2015/10/22 のログ
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
> 時計塔の中間あたり、
座りやすい石段に座り込み図書館から借用した一冊の本を一枚一枚めくり、
喋ることなく黙々と読み続ける。
遠方から学園祭の賑わう音と声がきこえてくるが、
それを意識することなく視線は本に向いたまま。

僅かに肌寒いこの季節の夜。
制服だけではこれを凌げないと思い・・・。

「少し寒い・・・、かな。」

鞄の中をゴソゴソと漁り用意していたマフラーを首にかける。
若干ぬくもりを取り戻したからか、
表情はちょっと緩んでホッと一息つく。

再び一冊の本へと視線を向けて続きを読み出す。
きこえて来る音は心地よい時間を刻む時計塔の音だけ・・・。

> 本を読み続けて数分の事、
文章のきりの良い所で文字を追う目を留めと、
その眼を閉じてゆっくりと本も閉じる。

「・・・。」

暫くの間沈黙が続き静止すると、
ふぅ、と小さく吐息を零す。
読んでいた本を鞄の中に仕舞えば、
座っていた石段からゆっくり立ち上がる。
若干眠たげな垂れ眼でぼーっと外の様子を見る。

「・・・」

言葉はなく何か思いついたのか、
鞄を持って落ち着いた足取りで、
時計塔の階段を手すり沿いにゆっくりと一段一段登りだす。
そのペースは非常に遅く頂上に着くまでには何時間も掛かってしまうほど・・・。

> ペースはずっと変わらないまま、
ゆっくりと登り続けて暫くの事、
漸く時計塔の頂上へとたどり着く。
息を切らした様子もなければ元気な様子も見えない、
やっぱり眠たそうぼんやりとした様子。
マフラーは途中で暑いと感じたからかはずしたらしい。

フェンスも何もない頂上のスペース。
一歩踏み出せば落下してもおかしくない位置へと歩き向かい、
足場がなくなる手前で立ち止まり、
さえぎる物一つ無い風に吹かれて町並みを見下ろす。

「綺麗、かな。」

肌寒い風もなんだか此処では心地よく感じた。
大きく深呼吸して暫くその風景を眺めて。