2015/09/07 のログ
ギルゲイオス > 或いは、空でも眺めながら酒盛りでもしようとする変人辺りであるかな?
まぁ、我の事なのであるが。
一人酒ではあったが、景色も含めて、中々風流であったよ。
(片手を掲げて、酒を飲むようなポーズ。
なお、ゴミはちゃんと持って帰りました)

(「少なくとも、堕ちたら洒落にならない高さである」
とまぁ此方も呑気な声)

ふふん、なるほど。
あくまでわざとではなく、重ねて言うがわざとではなく、躓くのであるな。
リア充爆発すべし慈悲はない。
(お腹を押さえる相手をよそに、至極真面目な顔でそんな事をのたまおう魔王様)

我の世界では、魔術と魔法は少々区別されておるのでな。
正確に言えば、魔術士、といった所であるかな。
(片手をヒラヒラとさせると、小さな赤い炎が付いたり消えたり。
微かな火の粉を散らして霧散する)

とはいえ、此方の世界に来て気づいたら、異能の方は使えるようになっておったんでな。
使うタイミングが余りない部類故、余り実感がないが。
っと、自己紹介が遅れたのであるな。
お察しの通り。
我は異世界から来た魔王、ギルゲイオス・ホッドケーテ、である。
親愛と畏怖を込めて、ギル、と呼ぶがよい。
(掌を当てた胸元を張ると、何時も通りなポーズで、何時も通りな自己紹介を)

鏑木 ヤエ > 「空を飛びながらお酒でも飲めたら気持ちよさそうですねー。

 ………、ええ。
 無論わざとでなく偶然躓いてしまうんですよ。
 偶然躓いて偶然ヒメーを聞いてしまって偶然笑いを堪えるんですよ」

(大真面目な相手の様子に一瞬驚きながらも続く言葉を待つ。
 夜色の幕が垂れ下がった空をぼんやりと眺めた。
 飛べたらさぞ気持ちよさそうだ、と思案しながら)

「魔術と魔法が違うって中々面白そうですねえ。
 なるほど。オニーサンはマジュツシさんだった、ってことですね」

(頷く。ふむ、と顎を手でさするような所作)

「気付いたら使えるように。なるほど──……。
 この世界自体になにかあるんですかね、もしかすれば。

 ああ、これはご丁寧にどうも。魔王様とお喋りできるなんて至極恐悦ですよ。
 ヨロシクお願いします、ギルゲイオス・ホッドケーテ。………ギル。
 やえはやえです。二回生。鏑木彌重です」

(何時も通りな自己紹介には何時も通りの自己紹介を。
 自信満々に、ない胸を張った)

ギルゲイオス > 余り多く連れるのは得意ではないが。
一人二人であれば、問題はないのでな。
歩いて帰るのも大変であろうし、もしよろしければ、ご一緒に飛んでお送りするのであるが、如何かな?
流石と、酒の用意はないのであるが。
(小さくと笑ってから、どうかなとばかりに、ちょいと頭を傾けた)

ふふふふ、なるほど……お主も中々の悪よのぅ
(妙な日本に浸食されてる魔王さま。
悪い笑みを湛えながら、それっぽく、にじり寄ってみた)

かも、知れぬな。
この世界に何かがあるのか、或いはこちらの世界の法則に我が影響を受けたのか。
その辺は今のところ分かってはおらんがの。
(そもそもと、異能についてもよくと分かっていない魔王様。
原因については不明と、肩をすくめてみる仕草)

大雑把にいえば、魔術は学問で、魔法は先天的な――そう言う意味では、異能に近い、のであるかな。
(自分で言っておいてふと気がついたのか、確認するように小さくと頷く)

おや、あっさりと納得したのであるな。
説明を省けるのは、楽と言えば楽であるが。
ヤエ、であるか。
ほほう、二年であるか、つまり我より一つ上か。
はは、恐縮するべきは我の方かもしれぬな、コレは。
(無い胸を一目と見たのち、笑い声と共に肩を揺らした)

鏑木 ヤエ > 「それなら送ってもらいましょうかね───と思いましたが。
 やえはちょっとばかり魔術も異能も信じ切れていない節があるのでごめんなさい。
 気持ちは十分空を飛んでますよ、ありがとうございます」

(一瞬の逡巡を挟んだ。
 そんな言い訳は建前で、落第街まで送らせる、ということに躊躇った。
 申し訳なさげに頭を下げるも、小さく口元を吊り上げた)

「ええ?よいではないか、よいではないか───ってヤツであってます?」

(随分と世俗的な魔王様に思わず乗った。
 どこでこんな旧時代の知識を育んだのやら、と思うも「なるほど」と。
 思考を放り出した)

「………、ほう。
 魔術が学問で魔法が異能に近い、ものですか。
 んー、中々に興味深いものですね。となるとかなり学問は発達してるんですかね。
 
 このセカイにどんな法則があるのかは知りませんが面白い。
 異能の発現にもいろんなパターンあるらしいですからねえ、参考になります」

(「魔王様の世界は」、とひとつ問うた。
 異能についてはただ一言「なるほど」と返して興味深そうに暫し思案した)

「いーえ、気にしなくてもいいですよギルゲイオス。
 やえは二年連続留年中なので。やえみたいにならないようにしっかり勉強するんですよ」

(フルネームで相手を呼ぶのは彼女の癖だったが流石に少し長いと感じたのか短めに呼ぶ。
 先輩風を吹かしながら笑顔にも似た曖昧な表情を浮かべた)

ギルゲイオス > そう、であるか。
まぁ謝る必要はないのであるよ。
魔術も異能も、未知である部分が多いからの。
人によっては、それに不安感を覚えるのは仕方があるまいて。
(心中察する方法は無いが、そんなものかなと納得して。
頭を下げる相手に、ヒラヒラと片手を振って返す)

そこは、『いいえ、魔王様程では』とかそんな風に返す場面では!?
よいではないか、は悪人が女性に襲い掛かる前セリフ、的な?
(暇なときにテレビを見て、妙に毒されてる魔王様。主に時代劇辺り)
――はっ!? つまり我が襲われる!?
(変な勘違いをする魔王様。
勿論、口元の笑みが冗談だと言ってるけど)

そうであるな、此方の世界の表現を使えば『剣と魔法のファンタジー世界』といった所で、科学技術等は圧倒的に負けておるがな。
今のところ長く平和が続いておるので、魔術や、その他の学問等も、割と盛んに発達してきておるな。
(ちょっとばかし空を見上げた後、地元を思い出すように考えて。
言葉に合わせて、チョイチョイと指が左右に揺れる)

おぉう、それは何というか……愛らしい見た目の割に、実は結構なワルなのであるな。
(むむっと、小さく唸り声。
不良的なアレなのかと、意外そうな視線を送る)

チョイとばかし保障不足で、生活費が心もとないのでな。
先輩の言に従い、なるべく留年せずに、卒業を目指す事にするのである。

鏑木 ヤエ > 「ええ、未知ばかりです。解らないものばかりで。
 たぶん誰も正解なんて知らないんでしょう、勿論やえも。
 やえは正解の出ないものが怖くてですね。同時に異能も魔術も、といった次第で」

(気楽そうな魔王様の所作にほっと溜息をつく。
 気分を害していたら、とぼんやり考えていたが杞憂に終わりそうでまたよかった、と)

「ええ?やえが魔王様を襲って取って食うって言いました?
 そんなそんな、やえは収入も安定してませんしまだ責任取れませ───なんちゃって」

(ぺろりと舌を出す。
 口元は二人とも同じように三日月を描いて)

「ははん、剣と魔法の………どっかでそんなタイトルのRPG見たような。
 どこでしたっけ、歓楽街のレトロゲーショップでしたっけ………、は置いといて。

 なるほど、魔王様が平和がつづいてるって平和そうに言うのクッソ違和感ありますね。
 なんかちょっと面白いです。
 平和が続けば学問が発達する、というのはどこのセカイも同じなんですねえ。
 いや、争い事でも学問は非常に発達したりしますが」

(ぼんやりと夜空を見上げる。
 彼の世界の夜空とこの夜空は異なるのかな、そんな思案を広げて)

「愛らしい、ですか。中々に見る目はありそうですね。
 ………そのTシャツ着てる人に褒められるってのも随分変な気分ですが。

 バイト暮らしですか?それならやえと同じですねえ。
 委員会街のラウンジ、あそこ給料かなりいいですよ。
 オバサンがめちゃくちゃ口うるせーですけどそれを忘れれば破格の好条件です」

ギルゲイオス > 魔術に関しては、使ってるモノ、或いは知ってるモノにとっては『既知』ではあるが。
知らなければ『未知』なのは、何事でも同じであるしな。
異能については、我もさっぱりであるが――未知であるだけに、好奇心をくすぐられるのも、また事実であるな。
(好奇心と恐怖というのは、案外紙一重なのかもしれない。
故に、猫をも殺す、訳で。
お互い気にしても仕方ないので、送る送らないの話は余所へとどけてしまう)

わ、我をもしゃもしゃ食べても美味しくないのである。
(一歩、ずりっと後ろに下がり)
っと、責任!?
…………初めてなので、優しくして、ね?である。
(しなりと、わざとらしく体を捻る。
まぁ相変わらずに、冗談合戦であるのだけれど)

そこについては、我が魔王であることを納得しても、だーいたいのヒトが突っ込んでくるのであるな。
ま、此方の世界でも、他の世界の多くでも、どうやら魔王というのは恐怖の対象らしいし、仕方ないと言えばそうであるが。
我は魔族という種族の統治者としての、魔王、であるからな。
普通に言う所の『王様』とそう変わらんのであるよ、実はの。
(この説明も、割と何時も通り。
胸元辺りに手を置けば、緩い口調で)

特に武器やら、後は攻撃系の魔術なんかは確かに戦争が有った頃にかなり発展した、という話は聞いたの。
生きる為に、必死にひねり出せばそうともなる、ってのはやはり同じと言う事か。
この空の景色が、我の世界とそう大きくとは変わらないように、な。
(腕を組み、喉元には唸り声。
どこもかしこも、知能、のある生き物におおよそ違いはないらしい)

お褒め頂きなんとやら――って、Tシャツ云々に関しては、むしろ貶されてる感!?
まぁ、なんだ、ヒトに色々言われて、妙なTシャツだって自覚は、確かにあるがっ!!
(抗議混ざり、両腕をパタパタとさせる魔王様)

まさか王がバイトを、という感じであるがまぁ仕方ないのであるな。
ふむ、委員会、であるか。
学園組織とは意図的に少々距離を取っておるのだが……給料がいいのか、うぅん
(ひっじょーに悩ましげに、視線をあちらこちらと遊ばせた後に、頭がかっくんと上下に揺れた)

鏑木 ヤエ > 「ええ。『未知』だからこそ人は恐れ、遠ざけようとするのかもしれません。
 本土のニンゲンからした異能しかり、門のお話然り。
 この島は住みやすいですよね、全員が大抵『未知』について寛容で。
 好奇心はやえを殺しませんから。やえもその中のひとりにはやくなってしまいたいものです」

(冗談合戦の心地のいい時間は流れ、流れ。
 冗句のわかる魔王様に薄らと親近感を覚えながら)

「なるほど、先入観に負けてましたね。
 魔族の王様、略して魔王──って訳ですか。
 いやはや、これは申し訳ない勘違いをしてました。納得いきましたよ。
 ギルゲイオスはいいひとですからね」

(人であるかはさておき、主観的な感想をひとつ。
 丁寧な解答と緩い口調は同じ時間を過ごすには中々に心地がいいものだった)

「武器やら、兵器は戦争が有った頃にこのセカイはかなり発展したんですよ。
 人を殺すための兵器。その場所を一帯焦土にしてしまうようなものも。
 それをコントロールして、適度に利用して戦争なんてクダンネーことをせずに。
 平和な秩序を考え、そういう限度を発見するのが、学問だとやえは思いますね。

 考えられるのはニンゲン含む知的生物にだけ許された特権ですから。
 存分に考えるのはいいことだと思います」

(早口で、小鳥が囁くように語り上げた)

「ラウンジのバイトは特にイインカイ、って訳じゃねーんですよ。
 無所属でも委員会の噂話も聞けますしね、超便利なバイトなんですよ。
 やえもイインカイはあまり好きじゃねーのでわかります」

ギルゲイオス > そりゃま、ここに住んでいる存在の多くは、何かしらの『未知』を内包しておるからな。
異世界然り、種族然り、勿論異能や魔術も。
未知という恐怖は常に付きまとう部分はあるが、とはいえ、恐れてばかりいては仕方ない場所でもあるからの。
そう言う意味では、上手く受け入れて、互いに良くやっていく。
というのは、理想的であるよな。
ま、全てが全て、とはいかぬが。
(片目を閉じると、時計塔の周囲にある街を手で示した、後。
チョイとだけ、指を落第街の方角へと向けた)

まぁ良いのである、『魔王』の称号は往々にしてそう受け止められるからの。
初代魔王が治めるまで魔族が野蛮であった時期や、人間と戦争をしていた時期もあったが――それについては、此方の世界の人間も、そう違いはないであろうしな。
そう言う訳で、我の世界は人と魔族が、それなりに良くやっているのであるよ。
むぅ……良い人か、割と言われるのであるが。微妙にむず痒くもあるな。
(視線をちょいと横に逃がすと、頬を指先でぽりぽりと掻いた)

おぉう
(急に一気にまくしたてられると、一瞬、目を丸くとして)
そう、であるなぁ。
戦いによらず、平和と共に技術を高めてゆくのが学問。
とすれば、戦争によって飛躍した技術は学問によるものではないのか――と言えば、確かに学問ではないのかもしれぬな。
生きる為、殺す為、死なない為に相手を殺す為、なるほどコレは学問というよりも生存競争だ。
時間をかけてでも、平和的に学問で成長してく、理想的ではある。

が、その知性故に、争いが始まりもする訳で、中々と難しい話でもある。
(一つと大きく吐息を、顔をゆっくりと横に振る)

委員会が好き嫌い、という訳ともまた少し違うのであるが。
ちょいと今は、組織的なあれこれに巻き込まれたくないのでな。
ふぅむ、噂話が、というのは確かに魅力的、ではあるか。
未所属では、中々得られぬ情報もおおいからな。

鏑木 ヤエ > 「きっと何れ、もっと時間が経ってまだまだ先の時代になったら。
 やえがそれを見られるかはわかりませんが、その『未知』が『既知』に成る日も来るのでしょう。
 一歩を踏み出さないから『未知』であることはやえもわかってはいるんでしょうがね。
 如何せんその一歩が大きいもので。

 まあ、あそこも。無秩序に見えて秩序のある街ですから」

(指の先をぼんやりと見遣れば、目を細めて。
 先刻断った理由の街。嫌いになれない、自分の住む街。
 『未知』が怖い、というのは嘘ではなく、第二の理由であったがいちばんの理由は、)

「見てみないと案外、本当の姿ってのは見えやがりませんからね」

(ぱちり、ゆっくりと幾度か瞬きを重ね)

「なるほど。
 共存が出来ている世界なんですねえ。それはそれは」

(「とってもいいことじゃないですか」、と継いだ。
 口元にはぼんやりと霞がかった三日月のような曖昧な笑みが浮かぶ)

「そうですね、生存競争───確かにそんな感じかもしれません。
 異能も魔術も魔法も。しっかりと使い方を考えてなければ子供の玩具に違いありませんから。
 初めから限度を知らなければ簡単に振るっていいモノではないと思うんです。
 それは相手を傷つけるかもやしれない明確なチカラ、ですからね。

 知識というのは難しいものです。
 振るえば人を殺すこともできるがそれを昇華していきたいと願うのはまたニンゲン。
 アタマの使い方をきちんと考えねーといけねーですね、ってことです」

(困ったように眉を下げた。
 如何せんあったほうがいい、ないほうがいいともいい切れない話。
 即断を下していい話ではないのを分かっていれど何かを伝えたい、そんな思いを抱えた)

「なるほど、中々にオシゴトも大変だって聞きますし。
 組織に入るってことはその組織としてみなされる訳で。
 身の振り方を考えたりしなきゃいけないって考えると利点が薄く感じるんですよねえ、やえ。
 もしバイト始める、ってなら紹介するんでいつでも見かけたら声かけてくださいね。
 やえも1万円貰えるので」

(ほんの小さく笑って冗句をひとつ)

ギルゲイオス > 何れ、人々が良くと時間を進めれば、そうとなってよりよく接し合える日が来るかも知れぬな。
そうとならない可能性も、……ないとは言い切れぬが、出来れば遠慮願いたい所である。
ふむ、異能については別かもしれぬが、魔術についてならば学校でも教えて貰えるだろうし。
話だけでも聞いてみる、というのは手かもしれんの。

普通の秩序から外れた場所の、外れたなりの秩序、という事か。
その外れた秩序から更に外れて、表の世界に迷惑かけるヤツが、一番問題と言えばそうで、あるが。
(ちょいと前からぽつぽつと話に聞く、幾つかの騒ぎ。
今のところ、大規模化していないのは救い、ではあるが。
何とも不穏な気配に、落第街の方角を眺め、唸る)

流石と、子供のおもちゃにするには、火遊びが過ぎるがな。
(例えの話に、小さくと笑った、後)
つまるところ、教育と環境づくり、であるかな。
異能や魔術に対する、知識や、危険性、その他もろもろ。
加えて、それを習得するにあたって――異能であれば、持つ者の心構えとして。
凡庸な良い方になるが道徳やらそれに類するモノ、そう言うのをしっかりと教育していく場が、これから求められていくのだろうな。
この学校も、そういう狙いの一つ、なのであろうが。

知識、それそのものは尊いモノなのだがね。
アレだな、武器が人を殺すのではなく、人が武器を使って殺すのだ、なんて言葉もあるが。
要は、知識も使い方しだい、であるよな。
(何とも、難しい話だ。
それ故、これといってちゃんとした答えも、また出にくいのは事実か。
溜息と共に肩を竦めた後、相手の様子にちょいと首を傾け)

ま、そういう小難しい話は、ひとまず我の様な大人や為政者に任せて、お主は世界を知って、知識を深めるのが先であるかな。
(くくっと笑えば、ちょとばかし子供扱いするように、頭へと手を伸ばす)

組織は組織なりの利点もあるが、同時に、不都合も被るからの。
例えば、公安やら風紀丸出しで落第街なんていったら、ロクな目には合わぬだろうし。
立場上、出来ぬ事も増えるのでな……ああいや、別に悪い事しようなんて考えてないのであるが。
(パタパタと手を振って、否定して)

紹介料、ってそれがまさかの誘った本心!?
文字通り、現金な話である。
ま、気が向いたらお願いするのであるよ。
(中々抜け目がない、とばかりに視線をじっと送った)

鏑木 ヤエ > 「ええ、出来なかったとしてもそれはきっとやえの管轄外でしょう。
 やえが生きている時代には───、そうですね。決着はつかないでほしいものですね。
 決着がついてしまったらこうやって話すことは出来ないでしょうから。
 『何故』、と。疑問を抱く必要がなくなるのはやえは願い下げですよ。

 外れた秩序は無秩序の街で生きていればいいんですよ。
 わざわざこちら側に出張ってきてヒトサマに迷惑掛けるってのはお門違いですよ。
 落第街って場所があるんですからそこに引き篭もってやがれってハナシです」

(はあ、と溜息をひとつ落とした。
 騒ぎは落第街の中でなら誰一人気にすることはないのになぜ表に出てこようとするのか。
 それは彼女も少しばかり思案を巡らせていたことで、)

「そうですね。使い方のわからない拳銃を赤子に与えていいことはありませんから。
 本来日常で戦闘系の異能の行使は校則でダメ、って言われているにも関わらずに学生街の方でも。
 委員会街でも学内でも濫用するニンゲンがいる訳じゃないですか。
 その心構えが出来てないニンゲンが多ければ。その道徳が、モラルがなければ。
 今後一切本土のニンゲン──異能を恐れるようなニンゲンとは分かりあえねーでしょうから」

(暫しの瞑目。自分の中で言を整理するように)

「知識も人を殺しますよ。
 興味心で人は死ぬように。残酷な言葉で人が死ぬのと同じように。
 知識は尊いモノであれど劇薬である、とやえは思っています。
 少しばかり過激だと言われるかもしれませんが考えるアタマがなければ戦争なんて起こりませんし」

(彼の動作を真似るように肩を竦めた。
 困った話というのは一度顔を出せば芋蔓式に増えていくのだ)

「………、ええ。やえみたいな馬鹿には中々難しいハナシですから。
 ギルゲイオスに全部丸投げしてやりますよ」

(頭へ伸びた手を一瞥する。
 とくに思うこともないようで無抵抗に彼の顔を見遣った)

「そうですね、ロクなことは増えやがりませんし。 
 ───、バレましたか。現金が増えるのはいいことしかないですからね」

(ジイ、と視線を返した。
 暫くそうしていれば何がおかしかったのか小さく、ほんの小さく吹き出した)

ギルゲイオス > 決着がついたらついたなりに、また他の『何故』が生まれるとは思うがな。
具体的な内容は、流石に思いつかんのであるが。
世界が幾ら変わろうとも、疑問が世界から無くなる事は、恐らくはらなであろうしな。

はは、中々に辛辣な意見だが、その通りでもあるな。
出張ってくるなら、せめても、表の規則に従ってもらいたいモノである。
(顔を横へと振った後に、もう一瞥を落第街に)

まー、どうしても『有る』と使いたくなるのはサガの様なモノであるからな。
大概の場合は、訓練施設か、或いは大事件にならずに済む程度、ではあるが。
…………本土側との付き合い、というのも、確かにこれから重要になるのかもしれんな。
我は、この世界については、この島しか見ておらんので、中々創造にムズカシイのであるが。
(頭を左右に揺らしつつ、想像を巡らせる。
書物には見たことがあるが、さて、どんな世界が広がって居るのか)

薬と毒は紙一重、といった所であるな。
ふぅむ……とはいえ、頭が無ければ動物と同じ様な弱肉強食の争い、であるからな。
もっとも、戦争より其方の方がマシと言えば……うーむ、否定はし切れぬが、……
(どちらがいい、とは断定もしきれず。
悩ましげな唸り声と)

おや、子ども扱いするな、とでもいうと思ったのだが。
まぁよいわ、ほどほどに任せておくがよい。
我は人とは寿命が違う故少々話が外れるが、ヒトの大人が引いた後は、お主らの仕事でもあるしな。
今のうちという奴である。
(口元で笑みを浮かべた後、軽く頭の天辺を掌でトントンとしてから、手を離す)

お金がないとご飯も食べられぬのでな、仕方ないのである。
我も此方に来て、その辺シミジミと実感したというか……
(へふん、とため息を漏らした後に。
相手の笑みに合わせて、肩を揺らして)

さて、ではそろそろ我は帰るとするかな。
ヤエは、徒歩と言っていたな。
なんなら、下まで一緒するかね?
(ちょいちょいと、扉の方向を示す。
なお、大体飛んできてるので、エレベーターとかその辺は思考の外な模様)

鏑木 ヤエ > 「そうであってほしいモノです。
 やえは考えるのも、こうやって話すのも大好きなものですから。
 この話のタネがなくなってしまうのは勿体ないし、何より寂しいですからね。
 
 ───、あそこに関しては。解決は死ぬほど難しいと思いますね。
 お互いの思考で前提が違うんですから。日本人と外国人がお互い自分の国の言葉で話してるようなモンでしょう」

(彼が視線を向けたのに気付けば、自分ももう一瞥くれてやる。
 歓楽街の奥。ひときわ暗いように見えた)

「外の世界はですね。────存外生きにくいものですよ。
 『有る』『無し』がここ以上に顕著なものですし、それからほかにも。
 ここは『有る』ニンゲンが多いのに比べて向こうは『無い』ニンゲンの方が多いですから。
 前提が先ず違うんです。『有る』のがアタリマエか『無い』のがアタリマエか」

(ぼんやりと遠くを、落第街を見遣ったのちゆっくりと頭を垂らした。
 曖昧な記憶。それでも知っていた『知識』を辿るように)

「その断定の出来ないハナシが好きなんですよ、やえ。
 答えが誰にとっても同じじゃなくて、何通りもあるような。
 それでいて『セーカイ』が存在しないハナシが、やえは大好きなんです」

(にこり、口元だけで小さく笑んでみせて)

「やえよりも大人に任せておきますよ。
 今のセーシュンジダイは全力で考えて、全力で間違うので。
 やえが大人になったらそんな子供を見てやれるようになりたいですからね。
 今のうちは貴方に、それから大人に頼っておきましょう」

(トントン、と掌が当たる。
 もこもことした羊のような髪に大きな手が沈んだ)

「あ、じゃあやえも帰りますよ。
 バイト帰りなので中々疲れてんの忘れてました。
 ええ、じゃあ下まで一緒に。もう少しだけ話しながら帰りましょうか」

(トン、とヒールを鳴らして立ち上がる。
 『行きましょうかギルゲイオス』、と声を掛ければトットと扉に向かう。
 重苦しい扉を開ければ、ギイイ───、と。心地よい、重苦しい音が鳴いた)

ご案内:「大時計塔」から鏑木 ヤエさんが去りました。
ギルゲイオス > 風紀や公安はソレなりに動いてはいるようだが、実質的にここを支配している組織は、あの場所をどうも放置する構えの様であるからな。
寧ろ意図的に、であるかな。
そういう意味でも、解決するのは難しいのかもしれんの。
違う世界のモノ同士で仲よくとやってる反面、同じ世界同士で問題が起こると言うのも――滑稽、とは違うが、人の業の様なモノを感じるのであるなぁ。
(双眸、僅かに細めると、落第街から視線を逸らした)

ほほう?
ふぅむ、我の世界は魔術なんてのは普通に存在したので、余りと実感がないが。
外の世界は、武器や道具に頼らない力、というのは一般的ではない、という事か。
落第街でもそう言っていたが、『前提が違う』と。
ずーーーーーっとこの島だけで、という訳にもいかぬであろうしな。
何時かは、となるのであろうが。
これも、中々と難しい話か……
(またため息が出そうになって、呑みこむ)

はは、中々と良い趣味をしておられるのである。
(相手の返答に、向けるは笑み混ざりに喉を鳴らす音)

奇遇であるな、我も空中散歩に行く前に、バイトをな。
食事もまだ済ませておらぬし、お腹ペコペコであるよ。
(ぽんぽんと、掌が自分の腹を叩き。
相手が動き出すのをといと待ってから、己も足を動かして)

それでは、もう暫くと。
答えの出ない問答をしながら、行くとしましょうか、ヤエよ。
(続いて響く、軽い足音。
下へとたどり着くまで、もういくつか、何かを交わした事だろう)

ご案内:「大時計塔」からギルゲイオスさんが去りました。