2017/12/12 のログ
ご案内:「休憩室」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 試験期間の真っ最中とあって、今日の図書館は非常に混雑していた。
皆余程赤点だとか、不可だとか、丁といった評価を避けたくて仕方がないのだろう。
一方でこの人怪の女は、周囲の学生たちの必死さなどどこ吹く風。
先程までは試験とはまったく関係のない伝奇小説等を読みふけっていたのが、その姿は今は休憩室の長椅子にあった。
無論、人が多いとはいえここは図書館だ。それなりに静寂は保たれている。
だがそれでも行き交う人の気配やページを繰る響き、物を書き綴る小さな音は防ぎようもない。
それが一度気になりだすと、どうにも本の内容が頭に入ってこなくなってしまい、読書を中断してここにいる次第だ。
■鈴ヶ森 綾 > 館内の人の多さに反して、休憩室に人の姿は疎らだ。
皆明日の試験対策に躍起になっていて、休んでいる余裕などないのだろう。
「はっ…勉強熱心ですこと…。」
いや、本当に勉強熱心であれば試験直前にここまで必死にはなっていまい。
そんな言葉に反応する者も今はおらず。
女は長椅子に深く背を預け、座ったまま天井を仰ぎ見るような姿勢で退屈からくる眠気に任せてその目を閉じる。
■鈴ヶ森 綾 > 外は夕暮れ時の寒風吹きすさぶ冬の街だが、ここは暖房が効いていて暖かい。
長椅子も案外座り心地が悪くないせいか、気がつけば10分程うつらうつらとしてしまっていた。
「んっ、こほ…。」
口が開いていたせいか、喉が酷く乾燥しているのを感じる。
少し水分を補充しようかと、脇においていたコートや鞄をその場に残し自販機を目指す。
硬貨が小気味よい音を立てて機械に飲み込まれると、購入可能になった事を示すランプが点灯する。
ただ、起き抜けで少し思考が鈍っているせいか、何を買うか決めない内にお金を入れたせいでその状態のまま暫し立ち尽くす事になってしまう。
■鈴ヶ森 綾 > 数十個のラインナップとにらめっこしていると、なんだか段々考えるのが億劫になってきた。
いっそランダムに商品が出て来るボタンがあれば、等と思考が明後日の方向へ走り出す。
迷走している頭を切り替えようと適当に選んだボタンを押し、出てきたお茶を一息に飲み干すと
荷物を回収し、休憩室を出る。
再度立ち寄った閲覧室や自習机は相変わらず人で溢れており、試験期間中にここで本を読むのは諦めるほかなさそうだ。
結局、その日は少し多めに本を借りて図書館を後にする事となった。
ご案内:「休憩室」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。