2016/12/10 のログ
ご案内:「大時計塔」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 季節は巡り12月の上旬。早朝も夜も結構冷え込むようになってきた。
生徒は基本立ち入り禁止ではあるが、警備がやたらとザルだという噂の大時計塔。
仮にも新米とはいえ風紀委員の少年が来るのもどうかと思うが、気分転換にはいいだろう。
実際、こうして現在長い長い階段をライフルケースを背負って黙々と昇っている。
つまり、警備などあって無いようなものだという事だ…それが良いか悪いかは知らない。
それに、幾ら風紀委員になったとはいえ、格式ばったルールばかりでは気疲れもする。
多少は柔軟に立ち回りたい少年としては、こういうルール破りも有りという考えで。
もっとも、それで目立つのは本位ではないので密かに、ではあるが。
「……外観から分かってたけど……結構長いなこの階段…。」
ポツリ、と呟いて上を見上げる。何だかんだで全体の3分の2くらいは昇っただろうか。
残り3分の1…後はただ、ひたすら黙々と階段を昇って最上階へと到達するだろう。
■飛鷹与一 > 最上階に到着すれば、少年の最大の特徴でもある覇気の無い死んだ魚の如き双眸で周囲を見渡す。
特に誰も居ないようだ…隠れていたりしなければ、だが。
まぁ、別に誰か居てもそれはそれ。ライフルケースをゆるりと担ぎ直して窓際へ。
「………眺めはやっぱりいいんだな…」
暫く、無言で景色を眺めていたがそんな感想を不意に呟く。
とはいえ、それ以上の感想は無い。感動も感傷もその態度には全く窺えない。
同時に、(……絶好の狙撃ポイントだなここ…)と、つい思ってしまう。
「……いや、そうじゃないだろう俺…」
初めて表情を変えた。とはいえ、呆れにも似たそれは微かなものであり。
嘆息と共に、担いでいたライフルケースを一度床に下ろして肩を緩く回そう。
■飛鷹与一 > 周囲は静かだ…時計塔が高いのもあるが、人気がこの時間帯は殆ど無いのもあるだろうか。
近くの壁に背中を預けながら、覇気や生気を投げ捨てたような光の無い瞳を天井へと向けて。
「……――。」
一言、何かを口にしたのか唇が動いた。実際何かを呟いたのかもしれない。
だけど、何も言葉を発しなかったのかもしれない。少年自身も無意識だろう。
ただ、ぼんやりと思う事は…地味に自分が望む平凡な生活とは掛け離れてきつつある、という事だ。
(……凡人の身の丈にあった生き方をすればいい、とは思うけどな)
実際は風紀委員になったり狙撃の才能を見出されてたり。我ながら何でこうなったのだろう、と思う。