2016/08/11 のログ
■滝川 浩一 > 「………」
ポカーンと口を開け、光が消えていく様を見る。
すごい、何てすごいんだ。
流石異邦人の技術力というべきか、完全に俺の理解の範疇を超えていた。
物体を空間に投影するなど、SFファンタジー作品でなければどだい無理な所業だと思っていたが…
今、目の前にファンタジーが現実になった。
この光景は恐らく、田舎に留まることを選択した世界線の俺ならば一生テレビ画面の向こう側の景色だったであろう。
素晴らしい、都会に来て、学園都市に来て本当によかった。
そう感動しつつ、目をウルウルさせるとそれを拭う。
そして自分の当初の目的を思い出す。
「…すごい、キューブですね。異邦人の技術というのは…自分の想像をはるかに凌駕してました。
っと、すいません。自分の名前は滝川 浩一。2年生です。つい最近ここに来たのですが…お名前、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
■那岐夜車丸汀 > 投影して何だったか 投影型PCキーボードはキーボードだけだったら使える。
ただPCの画面は平坦な為、異能を使ったとしても平面しか探知しないのでどうやったとしても、女は使用が難しい。
自分用というか自分以外用が正しいとさえ思ってきている。
充分使えると思…思い出した 魔力を込めると 赤く全体が光り、
中空を浮かんで自由自在に浮遊するんだった。飛ぶスピードも普通から高速まで出来るという具合。
ただその面はどこだったか 思い出せそうにない。
「異邦人の技術も 高い人もいれば低い人もおり、
異邦人が何処から来たかによって その文明能力も違うのです。
…滝川様。 名前…。私は此方では 那岐夜車丸汀と名乗っております。
学年は一年としております。 以後宜しゅう。」
キューブ(?)を袋へとしまいこみ、その袋の入り口をしっかりと結べば、
その袋を 帯にきゅっきゅっと結んで下げてみた。
■滝川 浩一 > 「い、一年…ですか」
汀の発言を聞き、驚いたようにそう復唱する。
今まで会ってきたのが年上の女性ばかりだったからか、自然と目の前の女性を年上と勘違いしていたようだ。
いや、異邦人だから学年が下だからと言って年齢も自分より若いとは限らないのだが…
ともかく、始めての後輩に遭遇し、少しうれしい気持ちになる。
「浩一でいいですよ!あと敬語も使わなくていいですよ!…あと、汀さん…つかぬことをお聞きしたいのですが…」
敬語を使わなくてもいいと言ってる自分が敬語を使ってる。
そんな矛盾には気づかず、ラフに接しつつ本題へと入っていく。
「この学園都市にて…危険な場所、立ち入ってはいけない場所など、ご存知でしたら教えてください」
■那岐夜車丸汀 > 「ええ、一年ですね。」
外見は10代の筈。そう振る舞っているのだ。外見は若いのだが中身は違う。
年齢は数えていないし もう数えるのをやめて、―人の轍から外れてしまったので敢えて数えていないだけ。
異邦人は総じてでもないが 外身らと中身が釣り合っていないかずれているかがいたりする。
この少女の場合 釣り合っていない方。
「…私から敬語を取ると何も残りません。敬語は無意識ですので直しようがありません。
申し訳ございませんが諦めて下さい。 え、はい。
危険な場所ですか、 街に近い処ですと、落第街、スラム地区、路地裏、違法部活群辺り。
郊外ですと、青垣山、転移荒野、海底遺跡辺りが危険な場所になるかと。
立ち入りが余り推奨されないのは 個人的な感想になりますが、落第街辺りと、研究施設辺りでしょうか。
ただ、これらは総じて その身を一人前に守り切れる技量若しくは経験と対処できる精神力が備わって居りましたら、
特段 危険で立ち入りが推奨されない場所に足を踏み込む事も可能で御座います。
その際は ほぼ 自己責任の名のもとに行動をして下さいね。」
あとは…確か。
一応いうだけ言っておこう。
「風紀委員や公安委員等に 所属されますと 己の技量と経験にもよりますが、
危険及びそれに準ずる 一般生徒立ち入りが非推奨な場所にも警邏及び立ち入りは可能な模様です。
ようは 一人でその場所には赴かない方がよろしいかと。」
これくらいでよろしいでしょうか? ちろりと一瞬視線がそれた また戻った。
■滝川 浩一 > 「あ、は…はぁ…へぇ~…」
敬語を直せないということと汀の懇切丁寧な説明に少し気圧されつつ、そう声を挙げる。
落第街、スラム地区、路地裏、違法部活群…そして郊外に青垣山、転移荒野、海底遺跡…っと
ちょっと待って、多くね?風紀委員のお姉さんの話、まるっきり嘘じゃん!治安いいんじゃないの!?
そして、汀の最後の言葉が引っ掛かった。
風紀委員に所属…そうだ。俺はまだ委員会も部活も決めてない。言うなれば無個性な一般大衆だ。
無個性が嫌いなわけじゃないが…せっかく、俺も相応の「異能」があるなら、それを活用しようじゃないか。
「あ、あの…風紀委員って俺でも成れますか?」
目の前にたたずむ、優雅な女性にそう問いかける。
■那岐夜車丸汀 > 場所は確か総じて簡単にまとめれば 落第街とスラム地区は近く、
郊外に広がるのは 青垣山…あの山は近づけば違和感しかない。
転移荒野は何もない荒れ地だが 有体いえば門が開けば 魔物が出るので
門が現れれば別だが 普段の訓練には実戦兼ねた訓練ができる絶好の場所。
海底遺跡は 海の底であるので 潜るなりなんなりしないと近づけやしない。
それに普段は立ち入りが厳しく制限されて居る筈。
「なれますが…。
風紀委員は 事務から実戦まで幅広く人が居ります。
内勤や外回り、仕事は豊富に御座います。かくいう私も風紀委員。
…刑事課を除きまして 風紀委員はほぼ赤い制服というのが義務で御座いますので…
この辺のお話は 委員に入られた際に説明されると存じます。
さて、 私は是にて お暇を致しますがお許しくださいまし」
それでは 失礼致します、と会釈をした後 当初の目的たることは忘れ、
受付に寄った後 何処からか取り出した本の返却手続きを取り 終わると颯爽と図書館を後にしたという。
ご案内:「図書館」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
■滝川 浩一 > 「はい…また、どこかで」
赤い制服…あのお姉さんが来ていたのは風紀委員の制服だったか。
納得の問題解決に胸を撫でおろすと、同時に胸の中に熱い何かが沸き上がる。
風紀委員会。それに入ろうと決意する滝川 浩一という少年。
学もなく、力もなく、特筆すべき能力もない彼が手に入れた唯一の力。
「異能」を活用できる唯一の場所かもしれない。
俺はこの権能を使って、学園生活を送りたい。
滝川 浩一が持った学園都市にて手に入れた、初めての目標だ。
そして少年は歩き出す。
ご案内:「図書館」から滝川 浩一さんが去りました。