2018/05/20 のログ
美澄 蘭 > 「あ、確かに先行研究に当たるのも大事ですよね。
現時点での到達点を知らないと、どこが「新しい」のかも分かりませんし」

獅南の指摘を素直に受け止めて頷く。
満足げに頷いてみせてくれた獅南だったが…次にその口から出てきた言葉は、皮肉めいたというか、「大人」になることの意味を改めて蘭に問うものだった。

「…そうですね。自分の人生を引き受けられるのは、結局のところ自分だけですから」

真面目な顔で受け止めて、そのまま獅南を見送った。

美澄 蘭 > (…「自分の人生を引き受けられるのは自分だけ」…)

教師の背中を見送った後、自分の口を突いて出た言葉を心の中で反芻する。

(…だから、「自分の人生」として、出来るだけ後悔しないように…
私は、前に進むだけ)

左右で色の違う瞳に決意を宿して、残ったお茶を飲み干して。

(…さて、他の演習もやっちゃわないとね)

少女は、図書館の学習スペースに戻っていった。

ご案内:「休憩室」から美澄 蘭さんが去りました。