2016/10/31 のログ
ご案内:「大時計塔」にノイさんが現れました。
■ノイ > 夜。
ハッピーハロウィンだなんて仮装や露店やなんやかんやで騒がしい中、
ノイはいつもの格好で月光照らされる時計塔で賑やかな街を眺めていた。
図書館より借りてきたロード・ドブ・ザ・リング。
作品の内容はノイの心に火をつけるような良い作品ではあったのだが、
読み終えた時に図書館で感じた違和感の正体を僅かながら掴めそうでいた。
「この作品はフィクションである…ね。」
誰もいない時計塔でぽつり。
フィクション。架空の存在。または創られた存在。
言葉自体は良く見かけるが、改めて意味を調べたノイにとっては身体に重石が取り付けられたかのように重くなり、
今また呟くことによって身体が重くなったような気がする
■ノイ > エルフは架空の存在?
「しかし私はここにいる」
ならば何故この作品にフィクションという言葉がついているのか
「この作品は創作だから」
では、"こちら"の世界に来るまでに人間と会った事はあるか
「"こちら"には、いない。けど、私は人間を見たいから"こちら"に来た」
エルフは人間に創られたかと思うか?
「わからない。からそれを考えれば考えるだけ頭が痛くなるからやめて」
何かに問いかけられ、自分を納得させるかのように何かへ答えを返す。
まるで睡眠薬を飲んだかのように瞼も重くなっていく。
だが別に眠い訳ではない。
寝たい訳でもない。
風邪を引きたい訳でもない。
現実を見たくないならば半分合ってるかもしれない。
まだ自分は、人間を見る事を楽しみにするエルフでいたい
■ノイ > ノイは自分の胸へ手をあてる。
確かに心が泣っている。
「生きている。大丈夫。」
そう呟いて深呼吸して、気を逸らすように夜空を見上げる。
やや曇りだが隙間から見える星々は輝いており、空気が澄んでいるということを教えてくれる
「ああ、明日は雨かなぁ。
こちらの世界には精霊がいないから分からないけど、そんな気がする」
どこか湿った空気でも感じ取ったのか、それともただの直感なのか。
そんな明日の未来を見た所でノイは時計塔を降りていく。
もしもこの直感が当たるなら、ここを出る時に警備員に見つからないように導いて欲しくもある。
出来ればヒット商品も作りたいし、欲を言えば楽に資金を稼ぎたい
……時計塔の入り口にたどり着く頃にはもう、いつも通り、欲深いエルフに戻っていたそうな
ご案内:「大時計塔」からノイさんが去りました。