2017/06/10 のログ
藤巳 陽菜 > …そろそろ気まずい本を読むのに戻ろうか。
そう思った時目が合っていたその相手は気さくな感じで挨拶してきた。

「…こ、こんにちは。」

(え?何?何なの?何で急に話かけてきたのこの人!?)

内心おっかなびっくりそして戸惑いながらも挨拶は返す。
…目は結構泳いでいる。

「え、えーと何か用ですか…?もしかして…読みたい本がこの中にあるとか…ですか?
 …えっと、どの本ですか?」

(きっと、この中の本のどれかが目当てなのよね…。
 でないと私になんか話かける理由ないもの。)

いや、この蛇の身体に対する興味からという事もあるかもしれない。
そのどちらかに決まっている。

和元月香 > 「?」

(コミュ症なんかな?)

急にキョドり始めた相手を不思議そうに眺めた後、月香はいやいやと笑って近づく。
同年代と見れば、急に馴れ馴れしくなるのが月香だ。

「いや、何か困ってる感じだから声掛けただけですけど?」

蛇の下半身に驚きはしたが、別にそれを気味悪がることは全く無い。
勿論常世でも、彼女の人生でも日常茶飯事だからだ。
明るく笑って、月香は相手の向かいの席に腰を下ろした。

藤巳 陽菜 > いきなり話かけられて焦ったが年齢は近そうに見えるし敬語でなくてもいいかもしれない。

「困ってる感じだったから?」

(そ、そこまで困ってそうに見えたかしら?
 確かに…実際困っていたけど…。)

ふと見れば彼女が持っているのも魔導書のような本。
もしかしたら力になってくれるかもしれない…。

「えっと、あなたって魔術とか詳しかったりする人?
 勉強するように師匠から言われたんだけどどれから読み始めたらいいか分からなくて…。
 始めてでも魔術を勉強しやすい本とかってないかしら?」

求める本の目標が極めてアバウト。それで見つかるわけもない

和元月香 > 「うん。雰囲気的に」

そうきっぱりと言って、また頷く。
そういった類のものには一応鋭いつもりだ。

「わかりやすいヤツねぇ...。この図書館は専門的なんばっかだし...。
まぁ、ないことは無いんだけどね」

おもむろに本棚に向かうと、1冊の本を取り出す。
平仮名で「よくわかるまじゅつ」と書かれた明らか小学生向けのカラフルな表紙。

「...こんなんでいいなら...。
例えが分かりやすいし、いろはから学べるからいいと思うよ。

でもやっぱり実際に教えてもらった方が早いんじゃないかねぇ。
先生とか、いい先生ばっかりだからさ」

良ければわたしが教えれる事は教えますが、とかるーく言う月香。
しかし、声色は穏やかで優しい雰囲気があったかもしれない。

藤巳 陽菜 > 「…そんなに困ってる感じ出てた?」

本を読むだけで困ってる感を出してしまうとは…
少し恥ずかしい。

「わあ、凄い分かりやすそう…。」

棒読みだった。
平仮名って…漢字よりも先に魔術を勉強するなんて…。
でも、実際これぐらいのレベルから始めた方がいいのかもしれない。
しかし、これに頼る事を陽菜の小さなプライドが邪魔をする。
…借りて帰って部屋で読もう。

「…実際に直接教われるなら私もそうしてるのよ。
 でも、私の師匠きっと忙しいだろうから…。
 ああ、私の師匠ももいい先生よ?」

そうでなくては一人で自習なんてしていない。
…やっぱり他の先生からも学ぶべきなのだろうか?
教わったことが混ざったりしないかな?

「しばらくはその本を読んで勉強するとするわ。
 …分からないところがあったらその時は教えてね?」

和元月香 > 「極端なやつしかなくてすまんね。
ナメてるわけじゃないからそのへんよろしく!」

狼狽えたような相手を軽く笑い飛ばす。
いやでも本当に、基礎中の基礎はこれぐらいしかないのだ。
学校側ももう少し考慮して欲しいものだが。

「へー。師匠がいるんだ。
色んな人に頼ってみれば?先生、本当に個性的だし楽しい人ばっかだよ。
本当に困ったら、師匠にもちょっと無理言っても許されるんじゃね?
君の自由だけど」

こんなにたくさんの本送ってくれる人だもん。
君の力になりたいって思っとるよ。

本の表紙を撫でて、笑みを零す。
少しズレてるだけだろう。

「うん、もちろん!」

相手の申し出も、快く受け取った。

藤巳 陽菜 > 「ええ、まだあんまり会ってないけど
 私が会っただけでも個性的な先生ばっかりね。
 本土の方にいたころは想像もできなかったわ。」

魔女の格好をしてる先生とか、仮面をしてる先生とか
高笑いを多用する先生とか、暗黒神を自称する先生とか。
まだあまり会った事ないのにこんなに個性的な先生たちと出会えている。

「…うん。
 本当に困った時は頼ってみる。」

…きっと、力になってくれるはずだ。
自分を魔女の後継者にしてそれをそのまま放りだすなんてことはないだろう。
…そう、思いたい。

「ありがとう、頼りにしてるわ。
 …えーと…名前を聞かせてもらってもいいかしら?」

和元月香 > 「だよねー。退屈しないからいいんだけどね」

カラカラと笑い声を上げて、椅子を揺らす。
教師も個性豊かなら、生徒もまた然りだろう。

(私はどうだか分かんないけど、目の前の子はそんな括りに入るだろうなぁ)

「うん、そうしなさい!」

まるで母親のような、快活でいて慈愛を含ませた声で笑ってサムズアップを送る。
きっと大丈夫だろう、この子ならば。

「あー、名前忘れてた!
私は和元月香、よろしくね。ちなみに17歳だよ」

ひらひら、と手を振って馴れ馴れしく自己紹介。

藤巳 陽菜 > 「確かに退屈するよりはいいわよね。」

少し疲れたり、ついて行けなかったりすることもあるけども
今のこの学園での生活も嫌いでは無い。
もちろんいつか元の身体に戻って普通の生活に戻れる前提の話ではあるけど…。

「ええ、そうするわ。」

眩しい人だ。
明るいというよりその言葉のほうがふさわしい。
明るくて真っすぐで…いい人だこの人は。

「17歳!あっ…えっと勝手に同じ学年と思っててタメ口で話してごめんなさい!
 私は藤巳陽菜、えっと一年生で15歳です。」

17歳という事はおそらく学年も上だろう。
そんな相手にタメ口を聞いていたなんて…。
相手の印象だけで話すこの癖は良くないと自分でも思う。

和元月香 > 月香にとって、退屈は死活問題。
楽しむからこそ、生きている意味がある。
楽しまない月香の人生には、何の価値もない。
“どんなに苦痛な楽しみ”でも、謳歌するべきが人生だから。

「タメ口でもいーよ。私も一年だからさ!」

今年入学したばっかだぜ、と笑う。
結構年上にタメ口を使っている身とすれば、咎める理由も無い。

藤巳 陽菜 > 「いいんで…いいの?」

タメ口でもい言っていうならそっちの方が楽だ。
よく考えたら先輩に対してタメ口で話したこともあるし…。

「じゃあ、和元さん同じ一年生同士よろしくね。」

(…同じ一年生でも私以外の人は
 皆、私よりも大人な感じがするわ…。)

あまり、話をした人は多くないがしっかりしてる人が多い。
…しっかりしなくては。

和元月香 > 「うん。わたしも先輩にタメ口使ってる人いるし」

問いかけには、あっさりと頷く。
今さら敬語なんて気にしたら負けかもしれないし。

「うん。よろしくね、陽菜ちゃん!」

ぱっと花が咲いたように、月香は笑った。
無邪気で、あくまで明るく。


「...さてと」

ふと腕時計を見る。
夕食が近い、そろそろ帰らなくては。
待つ人などいない家に。

「じゃあ私そろそろ帰んね」

ゴソゴソと笑顔で荷物を纏めつつ、そう言う。

藤巳 陽菜 > 「…私もそろそろ帰ろうかしら。」

時計を見ればもう結構な時間…。
あと少し、時間が立てばスーパーの総菜に半額のシールが貼られる。
寮の夕食だけでは足りない…。
この身体を維持するためには少しでも食費を抑えることが不可欠なのだ。

「…えっと、もしよかったら途中まででも一緒に帰っていい?」

もし、それが良いと言われれば
急いで机に積まれた本達を持って貸出カウンターに向かうだろう。
そして、きっとスーパーがある辺りまでは一緒に帰る事になるかもしれない。

和元月香 > 「確か常世スーパーでセールやってたはず...」

料理は正直苦手だ。
火を入れると、何故か爆発してしまう。
普通に切ったりするのは平気なのだが...。

惣菜は重宝せざるを得ないのだ。


折り畳んだチラシを広げつつ、相手ににっと笑い掛けた。


「いーよ!一緒に帰ろう」

相手の後に本を借りる。
そして目的地が一緒だった2人は、セールの戦場に身を投じる...かもしれない。

ご案内:「図書館」から藤巳 陽菜さんが去りました。
ご案内:「図書館」から和元月香さんが去りました。