2017/03/18 のログ
ご案内:「図書館」にセシルさんが現れました。
■セシル > 午後。
自習スペースで本を読んでいたセシルが立ち上がると、まっすぐ返却カウンターに向かう。
「ありがとうございました」
落ち着いたアルトでそう言って、読んでいた本を差し出した。
割と貸出期限ギリギリまで格闘していた、魔術学入門だ。
内容の理解度はともかく、半ば無理矢理読み通したらしい。
■セシル > 返却を受け付けてもらうと、今度は魔術関係の書架に向かう。
「魔術学というもの」を一般論的に考えるのに向いていないのを痛感したセシルは、防御魔術それ自体の入門書がないかと、書架の間の通路を歩く。
小分類の、防御系の見出しを探して…
「あ、あった」
やや覚束ない足取りながら、辿り着いた。
■セシル > ここから先は、手間と時間をかけるしかない。
目次だけではその難易度や自分との相性を判断出来ないセシルは、前書きだけではなく、本文冒頭くらいまで確認しないと安心出来ない。
一応、前書きの段階で文章が合わないと感じればさっと閉じて次の検討を始めるのだが…
「………これは、もしかしたらいけるかもしれんが…
もう少し、易しいものがあれば…」
入門らしいタイトルのものを抜いて、自分が抱いた感覚を記憶しながら確認して、読み進めていき…ということをやっているので、かなりの間防御魔術のコーナーの前で立ち読みをする格好になっている。
…誰か、的確にアドバイスが出来る人がいれば良いのだが。
ご案内:「図書館」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 「よっこいせ…」
図書館の奥から現れた月香。
5、6冊積み上げた本を抱え上げている。
そのどれもが異世界に関しての事が記述された本で、中にはかなり高度な魔術が記載された魔術書もある。
(まだまだ諦めぬぞ私は…!
少しでも転生した覚えのある世界を探しだし、懐かしの絶品フードを食すのだ!!)
…醜い野望であった。
しかし、にやにやする半ば、立ち読みする生徒に気付かず、肩をぶつけてしまえば、
「わっ…と、すみません!」
ぐらつくタワーを何とか立て直し、慌てて謝るだろうか。
■セシル > 「…おっと!」
本に集中していて、やや小柄なその少女の接近に気付かなかった。
身体の軽くぶつかる感触とともに、相手があげる軽めの悲鳴に、本のタワーを支えるつもりかのように手を伸ばす。
幸い、タワーが決壊することはなかった。
「…いや、こちらこそすまん。
大丈夫か?」
そう、今読んでいた本を一旦閉じて、気遣わしげな真剣な表情を少女に向けた。
■和元月香 > 「大丈夫です…ありがとうござい…ま…す…」
タワーの無事にほっと息を吐いた月香は、
聞こえてきた声ににっと愛想のある笑みを向けるために、相手に視線を移し……。
ぴしりと固まった。
(な、なんかわかんないけど王子様がイルー)
だらだらと変な汗が出る。
…いや、この学園には美形が少なくないとは聞いていたが。
なんというか、オーラがバリバリ王子様だ。
真っ直ぐ向けられる眼差しに胸は打たれずとも、なんだか…とても眩しい。
これではいけないと、現実逃避のように慌ててその男子…生徒が読んでいた本の表紙に目を向けた。
「……?」
(初心者的な…うーんと、魔術苦手なのかね…?)
何だか意外に感じたが、じっと見るに留めておく。
■セシル > 「………そうか、ならば良かった」
女生徒が、目の前の彼女のような固まり方をするのは珍しい。
それでも、間違いなく「誤解」のせいだろうなぁと思い至るセシルは、柔らかいアルト…素の声で、苦笑い混じりながらも穏やかな口調でそう伝えた。
作った声よりは明確に女性寄りのはずだが…。
…と、目の前の女生徒が自分の立ち読みしていた本に目を向けているのを見て。
「…ああ、職務のために出来ることを増やそうと思っているんだが…
不慣れな分野の魔術は、どうにもな。魔法剣と、元素魔術以外はほとんど心得がないものだから」
そう説明して、少しだけ情けない笑みを零した。