
皮肉も通じない。一番苦手な手合だ。
通常業務の流れに戻そうと、少しぶっきらぼうに話を切り上げる。印象が悪いだろうが、こういう性格だった。
■真乃 真 > 「ごめん!わざと大きくしてる訳じゃないん…ないんだ。」
またも声が大きくなってしまっていた…。
こういうところは良くないと思う!
「…そうだよねごめん。無責任な事言ったね。」
きっと、彼も治ろうと努力してきたに違いないのだ!
病を克服しようとしていたに違いない!それなのに何も知らないやつに色々言われれば不快な気持ちにもなるだろう。
そんな事を勝手に考える
「………特にないな!何かお勧めはあるかい?」
考えてみたけれども今すぐ借りたい本などは無い。
だけど長い夏季休暇折角だし本の一冊二冊読みたい気持ちもある!
そう!図書委員本のプロが目の前にいるのだ意見を聞くのも悪くないだろう。
■加賀智 成臣 > 「あーハイ、分かっていただけたなら幸いで。はい。」
頭を振って、蔵書名簿を取り出す。
それを捲りながら、言葉を返していく。
「良いんですよ、人間なんて自分以外には無責任なもんですから……。
自分の一挙手一投足で他人の人生を滅茶苦茶にするかもしれない、責任は持たなくちゃ……
なんてこと考えてたら『生きていけません』よ。」
そう、どうせ人間など自分の行動に責任を持つなんてそうそう出来ない生物だ。
せいぜい『責任を負わないよう立ちまわる』くらいだろう。人間の決意なんてそんなものだ。
……などということを考えていたら死にたくなったため、思考を切った。
「……あー、ええ、と。……こんなのとかどうでしょうね。」
カウンターの下から、目についた蔵書を取り出す。
それは、夏の海で起こった殺人事件を題材にしたミステリー小説だった。結構分厚い。
異能が一般化した今、ミステリー小説の殺人など陳腐なトリックに見えるが……それでもコアなファンは多いものだ。
■真乃 真 > 「僕は頭が良くない方だからね。自分のやった全部の事の責任とか考えてたら
確かに生きられないだろうな…。」
人を助ける事は責任ではないし。
助けたからといってそれ以降も真の責任ではない。
もし、それらを全て自らの責任とするのならきっと真は重くて動けなくなる。
そうして何も助けられなくなって真乃真は終わる。
「見た感じ、ミステリーだね。いいね!嫌いじゃあないよ!」
これなら、しばらく持ちそうな気がする。
ミステリーなら読みやすそうだし。
「それじゃあ今日はこれを借りて行こう!」