2015/09/21 のログ
ご案内:「大時計塔」に百瀬千尋さんが現れました。
■百瀬千尋 > 盛夏に比べて弱まったとはいえ、照りつける陽光はまだ強い。
だが、ここは風吹き舞う時計塔だ。その日の強さも風によって心地よい。
「よっと。誰も、いないよね」
■百瀬千尋 > 「あ、こっちですこっち。誰もいないです」
後ろに向かって呼びかける。
ご案内:「大時計塔」にバラルさんが現れました。
■バラル > 「よいしょ、と。立ち入り禁止らしいけど、ザルねぇ……」
さっくりと大時計台に足を踏み入れて、周囲を一瞥する。
――常世島が一望出来る、というのもあながち嘘ではない様だ。
■百瀬千尋 > 「話を聞いても風紀が入ってくるってこともないみたいですよ」
近くを見下ろすと、その高さにくらみそうになる。
遠くを眺め直し、指さしてそれぞれの地区がどのあたりにあるかを見定めようとする。
「すごいですよね。どこだって見える……」
■バラル > 「こんな所にかまけている暇もないでしょうからね。特に最近は――へぇ」
眺め指差す様子に、小さく微笑む。
はしゃいでいるように見えたのだろう。
「そうね。流石と言うべきかしらね。……千尋はこう言う所は好きなのかしら?」
■百瀬千尋 > 「好きですよ。高いところって気持ちいいから。
そんな広くないからずっといると退屈になっちゃいますけどね」
そう言って笑う。
「バラルさんはどうです?」
近くに歩み寄って向き合って、聞こえやすくする。
風が強めに吹いて声が流れていくから。
■バラル > 「嫌いじゃないわね。
あまりにも暑かったり、寒かったりすれば考えてしまうけれど。」
軽く髪をかきあげ、風に靡かせる。
■百瀬千尋 > 「……きれいだなあ」
■百瀬千尋 > 「……あっ。……そうですよね。
今日は良い日だなと思って誘ったんです。
風で気持ちいいくらいの日のほうがいいかなって」
慌てるように言葉を続ける。
「僕はここにきて慣れてきたところですけど、
一日が一週間くらいに感じますね。
危ないところに行くと大変な目にあっちゃうから」
■バラル >
「へぇ、やっぱりと言うか何というか、随分と頑張っている様ね。
……ま、危険には事欠かないわ。この島は。週刊世界の危機よ。」
(おかげで商売上がったりだわ。強豪相手が多い上にひっきりなしね。後300年ぐらいは様子を見ていようかしら。)
七英霊、白い仮面の男、ロストサイン、エグリゴリ、それとTCB――は違うか。
いずれにせよ、挙げればキリがない。最近は風紀委員会も危険と聞いている。
まぁいいか。一息付いて――
「所で――」
ごそごそと鞄を漁り、レジ袋を取り出す。
流石に手作りではなく市販品だ。とは言え、用意していた事は事実だろう。
レジ袋を広げ、4つほど放り込まれたおにぎりとお茶を見せる。
レシートに打ち込まれた日付ば、つい先程――今朝のものだ。
「食べるかしら?」
■百瀬千尋 > 「やりたいことはいっぱいあるんです。
自分の力をもっと磨かなきゃいけないし。
知らなきゃいけないこともたくさんあるし。
……バラルさんとももっと……なんて」
途中まで言ってから言いよどみ、
「良いんですか? 食べても?
……いただきます」
すぐさま嬉し顔を見せて、おにぎりを掴もうとする。
■バラル >
「ええ。適当に選ぶといいわ。
……で、私と、何かしら?」
おにぎりを掴んだ頃合いを見計らい、千尋の鼻先へと艶めかしい所作で人差し指を近付ける。
■百瀬千尋 > 「聞いてたんですね。
……もっと仲良くなりたいって言いたかったんですよ」
人差し指を近づけられ、顔が上気する。
■バラル >
「へぇ。今も大分仲が良いと思うけれど、
今の仲では不満なのかしら?」
やや顔を赤らめた千尋の鼻先から、頬へと人差し指を滑らせる。
頬まで持っていけば悪戯げにニヤついてみせてから、残る四本の指も使って、千尋の頬を覆う。
「――ふふ、少し意地悪だったかしら?
それとも、期待しちゃったかしら?」
■百瀬千尋 > 「今よりももっと仲が良くなったほうが、
もっと楽しくなると、思うから……」
頬を覆われ、顔がみるみる、より赤くなる。
「……う、う。そりゃ……」
■バラル > 「全く、おませさんねえ。」
からかうように笑ってみせてから手を離し、おにぎりを一つ取り食す。
それ以上には答えず、言及はない――お預けの生殺しと言わんばかりに、しれっと話題を打ち切ってしまう。
■百瀬千尋 > 「うう……」
満たされない感じを抱いたまま、
おにぎりをもさもさと食べる。
お茶ものどを鳴らして飲んでいく。
■バラル >
――ふと、一陣の風が過ぎる。
その風はふわり、と、バラルのスカートをめくり上げた。
黒のレース。
この瞬間に見えた股座は、女性のものだ。
■百瀬千尋 > さっ、と風が吹いたときに。
ちょうど千尋はそのめくり上がった黒のレースを見てしまう。
視線を外すのは、意識的にやや遅れる。
「……っ……」
声を出すのを必死に抑え、身体の血流が激しくなるのを感じる。
■バラル >
「あら、悪戯な風も吹くものね。
……それはそうとおにぎり、美味しいかしら? それともパン――の方が良かったのかしら?」
見られたであろう事実には動じる素振りはない。
千尋を見て笑いかけつつ、パン の方が良かったのかと問うだろう。
■百瀬千尋 > 「……な、なんのことですかっ!
パン、ぱんもすきですけどっ! おにぎりも好きだからいいです!」
――バラルさん、僕をからかってる?
そのためにわざと……?
■バラル >
「ふふ。それは良かったわ。
……と、そろそろ冷えてきたし、景色にも飽きてきたわね。
そうねぇ――そろそろ、次の場所に向かわないかしら?」
ゆっくりと伸びをして姿勢を整え、提言する。
千尋の動揺も思案もなんのその、と言わんばかりの振る舞い。
■百瀬千尋 > 「そ、そうですね、どこにいきましょう?」
言いように弄ばれていることだけはわかってくる。
バラルさんはやっぱり僕のことを子供としか見てくれないのか……
次は振り向かせてやるっ。
「バラルさんの好きなところが良いです
……なければ僕が良いと思うところでも」
■バラル > 「じゃあ――千尋の良いと思う所を誘って貰おうかしら。」
耳元で、甘い声を出して囁く。
ささやき終えれば、千尋の眼を見て笑う。
■百瀬千尋 > 「わかりました、じゃあ、行きましょう」
蕩けそうな声に頭をやられそうになるけれど、
こらえて。
自分もバラルに微笑みかけてから、
塔の階下へと、バラルに合わせて歩みを進めていく――
ご案内:「大時計塔」からバラルさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から百瀬千尋さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に山頭火 紅さんが現れました。
■山頭火 紅 > 夕方頃。いつも通りに学校を終わらせ、それなりに学生生活にも慣れてきた頃、
冒険でも出るかのような感覚で前々から気にかかっていた時計塔へ訪れる。
学園からそこまで遠くない場所ではあるのだが、訪れた事もない場所に行くのは彼、彼女にとっては冒険そのものであった。
山の頂上を目指す登山家のように一歩一歩を踏みしめ、
その頂上からの景色を楽しみしながら階段を登り続ける。
やがて、その階段が終わり夕日が差し込む時計塔の頂上までたどり着くとその景色に思わず「わぁ…」と紅は感嘆の声を上げる。
その風景はどこか故郷を想起させるような夕暮で、心の何処かで故郷を恋しく思ってしまった。
「なんで…ココに来たんだろうなぁ…」
良く夕日が差し込む位置に胡座を書いて景色を眺め続ける。
そこから夕日色に染まった街と海、そして今から家に帰ろうとする生徒の数々が見えた
■山頭火 紅 > ここの暮らし、というよりこの時代の暮らしに慣れて来たと言ってもいいぐらいにスマートフォンの使い方も覚えた。
『漢字』の書き方も粗方練習した。
故郷の言葉が英語で一括りにされている事にも驚いた。
学園内の身の振り方も覚えた。
「でも、外の空気って言っても何か違うよね。
こう………狭い?難しく言うと幽世みたいな。」
馬鹿の一つ覚えというより知った言葉を早速使う阿呆の図というべきだろうか。
常世と幽世はほぼ同義と言われてもおかしくはない。
寧ろ常世島の事を幽世島と言っても殆ど意味は変わらない。
変わるといえば語呂ぐらいだ
「これはこれで…楽しいからいいけども。
あまり男の喋り方してると元の喋り方忘れそうでやだなー…
いや山頭火紅だから世間的には間違いじゃないんだけど」
そんな事を呟きながら床へ仰向けに寝そべって真上を眺める。
歯車と歯車同士が重なりあい、この時計塔の分針を動かしている。
「どうせ動かすなら…分針じゃなくて時針か、それ以上のもの動かしたいよね」
■山頭火 紅 > 「…えーと、こうだ」
スマートフォンを取り出してカメラ機能を起動する。
別に意味も無ければ、ただ貴重な風景という訳ではない。
言うならば今撮ろうとしているのは時計塔に仕組まれている手品のタネを撮ろうとしている。
それを真似をしようとしている訳でもない、そこにある歯車に魅力を感じた訳でもない。
それほどに何も意味はない、山頭火の、アカズキンの気まぐれな性格の表れであった。
*カシャリ*
こうしてスマートフォンに時計塔のタネが一つ映された。
真似しようとして出来るものではないし、何か特ダネになるものでもない。
「…フフッ」
一枚の何の意味も無い写真が紅に笑みを与える。
文明の利器というのは時として心に空いた穴を埋める事が出来るのだろう。
■山頭火 紅 > *カシャリ*
*カシャリ*
その後2回シャッターを切る音が聞こえる。
1枚はもう一度時計塔の内部を。
もう一枚は時計塔から見える夕日に染まった街の風景。
好きな風景を好きな時に自分の端末に保存出来て、尚且ついつでも見る事が出来る。
「この時代は凄いなぁ…」
人と自然が混ざる風景。
そういうものに魅力を感じ始めた紅の手は止まらない
カシャリ、カシャリと1枚、2枚と同じ場所を何枚も何枚も撮り続ける。
しかしその端末にも限界はある。
しばらくすると少しのバイブレーションと共に端末の画面がブラックアウトしてしまう。
「…あ、電池切れちゃった。残念。充電しなきゃだよね」
端末を鞄に戻すと階段をまた一歩一歩と降りていく。
山頂を楽しんだ後だとこの階段は降りたくないという気持ちもあるがお腹も空けば時計塔の頂上で立て篭もる訳にもいけない。
「ま、楽しい冒険だったよねー」
そんな事を口走って一段とばしに階段を降りていく。
寮へ帰ったからといって悪いことが早々起きる訳ではないのだから
ご案内:「大時計塔」から山頭火 紅さんが去りました。