2015/11/27 のログ
渡辺慧 > 「じゃあ、楽しそうで」

楽しもうとしてるのを態々言及するのも無粋だ。
首をすくめ、何をそんなにやさぐれてるのか、そんなことを聞きもしない。

……。あぁ、察しが悪い。
今のそれを言わせるのはなんとも……ばつが悪い話だ。
頬をかき。

「……友達だろうよ。さて、きみが友達だと言ってくれるならだけども」

ふぅ、と息を吐く。白さが暗い中でも際立って見えた。

「……弁明の機会はもらっても、よろしいですかね」

磐野 州子 > 「イェス。マイ・フレンド。ですよ
 …しかし、その言い分だとすると私が知り合いと言ったら知り合いに、親友といったら親友って感じになりそーですね?」

ふと思いついた事を言ってからかってやろうか、という悪知恵が働いたが、一先ず忘れておくことにした。
内容が内容だった為に場合によってはそれは洒落にならない

「弁明……?ま、聞くだけ聞いてやるです。」

本来なら聞く必要もなければ、謝る必要もない。
どちらかというと謝るのは州子の方なのだが…先手を打たれてどうにも謝る機会を逃しているのもあるが

渡辺慧 > 「注文が多いですね、州子君は」

そして問題は、当然のように何事にも一言多い自分なのだろうけど。

「……オウケイ、ユーアーマイフレンド」

適当な発音、適当な言葉。
だれた表情でカタカナのままに。
多分それが、彼女との友人関係なのだろうし。
――何を言おうとしたかはもちろん分かりはしまい。

「ま……ほら。……怒らせたかと思ってたしさ」

正直な言葉。自分は他人からの評価で成り立っているような気すらする。

磐野 州子 > 「イェーイ。ケイ、イズマイフレンド。ハハハー…
 州子はそんな簡単に怒らねーですよ。
 怒ったら州子の右手でそっと触れるだけで終わるですから、ね?」

にっこりとこの上ない笑顔で微笑む。
州子の右手、もとい両手は触れただけで爆発してしまうというとんでも能力。
人によっては生き残るかもしれないが、まずただでは済まないし、州子自身もただでは済まない

「…ま、怒らせたと思うならどっか連れて行くとかしたら州子は喜ぶですよ?」

話の方向を出来るだけ変に逸らさないように、
刑務所から脱走するために檻をヤスリで削るように少し話題を変えていく。
正直―――慧がどこかに連れて行ってくれるという期待はしていないが

渡辺慧 > 「……オーライ」

改めて。肩をすくめて降参の意。
この常世学園に、自分が舌戦で敵う人物などいないのだろう。

「君は俺の友達。君が撤回してもそれは変わらんよ」

これで、どーだ。とでも言うように唇の端だけを上げ、ゆがめて笑う。

「んじゃ、飯でも……いや」

言葉を止める。ありきたりではあったが悪くない選択肢、だが。

「……考えておくよ」
季節は変わっているのだ。

いつの間にかに止んだ雨に、持っていた傘を閉じて。
手すりに寄りかかって、何でもないように。

「……バイトでもするかねぇ」
ふと、何となく思いついた言葉を、小声で、独り言のように零した。

磐野 州子 > 「考えておくんですか…まぁ、近いうちに期待だけはしておくです…ちょっとだけ、です。」

過度にプレッシャーをかけるとその影響をおもむろに受ける人物ということを思い出して後からちょっとという言葉を付け足す。
そもそも慧とどこかに行った記憶といえば海と今の研究室ぐらいで、あまりどこかに遊びに行ったという記憶はない。
そう思うと、もう少し彼との思い出ぐらいは欲しくなる訳で。

「バイトするなら…州子のところ紹介するですよ?
 …でも慧が接客してるのって似合わねーですね。」

少し想像する。
慧が無表情で接客している絵、会計を済ませてる絵。所々棒読みで再生される慧の声。
そんなものを想像すると州子には笑いを堪えるなんて事は出来ずに笑うどころか咽てしまう程であった

渡辺慧 > 「近いうちに、ね」

断言はしない。曖昧な言葉こそ自分の持ち物だ。
……まぁ、この季節にどこに行くか等、たいして思いつけるほど脳は活性化できていない。
ため息をついて、さて。少しばかりの試案に耽った。

そんな中聞こえてくる笑い声に。

「……ご期待通りの物をお見せできなくて申し訳ないね」

皮肉とも取れる言葉を返し。
そして、手すりから体を離した。
最後の一口、缶コーヒーを流し込むと、背を向けて歩き出す。

シシシ。

風邪引くなよ、と。おざなりな言葉をかけて、後ろ手に手を振った。

「またね」

空を見上げ、晴れ間が見え始めた空を睨むと。
そのまま……その体は時計塔の屋上から姿を消した。

ご案内:「大時計塔」から渡辺慧さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から磐野 州子さんが去りました。