2015/09/20 のログ
ご案内:「大時計塔」に音無 新さんが現れました。
音無 新 > (音無新は、つい最近この島へと来たばかりである。暇を見つけては校内だの校外だのと散策する毎日。
本日出向いた先は夕暮れの時計塔、ひょんな事からこの場所の事を聞き
まだ行った事が無いなら行ってみなよ、と言う事で赴いた次第である。)

「――…ん。誰も居ないみたいだね。一応ここって立ち入り禁止の筈なんだよなぁ…。」

(立ち入り禁止と言う割には扉に鍵も無い、見張りが居る訳でも無い、そもそも人の出入りした感じが残り過ぎている。
立ち入り禁止とは一体…等と考えながら進める歩み、腰を下ろした先は本来あってはいけない筈のベンチ。
おあつらえ向きに景色を堪能出来るような位置にあるソレ。)

音無 新 > (折角の自由時間である。手ぶらでこのような場所に来てはいけないとの天啓に従い、腕の中には紙袋が抱えられている。
その中に手を突っ込んで中をまさぐれば、取り出したるは白い湯気の立つ中華まんである。)

「……立ち入り禁止場所で買い食いとか、まるで不良みたいだなぁ。」

(買い食いなんて風習が無かったのだから、これすらも新鮮で仕方ない。
周囲に音符マークを散らし回るかの如く上機嫌なままに、まだ熱を帯びた中華まんを口へと運ぶ。
中身は、オーソドックスなあんまんであり、程よい熱気と、その熱気によって際立つ甘さに幸せそうに頬が緩んだ。)

「はふ。…むぐ、ん。……これは、ちょっといいかも、」

音無 新 > (普段から規則に従って生きて来たタイプの人間なので、こういった小さな事すらも謎の高揚感がある。
見つかって注意でもされたら何も考えず逃げよう、なんてキョロキョロと辺りを見回して退路も考えておく。
その最中も続けられる咀嚼。難しい事を考える思考能力を放棄するくらいには幸せである。
何時だって甘い物は正義。うんうんと頷きながら口の端についたあんこを指で掬っては、ぺろりと舌で舐めて。)

「これは癖になるかもしれない…ウン、また買いに行こう。
……さて、と。………アレ?……えぇ?……お茶買うの忘れてた。」

(手に持っているのは中華まんの入った紙袋のみであり、それ以外には何も無い。
買ったつもりではいたらしい、まさかの買い忘れに、ガックリと項垂れて…まぁ、それでも食べる手は止まらない訳ですが。)

音無 新 > (お茶は諦めるしかないので視点を変えて外の絶景の景色へと目を向ける。
残りの一欠けらを頬張ってしまい、口に広がる甘さを堪能した後に、ゴクリと飲み込んでしまい
目を細めては指を一度舐めた後に広がる光景を真っ直ぐと眺めて。)

「まだまだ行ってない場所が一杯あるし行ってみないとね。
長い間世話になるんだから地理はしっかりと把握しておかないと…。」

(立ち入らない方がいいと言われた落第街の方へと向ける眼差しは微かに鋭い。
光の当たる場所ばかりではなく、暗部も把握ぐらいはしておいた方がいいだろう、なんて思いながらゆっくりと立ち上がる。)

「さて、と。それじゃ行こうっかな。」


(制服についた埃を手で払えば音無は、ゆっくりと歩き始める。
人目につかないように歩き食いに興じながら、もうしばしの間、散策を楽しむとしようか。)

ご案内:「大時計塔」から音無 新さんが去りました。