2016/08/10 のログ
ご案内:「大時計塔」に化野千尋さんが現れました。
化野千尋 > 時刻は所謂丑三つ時。
最初に風紀委員に見つかって、反省文を書かされた大時計塔。
今回ばかりは、自分が悪いことをしているという自覚を得た上で訪れた。
ゆえに、時間も風紀委員も寝静まっているだろう深夜を選んだ。

どうしても、高いところに行きたくなる時というのはある。
何かを考えたいときとか、なんとなく景色を眺めたくなったりとか、
何かしらの刺激が欲しいとき、だとか。

そんなときに、この大時計塔はぴったりだった。
明かりの控えめな学生街に、奥には明かりが煌々と輝く歓楽街。
化野千尋は、そんな時計塔の隅に座って足を泳がせていた。

化野千尋 > 背には図書館で昼間のうちに借りていた本を数冊と、ゲームの攻略本。
それから2リットルの大きめのペットボトルのオレンジジュース。
おまけに大量のスナック菓子。
大好きを詰め込んだリュックサックを背負って、手には携帯ゲーム端末。

携帯端末は自分の傍にそっと置いて、黙々とゲームを続ける。
ときたま止まったかと思えば、端末を操作してゲームのwikiを見る。
また再開して止まったかと思えば攻略を見る。
化野は、ゲームの攻略情報を見ることにあまり躊躇いを覚えない人種のようだった。

合間合間に、風紀委員や先生に見つからないように何度か階段のほうを確認する。
深夜、暑さも紛れて過ごしやすい時頃。中々に快適なものであった。

化野千尋 > カサカサと音を立てて、ポテトチップスの袋を開ける。
勢い余って何枚か下に落ちたが、「あ」と小さく呟くだけで終わった。
ゲーム機に油がつくのも大して気にしないのか、油のついた手でまたゲーム機を触る。

暫く繰り返した直後、「あ!」と、思い出したような声が上がった。

「そうだ、異邦人街にゆくのをすっかり忘れておりましたねえ」

パタン、とゲーム機を閉じる。
リュックに仕舞って、携帯端末を手にとって『常世島 異邦人街』で検索。
画面を流れるように出てくる画像の数々に、おお、と感嘆の溜息。

「これ、さっきやってたゲームと大して変わらないような気がするのです、が」

継ぎ接ぎカラフルな建物に、見たことのない――現実では――食べ物たち。
一言で言ってみれば、ゲームみたいな街だった。実際に行ってみないとわからないのだろうが。

化野千尋 > 「ようし。
 それじゃあ、明日は異邦人街のほうへとゆきましょうかあ。

 朝帰りなんてしてたら、あにうえに怒られちゃいますし」

荷物をリュックサックに仕舞って、食べきったチップスの袋もきちんと折り畳んでポケットへ。
忘れ物がないか暫く確認したあと、意気揚々と階段を降りていった。

ご案内:「大時計塔」から化野千尋さんが去りました。