2017/05/09 のログ
ご案内:「図書館」にヨキさんが現れました。
ヨキ > 放課後の図書館。
穏やかな静けさに満ちた閲覧席のひとつに、ヨキの大きな背中が見える。

マナーを守って、あくまで無言だ。
だがその背中は言葉で話すよりも雄弁だった。

身じろぎする。肩を落とす。ぱっと喜ぶ。

無言なのに、後ろから見ているだけでもうるさい。

「……………………、くっ……」

何をしているかと言えば、ヨキは運転免許証取得に向けた問題集と格闘していた。
いわゆる“ひっかけ問題”に、面白いほどぽろぽろと引っ掛かりまくっていたのだ。

ヨキ > 生来の騙されやすさが爆発的に火を噴くと思い知ったところで、一旦ペンを置く。
気分転換に楽しい読書でもしようと思い立って、席を立った。

普段から興味と好奇心のアンテナを何処へなりとも広げているヨキは、図書館を広く浅く楽しむやり口を知っていた。

情報学にも、哲学にも、歴史にも、経済にも、数学にも、工学にも、農業にも、音楽にも、言語学にも、文学にも、
それぞれ自分なりに楽しめる本があるとよく判っていた。

門外漢でも、読み物として楽しめる専門書。
まるで自分にも門戸を広げて読むことを許してくれるような、そんな本を探すでもなく探し求めて、長く延びる書架の中を歩いてゆく。