2016/01/26 のログ
ご案内:「大時計塔」に城 北風さんが現れました。
■城 北風 > 寒風吹きすさぶ屋上に、一人の男子生徒が姿を見せる。
立ち入り禁止など知ったことではない、と言わんばかりに堂々と侵入し、ごく当たり前に手すりの上によじ登る。
「ふむ…… 素晴らしい風だ。我を歓迎している」
ビュービュー吹く風に服も髪もバタバタなびいており、ともするとそのまま落ちそうだが、男子生徒はバランスを崩す様子もなく、しばし辺りを見回す。
以前は(住む場所がなかったため)少々みすぼらしかった学ランが幾分小ざっぱりとしているが、頭にはバイクに乗るときに使うようなフルフェイスのヘルメットをかぶっている。
怪しさ1000%だ。こんな男を通したと知ったら警備員は間違いなくクビになるだろう、というくらい不審者丸出しである。
■城 北風 > 寒風吹きすさぶ屋上に、一人の男子生徒が姿を見せる。
立ち入り禁止など知ったことではない、と言わんばかりに堂々と侵入し、ごく当たり前に手すりの上によじ登る。
「ふむ…… 素晴らしい風だ。我を歓迎している」
ビュービュー吹く風に服も髪もバタバタなびいており、ともするとそのまま落ちそうだが、男子生徒はバランスを崩す様子もなく、しばし辺りを見回す。
以前は(住む場所がなかったため)少々みすぼらしかった学ランが幾分小ざっぱりとしているが、頭にはバイクに乗るときに使うようなフルフェイスのヘルメットをかぶっている。
怪しさ1000%だ。こんな男を通したと知ったら警備員は間違いなくクビになるだろう、というくらい不審者丸出しである。
■城 北風 > 「ふむ…何か2回行動をしてしまったようだが、我はあまりそういうことは気にしないタイプだ」
言い訳らしきことを口にすると、手すりの上でくるりと向きを変えて屋上へと降り立つ。
「受信状況は悪くはないようだ。
3日もかかったのだから、これで使い物にならんとなれば如何ともしがたいところであったが」
何やらブツブツ言いながら、(フルフェイスヘルメットのせいでもごもごとくぐもって聞こえる) ポケットからスマートフォンを取り出す。
ヘルメットの右のこめかみ辺りにあるジャックにケーブルを差し、反対側をスマートフォンのUSB用ジャックに差し込む。
「……… よし。繋がるな」
特にスマートフォンの画面を見ることもなく、片手の指だけで画面をなぞり、操作している。
顔はどこか中空を見たままだ。
そのうち、空いている手で学ランのポケットから板チョコを取り出し、ヘルメットの首元の部分から無理やり押し込み始めた。
…食べているようだ。
ご案内:「大時計塔」に城 北風さんが現れました。
■城 北風 > 「次は分身か!」
■城 北風 > 「……少々取り乱したな」
もごもごと口を動かしながら、屋上にぽつんと立っているフルフェイス学ラン不審者。
日向ぼっこのハトすらも寄り付かず、日の当たる平和な屋上に、どことなく異様な空間を作り出している…
■城 北風 > 「屋上では問題ないが、我が塒ではどうにもうまく接続が…
あの館は極めて居心地がいいのだが、電子機器には少々酷な環境であるな。
日当たりがあまりよくないから窓の結露もすごいし、適当な場所に置いておくと基盤とか錆びそうだ。
しかし! 塒にすらもそのような試練をお与え下さる我が神に感謝こそすれ、不都合に思うようなことは決してないと断言しよう…」
つい最近知り合った善良な生徒に紹介してもらった塒(アパート)は、何だかんだで気に入っているようだ。
片手で器用に板チョコを細かく折り、定期的にヘルメットの下から押し込んでいる。
■城 北風 > 「………」
スマートフォンを操作していた指が止まる。
「…やはり未開拓地区は映らんか。それに実習地区の辺りもジャミングが酷いな。
恐らく他の連中の異能が邪魔をしているのだろうが…
最新の観測機の結果を捻じ曲げる程の異能…空間の歪みとは、一体どういう仕組みなのだ」
板チョコを食べる手を止め、パッケージごと乱雑にポケットに押し込むと、代わりに手帳を取り出した。
「神は告げる。我が指はペンに、我が意思はインクになるだろうと」
「はい。我が指はペンに、我が意思はインクになるだろう。」
一人で言い交す。と、視線はどこか遠くを見たまま、指先で手帳にさらさらとメモを取り始めた。
手帳はごく普通の紙の手帳である。
■城 北風 > 風に吹かれてはためいている手帳に指先でさらさらとメモを取ると、再度それをポケットにしまい、
先ほど食べかけだった板チョコを取り出した。が、
「……!?」
パッケージが風に吹かれ、飛ばされてしまった。
「わ…… 我の昼食が……」
呆然と立ち尽くすフルフェイス学ラン不審者であった。
やんごとない事情で金がない男子生徒が、少々無理して買った好物なだけに、かなり残念そうにうなだれている。
■城 北風 > 「うぐ………
はぁ。まあいい。目的は達成された。
あとは塒に帰還して微調整を行うだけだ。
…にしてもこれはものすごく重いし暑いな。要改造であるな。」
どうやらやるべきことを終えた男子学生。
フルフェイスをようやく脱ぎ、少々上気した顔で息苦しそうに数度深呼吸をする。
「……よし。午後の授業には間に合うな。」
スマートフォンを見て時間を確認し、男子生徒は屋上を去っていった。
ご案内:「大時計塔」から城 北風さんが去りました。