2017/02/15 のログ
ご案内:「休憩室」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 「はぁ…」
バレンタイン翌日の、放課後。
蘭は図書館に足を運んだは良いものの、自習スペースや書架には向かわず、休憩室の椅子に、疲れたように座り込んだ。
結局、バレンタインの日は帰ってからしばらく泣き通しで、生活リズムもめちゃめちゃになってしまった。
身体を引きずるようにして何とか講義には出たものの…今日試験があった科目は散々な結果だろう。
(…何で、バレンタインみたいなイベントの近くに期末がくるのかしら)
気分が沈むやら、腹立たしいやら。
それでも、後者が八つ当たりなのは頭ではしっかり認識していて。
「………。」
蘭は、重い…重いため息を吐いた。
■美澄 蘭 > いっそ、突き放しきってくれれば、心構えさえしきれれば何とかなる…と思うのに(自信は無いが)。
感謝をされて。
でも、その気持ちを持つことは諌められて。
挙げ句の果てに、「信用するな」である。
変な突き放され方をして…ショックだったのはもちろんだったが、相手の卑屈な言い回しに、変な憤りまで襲ってくる始末だった。
(どうしろっていうのよ?)
椅子の上で、少しむくれて頰杖をつく。
感情がぐるぐると強烈に渦を巻いて、生活リズムも乱れて。
これで通常通りに講義に出ろとか、平常心で試験に臨めとか、無理だ。
■美澄 蘭 > 蘭は、頼の「ウソツキ」という自称を、あまり重く見ていない。
…というのも、彼の言動から「蘭を自分に都合のいい方向に動かそう」という空気を感じ取ったことがほとんどないからだ。
(本当は私のことを嫌ってるとか、馬鹿にしてるとかがあったとしても…
それを覆い隠してあそこまで礼儀と親しみやすさで固められるなら、逆に凄くない?
私、全然出来る気しないんだけど)
だから、尊敬しているのだけれど。
(…「自分みたいになるな」なんて、何のつもりで言ったのかしら?)
ぷすー、と、むくれた頬から空気を吐き出す。
■美澄 蘭 > むくれた頬が一旦リセットされると、自販機の方へ。
レモン系のホット飲料を購入して、座っていた椅子へ戻る。
飲み物を両手で包み込むように持ち、ふー、と息を吹きかけてから口を付ける。
思い出すのは、自分を心配してくれる顔だったり、どこか不安を抱えたような陰りだったり…「尊敬している」という想いを伝えた後に見せた、悲しげな顔だったり。
そういった表情の後に彼が見せるいつもの表情は、どこか空虚で…その覆い隠し方をもってして彼が自らを「ウソツキ」と呼ばわるのならば、全く分からないではないが…
(…それこそ、私が信頼されてないわけよね。
全部、誤魔化されちゃってるわけだから)
飲み物から少し口を離して、また溜息を1つ。
■美澄 蘭 > だから、「敵わない」と思うのだ。
だからこそ…「対等になれる人間になりたい」と思うのだ。寄りかかるだけの関係でなくするために。
けれど…
(…やっぱり、迷惑かしら…)
飲み物を膝の上あたりまで下ろし、視線を床まで落として、深い…深い息を吐く。
■美澄 蘭 > (…お礼は、してくれるって言ってたけど…)
ああいう突き放し方をしておいて、相手は面と向かってお返しをしてくれるだろうか。
…してくれたとして、自分は正面から話が出来るだろうか。
「ウソツキ」と自称した真意を尋ねたり…「対等でありたい」という気持ちを打ち明けたりすることが。
「………。」
蘭は、両手で包み込んだ飲み物に黙って視線を向けていた。
■美澄 蘭 > (………もう少し、色々落ち着いてから考えましょう)
飲み物の残りを飲み干し、椅子から立ち上がる。
飲み物の空いた容器をゴミ箱に押し込み、ブリーフケースを携えて、蘭は図書館を後にした。
(気分転換には…身体を動かす方が良いかしらね。
…久々に、ピアノを弾き込みましょうか。今のままじゃ勉強に集中出来る気はしないし、頭の中に色々楽譜は入ってるし)
そんなことを、考えながら。
ご案内:「休憩室」から美澄 蘭さんが去りました。