2016/05/19 のログ
ご案内:「大時計塔」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 柵から乗り出して景色を眺める男が一人。
強い風に首に巻かれたタオルがばっさばっさと靡いている。
高所恐怖症の者がみたら気絶しそうな光景だが本人は気にしていない。

「いやあ!やっぱり高いところはいいな!」

真乃と何とかは高いところが好きとは風紀委員の先輩が言ってた言葉だった。
この島の全てが見渡せるこの時計塔。今の時期は特に植物の緑が鮮やかでいい感じである。

真乃 真 > いや、今日ここに来たことに特に理由はない。
ふと、時計塔が目に入ったとか空がきれいだったとかそれぐらいのものだった。

「うーん、何人ぐらい人いるんだろうこの島?」

学園の生徒、学園の教師、店の店員、研究者、不法入島者、二級学生、etc…。
学園が発表してる数より大分多いとは思うけれど具体的な数は全く分からない。
…とりあえず、今見えるこの範囲にそれだけの人が暮らしているのだ。

真乃 真 > 「よいしょ。」

柵に座って下を見る。流石にここから見て困ってる人がいるかどうかは見えない。
学生街にいるかもしれない、歓楽街ならトラブルも多くあるだろうし、落第街は言うまでもない。

「うーん、あそこらへんで困ってそうな気がするような…?」

結局、自分の目で見えるところまでが真の人助けの範囲なのである。
風紀委員を辞めた個人としての助けを求める声が聞こえる限界。
もし、その声が聞こえたところで助けられるとも限らないのだが。

真乃 真 > 「なんか、高いところにいると無駄に色々考えちゃうな…。」

良くない癖である。
とりあえず思いっきり伸びをして立ち上がろうと…。

「あっ。」

身体を唯一支えていた策は体から離れ足が付くはずの地面はどこにもない。

「しまった!!」

真乃 真 > 真の異能はポーズが変わった瞬間だけ完全に静止する。そう、それが落下中であっても。
その異能を使って、速度を落とす。それを何度も繰り返す。
この異能がある限り高所からの落下で死ぬことはないだろう。

――数十分後。

…無駄に色々考えてたせいでうっかり落ちてしまった。
時計塔を見上げて溜息を吐く。
流石にもう一回ここを上りなおす気力はもうない。

うん、これからは高いところでごちゃごちゃ考えるのは止めよう。

ご案内:「大時計塔」から真乃 真さんが去りました。