2016/08/13 のログ
ご案内:「大時計塔」に羽切 東華さんが現れました。
■羽切 東華 > こちらに転入してきて今夜で二日目…いや三日目?慌しくてよく覚えていない。
生徒は基本立ち入り禁止だとは聞いていたが、かなり高くて景色も良いと小耳に挟んだこの大時計塔。
それならば、こっそり昇ってみようと思う好奇心は止められないものだ。
それが、ド田舎から来たばかりのお登りさんなら尚更に…。
「…すげぇな。都会ってこんなデカい人工物があるのか…」
(俺の田舎なんて、高いのなんて山ばかりだったしなぁ…)
と、そんな心のボヤきはさて置き。気配や足音を極力殺して時計塔に潜入。
体力には自信があるので、これだけ高くても階段を登るのは苦にならない。
意気揚々、という程でもないが多少のワクワク感を胸に最上階まで速いペースで登っていこうか。
■羽切 東華 > 「…けど、立ち入り禁止なのに警備の人も居ない、っていうのは地味にザルな気がするんだけどな…」
いいんだろうか?まぁ、だからこそ自分はこうして割と楽に時計塔に入れた訳だが。
そんなこんなで黙々と登っていたら最上階に到達する。早速景色を眺めてみんと。
「おぉ…おぉぉ~~…!!」
すげぇ、と呟きながら伊達眼鏡越しの三白眼を丸くして驚きと感動を露に。
景色所か島の輪郭とかも分かりそうだ。歓楽街とか異邦人街はあっちだろうか?
「歓楽街とか異邦人街も、慣れてきたら一度行ってみたいよなぁ…。」
沸き立つのは好奇心。「恐怖」の感情が欠落している故に、不安や恐れというものが無かった。
異世界の住人とはまだ遭遇した事が無いし…いや、昨夜ロボットさんとは遭遇したが、それはそれだ。
如何にもファンタジーな者も数多いだろう。どんな連中が居るのかそこは純粋に楽しみであった。
…とはいえ、まずは学園内の施設やその周辺の地理の把握、そして通常の学校とは全く違うこの常世学園独自のシステムにも慣れないといけない。
「…と、いうか都会暮らし自体が初だしなぁ……あ、携帯電話も買わないと」
ご案内:「大時計塔」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
■那岐夜車丸汀 > 蝙蝠の群れが大時計塔の上を飛び回る。ひとしきり飛び回った後はその蝙蝠たちはどこかへ飛び去って行く。
いつの間にかいる いつの間にか屋上にいる。
いつからいた? 気配が急に現れる 瞬きの合間に現われている。
屋上へと繋がる階段を上がった形跡はない、空から降り立った様子でもない。
その存在はいつの間にか大時計塔の手摺に腰掛ける様にいたのだ。
「ごきげんよう。」
挨拶は大事だと思い、お邪魔を致しておりますよ、的に声をかけては見たのだ。
そのテラスに腰掛けたまま 器用に手を胸に添えて会釈をしながら、を。
■羽切 東華 > 「―――…!!」
まず、気付いたのは無数の羽音。アレは…蝙蝠だろうか。しかし、その無数の羽音も直ぐに通り過ぎてしまう。
…そして気付いた。ついさっきまで居なかった存在、気配が直ぐ近くにいる事に。
そちらへと視線を向ければ、とても月並みな表現で申し訳ないが美女が一人。
「ご、ごきげんよう?…って、えーと、ども。こんばんわ」
恐怖は麻痺していても動揺はするし驚きもする。
何時の間にかそこに居た美女を凝視しつつも会釈と挨拶を返す…不恰好になってしまったが。
「…むしろ、どうやってここに?階段を登ってきた訳じゃないみたいっすけど」
至極当然の疑問を突然の来訪者たる美女へと投げ掛けてみようか。
■那岐夜車丸汀 > 蝙蝠に気を向けさせてその合間に現われる そんな芸当をしただけ。急に現れたのはとある技を使っただけだ。
例えでいうのであれば手品の種としては非常にシンプルで在り
その手の技能が出来る者にとっては朝飯前の小技。
驚かせて、その顔が見られただけでも僥倖としつつも、テラスから軽やかに降り立ち
「こんばんわですよ? 一寸した手品です。階段を使わなくても此方に来れるという、手品を」
碌に答え無いようだ、美女と称されるには…いやそう思われているとは全く気付かず、
適度な距離適度な歩み方でゆっくりと近づき 適当に立ち止まってから、此方も 一応 委員としての仕事を。
風紀委員としての仕事を。
「貴方様は 生徒でしょうか? 此方大時計塔の屋上は校則に御座います様に、
屋上は高さがありテラスだけですので落下防止の為、原則禁止の処置がされている筈ですが、
何故立ち入りをされていらっしゃるのでしょうか?私 風紀委員として 貴方様にご質問を致しますが?」
「つきましては 生徒手帳の提示をお願い致しますね?」
風紀委員としての紅い制服や腕章、は今装備していない。腕章は持ってはいるが身に着けていない。
だが、委員としての責務はしようと思い 真っ当な?質問を彼へと投げかけたい。
■羽切 東華 > これが戦いでの駆け引きの一環ならば、まだ勘が働いて多少なりともタネが見破れるだろう。
…だが、このような平時に、しかも手品そのものに疎い田舎者にはそれこそ突然現れたが如し、だ。
軽やかにテラスから降り立つ、和装…に、しては少し独特な格好の相手を眺めつつ。
「え?そんな便利な手段が?…むしろ、手品なんて人生初っすよ俺」
問いを重ねてみるが、何処かはぐらかされてしまいそうな気もする。
が、それでも構わない。ただ好奇心のままに尋ねただけ。…だが、そこでフと嫌な予感が。
「あ、ハイ……(やべぇ、風紀委員の人だったのか…!?)
えーと、この大時計塔からの眺めが最高に良いと小耳に挟みまして。
で、まぁこちらに来たばかりの自分は好奇心に負けてつい……すいません。」
と、素直に語り素直に謝り、更に転入手続きの後に渡された生徒手帳を掲げてみせる。
【1年 羽切 東華】という名称、学年などがあちらにも読み取れるだろうか?
(…これで済むならいいんだがなぁ。立ち入り禁止の所に知ってて入ったから罰則とかありそうだ)
内心でズーン、と落ち込みつつも逃げる事はしない。自己責任はきっちりと。
■那岐夜車丸汀 > 手品と称したこの技 全く手品ですらない。
例えで手品と言っただけであるので 実際は隠している特殊能力の一つである。
手品と称したのは まだ 己の正体については一部を除き隠しているから その技が何たるかは
見破られない限り口にもできない。つまり現状 手品と称するしかない。
「少しの努力と手先の細かさで誰でも出来ますよ?この手品は」
にこやかに あくまでにこやかに微笑むばかり。
そこでいそいそと質問後に腕章を―【風紀委員】を取り出して腕に装着しておいた。
これで誰が見ても 風紀には見えなかった だって赤い制服未着用だ。
「反抗せず 素直に手帳を出して下さる方はいい方ですね。
色々とお仕置きと称したことをせずに済みます。まぁ、もしも転落してしまって怪我をなされても
屋上に上がっていた つまり 校則破りな時点で、罰則は免れませんが。」
生徒手帳は掲げられたようだが、見えない。異能と経験と勘で動いては来たが、
手帳をじかに触らないとやはり無理なようだ。で、あるので申し訳なさそうに
「その手帳 私に渡して下さりませんか?すぐに照合は終わりますので。」
ゆっくりとだが 彼の方へと近づくアルビノで和ゴシック少女。手のひらを彼へと差し出して
こちらに 生徒手帳を置いて下さい、と言わんばかりに。
■羽切 東華 > 「努力と手先の細かさですか………いや、手先関係あるんすか?どう見ても突然現れた事と手先は関係ないような…」
危うく信じそうになったが、フと首を傾げて。先程の蝙蝠の群れが唐突に気になった。
…何だろう?何かが引っ掛かる。だが、その違和感に明確な答えを男は直ぐに出せない。
そのにこやかな微笑を眺めつつ、何故か今更に風紀委員と書かれた腕章を身に付ける様子に、
(普段からそんな付けてねぇのかなこの人…)
と、そんな内心の感想が漏れるのも無理は無いか。そもそも風紀委員の人は赤い制服だった筈。
…どう見ても独特の黒い和装ぽいそれが制服とは思えない。田舎者でもそこは分かる。
「お仕置き、ですか(婆ちゃんの拷問折檻よりはマシだといいな…)。
あと、一応このくらいの高さならまぁ、転落しても多分俺は大丈夫です。」
と、肩を竦めて苦笑い。強がりでも何でもなくそう述べた。
そう言い切る理由はあるのだが、初対面の相手に口にする事でもないだろう。
「…もしかして視力が悪い、とか?えーと、ともあれハイ」
ゆっくり近づいてきた少女に生徒手帳を渡した。と、そこで気付いた。
背中に担いだ紺色の竹刀袋。それが不意にカタカタと勝手に僅かに振動する。
「……人じゃあ、ない?」
フと独り言のような呟きが漏れた。
■那岐夜車丸汀 > 「努力と手先の細かさと足捌きですね。手品と称しているだけですが何か」
だから手品ではないと。蝙蝠自体は少女が配下として使っている蝙蝠達。使い魔にも似ているが、
特段なに使うモノでもない いや、地図造りに使った事はつけておこう。
その地図のお陰で 脱 迷子は成し得た。
普段 風紀委員として活動していないのだ、赤い制服未着用なのは自分じゃ似合わないから却下している。
だって普段から和風ゴシック衣装が常の衣装だ、その上から赤い制服は似合わなさすぎる。
尚 この和風ゴシック衣装 私服に近い。制服ですらない。
「お仕置きですね。色々と御座いますが…
そうですか? 然し 周りに示しがつかないでしょう、
その理由。転落事故起こしたら まず 停学若しくは…」
この高さから落ちても平気?目の前にいる彼は人ですか?
人の轍から外れた存在なら分からなくはない、異能で視る限り…ヒトでは?
分からない事であるしそれよりも。手渡された時点で気づかれたか、
「視力 はありませんよ。一年 の 羽切 東華 様。
…おや気づかれましたか、その竹刀袋の中身は何でしょうか?
ゾクゾクとしますよ??? ああ、すみません、手帳はお返しいたします」
にこやかにあくまでもにこやかにしていたが ゾクゾクと言ったあたりは何処となく 艶やかな笑みになっていたという。
彼へと手帳を還してから ゆっくりと下がるのは。
■羽切 東華 > 「それが本当なら、頑張れば俺も出来るかもっすね…」
努力は壮絶なくらいしているし、手先の細かさは刀を扱うのに欠かせないし、足捌きも体得している。
と、真面目に考えてみたがやっぱりおかしい。一瞬で現れたのは確実だが…。
もしかしたら凄い身体能力の持ち主なのかもしれない、という仮の結論。
未だに蝙蝠が頭の中で引っ掛かっているのだが、結び付きそうで後一歩届かない脳内思考。
そして、男は和風ゴシックな衣装を見るのがこれが初なので変わった和装という認識だ。
「まぁ、過激な拷問じゃないことを祈るとして。
まぁ、転落したら自己責任ですし死んだらそれまでって事で。」
苦笑を浮かべる。死んだそこで終わり。ごくごく当然で当たり前。
そして転落して死んだら、そもそも立ち入り禁止の場所への不法侵入。
つまり自己責任、悪いのは己という事になる。だったら落ちても――…
(例え転落死しても、別にまぁ周りに大した影響も無いだろうし)
自分の命の重さを投げ捨てて、そんな事を淡々と思いながら視線を少女に向けたまま。
「ハイ、羽切っす。これですか?まぁ、ロクなもんではないっすよ。…ちょっと面倒な刀ってだけです。」
軽く担いでいた竹刀袋を掲げてみせる。僅かに漏れるのは神気、霊気、相反する妖気や魔力。
漏れ出たそれは、彼女がゾクゾクとする感覚を少し増させるかもしれない、が。
彼女の笑顔の質が少し変化したのを見逃さない。田舎者だが本来は聡いのだ。
「まぁ、常世島は人外さんは普通みたいだから珍しいって訳でもないんでしょうね。
…あ、取りあえずそちらもお名前聞かせて貰えると幸いなんすけど」
掲げた竹刀袋をまた担ぎ直して苦笑いと共に名を尋ねたい。
■那岐夜車丸汀 > 「ええ、聡明な方でしたら割と出来ますね。」
その技の名は 縮地(歩法)だ。縮地の応用版をやっているだけだ。この技極めると
一瞬で移動したように感じ、見えるらしい。まぁ、細かい事は気にしていないので
然したる問題はあるとしたら、
「では 追って沙汰がありますが、貴殿には風紀委員より出頭命令が簡易的に出るかと思いますので、
その日時に従い 風紀委員棟に出頭せよ、と。拷問はないかと思いますが、取り調べはあると思いますので。」
今この場で権限はないので ありきたりな警告及び注意は告げておこう。
今夜の事は無論報告するけど、一応専門の委員には伝えておかねばと思う。
気づかれたっぽいのと 別に噂になる位であれば漏れても仕方のない己の正体。
現に数人及び風紀委員には諸バレしている。
伝えたところで ちょっとやそっとの対魔アイテムとかで討伐は無理な筈。
まぁ、名前くらい伝えておいても 支障はないと判断をし
「常世の島 には ヒトの他に様々な多種多様の種族が居り…
その中での…ああ、名前ですか。《こちら》での名前は、那岐夜車丸 汀 と申します。
因みに もうお気づきでしょうが、吸血鬼になります。
では 私は 責務も終わりましたので 失礼致しますね?ごきげんよう。」
吸血鬼とは伝えたが デイライトウォーカーとは伝えていない。名前も此方での名前というのみで
真名にあたる名も告げていない。色々と足りないまま、会釈をし、
今度は普通に屋上から下へと繋がる階段を下りて立ち去って行った―
ご案内:「大時計塔」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
■羽切 東華 > 「聡明…聡明…う~~~ん……」
そこで腕を組んで悩んでしまうが、フと気付いた。…そうだ縮地と似てるんだ!
男も普通に使える技能だったのに完全に失念していた。とはいえ、彼女ほどスマートに出来るかどうか。
手品=縮地が確かなら、という前提ではあるが。
「あーーハイ。反省文とか説教とかだけで済めば幸いなんですけどね…(それだけで済む訳が無さそうだけど)」
と、ゲンナリしつつも自業自得の結果だから文句もないし逆らう気も特に無い。
まさか転入三日目でプチ問題を起こすとは、分かっていたが自分は問題児の片鱗があるのでは。
「なぎやしゃまる…何か凄い苗字っすね。えーと、じゃあナギさんとか汀さんと呼べばいいのかな?
あ、ハイ吸血鬼そのものと会うのはナギさんが初めてっすけど。」
頷く。ただ、人外の存在と対峙するのは初めてとも言えない。
島の外…故郷の田舎で、祖母から人外と真っ向勝負の死闘を鍛錬の一環としてさせられた事もある。
良くも悪くも人外そのものが身近にあったから抵抗がさして無いのだ。
そして、明確に敵対する事が無い限り、刀(これ)を抜く事もあるまい。
そもそも、この刀を使うという事はそれだけで人外との殺し合いの口火となる。
出来るなら、それは極力回避したいものだと男は思う。
「あ、ハイお疲れさまですナギさん」
今度は普通に階段を下りて去っていくらしい少女に、軽く会釈をしつつ見送り。
■羽切 東華 > 「……あ~~~吃驚した。吸血鬼、か。いや、そんな事よりスゴイ美人だったなナギさん」
(あと、口には出せないがスタイル良さそうだったし…)
と、内心で付け加えながら竹刀袋を一瞥する。これを抜く時はまず相手が人ではなく人外の存在になるだろう。
だけど…。
(さっきのナギさん含めて、これから知り合う誰かにこれを抜く事が無いといいんだけどなぁ…)
《人外殺しの刀》を竹刀袋越しに撫でてから溜息。《魔剣》といい、祖母は自分をどう育てたいのだろうか。
■羽切 東華 > 既に吸血鬼の風紀委員の少女も立ち去ったのもあり、カタカタと竹刀袋の中身が震えて反応する事も無い。
人外探知機代わりに便利だが、この常世島では人外は普通に異邦人街とか中心にあちこち居るだろう。
と、なるとこの振動はむしろ邪魔な気がして来た。どれだけ人外を切り殺したいんだこの刀は。
「つか、婆ちゃんも何て物騒な刀を孫に持たせるんだよ…。
俺は斬り合いより普通に交流深めたいだけなんだがなぁ」
ボヤきながら、再び一人となった時計塔から街並みを見渡す。
都会だからこその華やかで明るい光の群れ。伊達眼鏡越しに鋭い瞳でそれを眺め。
「……婆ちゃんが俺をここに転入させたのは、やっぱ色々と裏があるっぽいけど…。
ま、俺は俺なりにやってみるさ。…取りあえず地理の把握と異能の制御の鍛錬しねぇとなぁ」
あと、友達増やしたい。交流をもっと色んな連中と深めたい。異能者でも魔術師でも人外でも何でも。
自分がここに来たのは、斬り合い殺し合いをする為ではないのだと証明したい。
同時に、まだ見ぬ強い相手との真っ向からの斬り合い、果し合い、死闘を何処かで望む心もあったりはするのだが。