2016/11/15 のログ
ご案内:「大時計塔」にヒカサ=カノさんが現れました。
ヒカサ=カノ > 常世の祭りで賑わう市街地、夜とはいえども、光は、音は街を賑わす。
街にそびえる時計の塔は、静かに佇み、街の賑わいを見護っている。

その塔の天辺に一つの人影。
緋色の髪と、ビニール傘は、光を一つ纏わせる。

「やっぱ落ち着くよね、ここ」

傘の少女は策に寄りかかり、喧騒を上から見下ろしていた。

ヒカサ=カノ > 島に身を移して数年、ほとんどを"歓楽街のほんの一部"で過ごす彼女。
こういう喧騒は苦手なようで。静かな場所を求めに、ここに来た。

「やっぱここに行くのはどうにかしないとなー・・・」
後ろをちらりと。先日の痕は直っていたが、やっぱり気になる。
常世の祭の直前に、派手にここにやってきて、ド派手に去っていったのは、さすがにやりすぎたと、ちょっと反省しながら。

今日はちゃんと階段から登って行ったから大丈夫大丈夫。
変な登り方をして見つかるのはゴメンだったけど――

「あれ、ここってダメだったような―—」

ヒカサ=カノ > そんなことも一つ浮かんで、ちょっと焦りで熱くなるも。
何回風紀と会ってるのやら。初冬の風で熱さとサヨナラ。

「こんなに静かなの、久々じゃない?」
下に向かってか、といかけるように。

普段は"歓楽街の一部"にいるし、学校は最近お祭り騒ぎ。
ちょっと前は自分が煩くしたけど――

思い出して、頭を掻いて、ごまかした。

ヒカサ=カノ > 煩いところ、居たり自ら作りだしたり。
周りが煩い時は、静かなとこに行きたがる。

こうも静かなところにいると、今度は下がうらめしく。
誰かと一緒に行きたいものだと、大きく一つ、白い息。

「これも人の性なのかもねぇ」
やれやれと一人で考えてみたり。
こういう時期は身体も冷えて、ちょっぴり心も脆くなる。

暖かいスープも飲みたいもんだ。
誰かが好きな、高いところで。

ヒカサ=カノ > 静かな時の、不意の風。
思わず身をこわばらす。

「さすがにもうこんな時期かぁ」
と傘を握る手はかすかに赤く。

両手で頬をパチンとたたき
「んじゃあちょっくら、行きますか」
一割増しの階段の音で、喧騒の元へ降りてゆく。


空ではひとしきり大きい月が、塔を、街を、静かに見守る。

ご案内:「大時計塔」からヒカサ=カノさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にヒカサ=カノさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」からヒカサ=カノさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に滝川 浩一さんが現れました。
滝川 浩一 > 夜風が寒くなってきた季節。
特に暖房器具などが取り付けられてない大時計塔は寒く、身が凍るような風が通路を駆け巡る。
静寂に包まれた大時計塔。
寒さもあってか、文字通り時間が凍ったように静寂に包まれたその場所に通路にコツン、コツンと足音が鳴り響く。

その音源の元を辿ってみれば……何も無い。
何もない虚空。ただその空間に足音が鳴り響いており、それの音源は移動していた。
また、地面付近はまるで何かが移動しているかのように空気が移動し、そこに大きな何かがあるかのように通路に吹く風を阻害していた。

足音は時計塔の階段を登り、ドアの前までくる。
ドアの前で足音が消えたと思ったら今度はドアが独りでに開き、暗い通路に月明りを差し込んだ。
ドアの向こう側、時計塔の頂上へと足音が鳴り響けば、ピタリと音が止んだ。

「…便利」

次の瞬間、足音が止んだ場所から声がした。
それに続く形でその空間が歪み始めた。

空間は足音が止まった場所に縦長に展開しており、その大きさ地面から180㎝以上はある。
良く目を凝らしていれば、その空間の歪みが人の形を取っているのがわかるだろう。
人の形の歪み。それに徐々に色が付いていく。

一番上は黒く、そしてその下は肌色。
肌色から下、地面から10㎝程は紺色が支配しており、最後の地面に接している部分は黒と赤が交差し、入り混じった色をしていた。
その色が鮮明に、空間の歪みに着色すれば…一人の少年が、その場に出現した。

滝川 浩一 > 空間の歪みに着色し、姿を現した一人の少年。
180㎝はある体躯の黒髪の少年は上下ともに紺色のジャージを着用し、足には赤色と黒色の入り混じったスニーカーを履いていた。
そして、彼の着ているジャージの左胸辺りには野球ボール程度の大きさの厚みのある機械的なバッヂを着用していた。
肩を軽く回し、そのバッヂを取り外す。

「ステルス迷彩…とかいう技術か。これで女湯も覗き放題…いやいや、ダメか」

バッヂを見て、開いている手で顎に手を添えてそう呟く。
手を伸ばしてそのバッヂを月に翳して、片目を閉じてジーッと観察する。
それに耳を傾ければ僅かにカチカチと駆動音がし、逆光で暗くなった外殻と外殻の間には精密機械が光を放っていた。
興味深そうにそれを見た後、腕を組んで悩むように考える素振りをする。
数秒……考える素振りを続ければ、ため息を吐いて首を振って、そのバッヂを光に変換し消し去った。

「相変わらず、俺の異能が解らないが…ともあれ、害を加える物でもないし……今日ばかりは利用させてもらうぞ」

右手を握りしめ、ジリッと脚を踏み込む。
すー、はー…深呼吸をすれば目を見開く。
そうすれば、彼の周辺に青い光が無数に出現する。
異能を使う際に発生する青い光。それは暗い時計塔のテラスをぼんやりと彩り、幻想的な空間を作りだしていた。

しかし、光を発生させた彼はその幻想的な空間に酔いしれるどころか目を細めて怪訝な顔をした。
周囲が暗闇でわかりづらいが、青い光に混じって黒い光が移動している。
その数は10個前後と言ったところ。青い光の数に比べれば圧倒的に少なかった。

(また増えてる…何とかしないとな)

脇腹を抑えて、その黒い光を見据える。
黒い光について心当たりがある。もし、これが青い光を覆い尽くし、全てが黒い光になってしまったら…
どうなるかはあまり想像しないでおこう。悪い方に転がることは分かりきっているが。

その光を操り、物体を生成しようと地面に集中させる。
光は規則正しく移動し、地面付近に集中すれば…一個のノートPCと50㎝程の大きさの飛行機を作りだした。